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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第497回

AMD GPUロードマップ  Radeon VIIは超特価、原価率は2080Tiに匹敵

2019年02月11日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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次期GPU「Navi」はまずPS5が採用?
今年後半に発表、年内に出荷開始か

 ではこれに続くNaviは? というと、最初のターゲットはコンシューマー向けと言いつつ、SCEのPlayStation 5向けという噂がもっぱらである。PS5だけでなく、次期Xbox向けもやはりNaviベース(こちらはNavi 10 Liteなる型番まで噂されている)になるようで、するとPC向けは当然その後ということになる。

 時期的に言えば、今年の後半に発表があって、年内に出荷開始というあたりを現時点では想定しているようだが、正確なところはまだわからない。

 ではそこまでの間、Radeon VIIの派生型を増やしてしのぐのかというとこれもまた厳しい。なにしろ製品原価が高すぎるからだ。可能性としては多少動作周波数を落とすとともに、HBMを2GB×4スタックに減らしたものを、100ドルくらい下げて発売する、あるいはNanoのフォームファクターで発売するというあたりだろうか?

 ただこれも原価ギリギリなので、AMDとしては「可能ではあるが、積極的には手がけない」(市場の動向を睨みつつ、どうしても必要であると判断したら投入する)程度で、あまり積極的に仕掛ける感じはしない。

 1月29日にAMDは2018年度の第4四半期および2018年通期の決算を発表し、記録的な業績(なにせ前年が一株当たり0.03ドルの赤字だったのが、0.32ドルの黒字に転換した)を誇ったが、この発表における今後の見通しの中で、2019年第1四半期は前期比12%、前年比24%の売上減を見込んでおり、その主要因がグラフィックにおける売上が落ちる事&季節要因だとしている。

 要するに仮想通貨バブルが弾けて、マイニング用の売上が急落したからという話であるが、逆にデータセンター向けGPUなどは好調と見込んでおり、当面AMDはこちらの方面に注力すると思われる。グラフィックビジネスのテコ入れは、データセンター向けが一段落する今年後半~来年に持ち越しになりそうだ。

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