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東京ヴェルディの救世主にアカツキはなれるのか?

2019年02月06日 06時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ガチ鈴木 /ASCII編集部 写真● 曽根田元

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――東京ヴェルディのホームグラウンドは東京スタジアム(味の素スタジアム、調布市)ですが、今後23区内に移転するという可能性はあるのでしょうか?

塩田氏 念頭には置いています。

梅本氏 アカツキとしては、代々木公園に新しくスタジアムを作るということについては関与していきたいと思っています。ヴェルディがそこにくるとなれば、一番いいことだと思っています。

 実際にはそこにスタジアムができることも決まっていないですし、そこにどのチームが入ることも決まっていないです。また、ヴェルディは23区内に移りたいという方向を明らかにしていますが、具体的にどこかという話はないと理解しています。 なので、渋谷移転というのはあくまでアカツキとしての私案でしかありません。

 我々がヴェルディに資本参画することを検討したのは2017年の途中で、2018年に正式にスポンサーになりました。実は、資本参画を検討した段階で、代々木公園にスタジアムを作ることが可能かどうかを独自に調査しました。つまり、アカツキとしては、代々木公園にヴェルディを持ってくる形で資本参画するのがいいな、というシナリオを持って準備をしています。ですが、繰り返しですがあくまでもシナリオの1つで、我々の希望にすぎません。

 以前から一部報道でスタジアムの計画が報じられていましたが、その時点では具体的な計画があるわけではないということがわかり、2018年4月に渋谷区の外郭団体(一般社団法人「渋谷未来デザイン」)が、スタジアム建設の調査について具体的なプロジェクトを持って立ち上がったときに、我々も協業パートナーとして参加することにしました。このプロジェクトにはミクシィさんなど多くの企業も参加され、一緒に調査を進めています。スタジアムが代々木にできるということは日本のスポーツにとって良いことなので、いずれにしても実現に向けてみんなで考えようと話しています。

アカツキも協業パートナーとして参画する「渋谷未来デザイン」は新スタジアムの構想だけでなく、渋谷区の持続発展につなげる活動をする産官学民連携組織

 2018年9月にこのプロジェクトを公にした際のキックオフのトークセッションには日本サッカー協会の相談役である川淵氏(川淵三郎氏、日本トップリーグ連携機構会長も務める)に登壇いただきました。

――スポーツビジネスにおいてスタジアムは重要です。スタジアムでどのようなことをやりたいなどの構想はありますか?

梅本氏 ファンや体験ビジネスを考えたとき、基本的に3つの要素に分けることができます。コンテンツそのもの(1)、プラットフォーム(2)、メディアやコミュニティ(3)です。

 コンテンツ(1)はサッカー、ヴェルディそのものです。それをどのような環境で提供するのか(2)により、感動や熱狂の度合いが変わってきます。ですので、スタジアムという場にどのような形のものがあるかはとても重要です。

 それがあって、楽しんだことをどのように共有したり輪に広げるのかというメディアやコミュニテイの設計(3)があります。この3つをさらに因数分解してやっていきます。

――短期的な目標は?

梅本氏 今後約3年で味の素スタジアムに常時2万人~2万5000人に来ていただけるようにしたいです。そしてヴェルディには1~2年でJ1に昇格してもらいたい、そのためにアカツキは事業側を頑張り、スタジアムをお客さまで埋めていきたいです。

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