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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第497回

AMD GPUロードマップ  Radeon VIIは超特価、原価率は2080Tiに匹敵

2019年02月11日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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縦方向のダイサイズは
HBM2メモリーの寸法から決定

 なぜこんなに大きいのか? という答えは簡単で、縦方向はHBM2メモリーの寸法で決まり、横方向は(おそらく)インフィニティー・ファブリックのI/Fで決まってしまい、これ未満にはできなかったためだ。

 JEDECはHBM Balloutを公開しているが、これによればHBM2では信号 1904Ball、GND 1762Ball、VDDCとVDDQとVPP(コアとI/Oとポンプ回路向け電源)が合計で1754Ballという化け物であり、Ballは300行×68列(ただし互い違いに空きがある)で10200にも達する。

HBM BalloutはExcelシートの形で提供されるが、25%表示にしてもこれである

 数が合わないのは、NC(No Connection)が883Ball、そもそもBallなしが3897ほどあるためだが、それにしてもシグナルだけで1900本以上をVega20から引っ張り出さないといけない。

 こうなってくると、配線レイアウトは下図のように、なるべく直線に引っ張り出さないと、いくらシリコンインターポーザーを使うとはいえ斜め方向に引っ張り出すのは大変だろうし、またレイテンシーの増大にもつながる。

Vega 20の配線レイアウト

 HBMを90度回転させて配してもやはり配線が増えることになるし、配線そのものがかなり大変になるだろう。つまるところ、HBM2を4つ使うと決めた時点で、縦方向のダイサイズはほぼ決まったも同然になる。

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