こだわり抜いた“使い勝手の良さ”
――使い勝手の部分でパワーアップしている点はありますか?
高橋氏 実はけっこうありまして。たとえばスピーカーはボックス型を採用して、高音質にしたりですとか、Type-Cのコネクターが1個増えてますとか、あとはWindows Hello対応の赤外線カメラを搭載したなどですね。これらはすべて重量がアップしてしまう要素なんですけれども、お客様の使い勝手を考えて組み込みました。そのような機能を盛り込みつつ軽量化している点で、総合的な使い勝手は向上しています。
――USB Type-Cの需要は高いのですか?
野田氏 これからだと思います。Type-C対応機器はまだそんなに多くはないんですけど、今後増えていくだろうと見越して2ポートにしました。
松下氏 「LIFEBOOK UH」シリーズは大学の生協様にも販売しているんですけれども、Type-Cに関する問い合わせがありました。お客様は興味を持っているのかなと思っています。
――赤外線カメラを搭載されましたが、この理由は?
野田氏 ユーザーの動線を考えたときに、画面を開いて電源ボタンを押してでサインインできる顔認証のほうがスムーズであると考えて採用しました。
――その代わりに指紋センサーがなくなりましたが
野田氏 確かに指紋センサーは非搭載としましたが、UHシリーズのセキュリティ機能としてパソコン起動までの導線を含めた顔認証の使いやすさをご体感いただければと思います。
――モバイル利用については?
野田氏 バッテリーの駆動時間が伸びていますし、空冷ファンも改善したことで静音性も向上しています。モバイルPCはいろんなシーンで使うことが考えられますので、特にモバイル性能については強く意識しました。
松下氏 あとはUSB Type-Cで電力をもらうほう(Power Delivery)の機能も変更されています。前のモデルは60W給電のACアダプターを使った場合に充電できる仕様だったんですけど、今回はちょっと緩和されまして45WのバッテリーやACアダプターからでも充電できるようになりました。対応機器も増えているので、便利に使っていただけると思います。
――新モデルを使ってみて、音がかなり静かになっていると感じました
高橋氏 これは空冷ファンを大型化したのと、位置を変えたからなんですよ。新しい空冷ファンは排気口が5ミリ拡大されていて、あとは風の流れがいちばん強いところに一番熱い部分を持ってきました。設計の初期の段階からエアフローをシミュレートして、ベストなポジションを見つけています。
――吸気口の位置も変わっていますね
高橋氏 実は今回は音の大きさだけじゃなくて、音色にも気を使っているんですよ。人間は、高周波の音の方が耳障りに聞こえやすいんですが、その高い音が出ないように位置を修正しています。ただ、音というのはなかなかシミュレーションが難しくて、実際に穴の位置を変えたものを何パターンか試作して、熱と音のバランスが一番いいところに決めました。
――非常にマニアックな部分なんですけど、キーボード面の仕上がりがダークシルバーからブラックへと微妙に変わっている理由を教えてください
高橋氏 ここは明らかに変えたところでして、いまは全体を同系色で表現する「ユニカラー」というのがトレンドです。それを取り込んだっていうのが、まずひとつ。あとは文字の見やすさですね。筐体を黒くすると側面に書かれた文字のコントラストが上がって視認性が向上するという理由ですね。
――ほかのカラーやデザインは展開されないんですか?
野田氏 実はですね、フロンターレの2018年J1リーグ優勝記念で特別なデザインのモデルを販売したんですよ。
松下氏 天板に特別デザインの柄をプリントしているんですけど、こちらに金色の星がふたつありまして、これは2連覇を表しているんですね。あと中を開くと、タッチパッドにフロンターレのロゴが描かれている特別仕様です。また電源ボタンをフロンターレカラーにしたり、「F」のキーがフロンターレのロゴの「F」になっているとか、いろんなところにこだわっています。
野田氏 筐体色という意味では量販店のオリジナルモデルで、ピンクゴールドやネイビーといった色も出してます。また「富士通 WEB MART」のカスタムメイドモデルではいろんな模様や自分の写真を天板に印刷できる「カスタムメイドプラス」というサービスもありますので、そちらをご利用いただければと思います。