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難関大不合格なら授業料返金、問題児大歓迎の高校が誕生

文● 藤崎雅子(ダイヤモンド・オンライン

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既存の学校の枠にとらわれない、新しいスタイルの高校が続々と誕生している。今回紹介するのは「Loohcs(ルークス)」。問題児大歓迎と銘打つ教育方針に注目が集まっている。

伊勢谷友介氏が発起人となり
学校のあり方をひっくり返す

発起人の伊勢谷友介氏(左)と斎木陽平氏
「問題児」「変わった子」とされる子どもたちの夢や才能を伸ばしたい。既存の学校にこそ問題があるのではないか、という問いかけがLoohcs(ルークス)の出発点にはある(発起人の伊勢谷友介氏と斎木陽平氏)

 斬新なスタイルの高校が続々と誕生している。2016年4月、カドカワグループが手掛ける、ネットと通信高校の制度を活用したN高等学校が開校。2018年10月には、ホリエモンこと堀江貴文氏が主宰する、「座学を目的とせず、実学を重視する」を掲げたゼロ高等学院が産声をあげた。

 そして今春、また1つユニークな高校が誕生する。俳優・実業家の伊勢谷友介氏と、AO入試専門塾「AO義塾」を立ち上げ運営してきた斎木陽平氏を発起人とするLoohcs(ルークス)だ。

「Loohcs」という校名は、「School」のつづりをひっくり返したもの。そこに、今までの教育や学校のあり方をひっくり返す新しい学校としての思いが込められている。

 同校が目指すのは、「問題児」「変わった子」とされている子どもたちが夢や才能を生かすために学び、輝ける高校だ。発起人代表でありLoohcs校長を務める斎木氏は、開校の趣旨をこう語る。

「世の中で『問題児』とされている子どもたちは、本当に問題児でしょうか? 私たちは、子ども自身に問題があるのではなく、既存の学校や教育システムのほうに問題があるのではないかと考えています。「右へならえ」の時代は終わりました。縛られることが嫌で、人と違う目で世界を見る子どもたちが、自分の夢と向き合い、才能を伸ばし、輝ける場所を作りたい。そんな強い思いでLoohcsを立ち上げました」

 普遍性と先端性をキーワードとしたカリキュラムには、従来の高校には見られないさまざまな特徴がある。

社会の第一線で活躍する講師から
生きたビジネスやアートを学べる

 まず、国語や数学などの一般教科の授業は、一斉授業ではなくパーソナル学習が基本となる。生徒一人ひとりが自分に合った学習計画を立て、参考書や動画で自学自習。それをパーソナル学習コーチが人工知能も活用しながらサポートする。

東京・代々木のキャンパス。このほか、大阪・中津、福岡・天神、インド・バラナシ、ミャンマー・ヤンゴン、モンゴル・ウランバートルにもキャンパスを設置する

 このように一般教科を効率よく学習することによって生み出された時間で、ビジネス、テクノロジー、クリエイティブ、リベラルアーツという4種類の特別科目の学びを提供する。

 特別科目の特徴は、社会で活躍する講師から学べる授業が豊富なことだ。例えば、ビジネス科目ではベンチャー社長やM&A経験者などさまざまな特別ゲストを招いて起業方法やマーケティングなどを学んだり、クリエイティブ科目ではアートディレクターと共に地域社会と連携して問題解決に取り組んだりする。また、発起人である伊勢谷氏が監修を行ったリベラルアーツ科目では、物事の本質に迫る幅広い教養を学ぶことで、自分の軸をもって主体的な選択や判断ができる力を育むという。

 グローバル化への対応にも力を入れる。日本のほかミャンマー、インド、モンゴルの世界4ヵ国に校舎を持っており、4ヵ月~2年間の範囲内で海外において学ぶことも可能だ。現地の学生と共に取り組む、グローバルなプロジェクト型学習の実施も計画されている。

「ネット上の高校なの?」と思われるかもしれないが、そうではない。入学後は、東京・代々木にあるLoohcs本校、あるいは国内外のサテライト校に毎日通学することになる。仲間や先生と共に学校生活を送ることで、社会生活で求められるコミュニケーション力や協働性の育成を図るためだ。

 学校生活では生徒の主体性を重視し、ホームルーム運営や成績評価、部活動・学校行事の運営などで中心となるのは生徒自身。体育祭や文化祭なども、「開催するかどうか?」というところから、生徒が話し合って決めていくという。

難関大学不合格なら
授業料を返金!

「子どもたちは、私たち大人が経験したことのない時代を生きていきます。AIやテクノロジーの進展のなかで、人は人にしかできない力を発揮することがますます重要になるでしょう。想像力や創造力、他者と協働する力など、彼らにとって本当に必要な力を効果的に育んでいきたいと考えています」(斎木氏)

 自由度の高いカリキュラムだが、私立代々木高校の通信課程と教育提携しており、高校卒業資格を得ることが可能。卒業後の進路は主に大学進学を想定しており、AO入試専門塾として高い合格実績をあげてきた設立母体のノウハウを生かし、進学指導にも力を入れていく。

 その結果には責任をもち、生徒が規定回数出席したにもかかわらず同校指定の難関大学(国内50大学および全大学の医学部・薬学部・看護学部)に不合格となった場合、年104万円の授業料を返金するという「授業料返金制度」を設けている。

 昨年秋から都内で定期的に開催している学校説明会には、毎回多くの中学生やその保護者が参加している。ある日の説明会場では、参加者から具体的な授業方法や学校生活イメージに関する質問が相次いだほか、「高校だけでなく中学校も作ってほしい」との要望も出るなど、新しい教育に対する期待は大きいようだ。

 予測不能なこれからの社会を見据え、新学習指導要領や大学入試など、国を挙げて改革が進められている。その枠組みを突き抜け、独自の方法で新しい教育に挑戦する学校は、今後も増えていくかもしれない。

(藤崎雅子/5時から作家塾(R))


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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