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「一流の人」に認められ、会話に入れてもらえる質問の仕方

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一流の人と会話が続く“3つの質問”とは?
写真はイメージです Photo:PIXTA

近年、「働き方改革」は労働時間や職場環境の改善など様々な形で動き出している。とはいえ、世界で見ると日本人の忙しさはまだまだトップクラス。その一方で生産性の低さも問題視されている。なぜ日本人は「がんばっている」のに、効率が上がらないのか。元Googleの人材育成統括部長で、新刊『がんばらない働き方』(青春出版社刊)の著者・ピョートル・フェリクス・グジバチ氏がGoogleで学んだ、ムダを捨てて、より楽に、より効率的に仕事の生産性を高める仕事術についてアドバイスする。

“アイデアが降りてくる瞬間”は自分でつくれる!

 インパクトの大きい仕事をするために、日本企業が捨てるべき要素の1つは、「ロジカルシンキング」です。論理か直感かの対比でいうと、ビジネスの場面ではAならばB、BならばCと、「筋道をたて、時間をかけて分析、検討すること」のほうが大切だとされているでしょう。

 しかし、ロジカルシンキングが万能であると考えるのは、間違いです。というのも、ロジカルに考え分析することと、インパクトを与える仕事を発想することは、まったく違う作業だからです。ロジカルシンキングは、考えをまとめて、誰かに説明するためのツールであって、アイデア出しのときには、あまり役に立ちません。

 実は、スタートアップの成功者を見ても、マッキンゼーやボストンコンサルティンググループなどの出身者は意外に多くないのです。新しい価値を生み出し、世の中にインパクトを与える場面では、コンサルタントのロジカルシンキングよりも、直感やセンス、実行力のほうがはるかに大事ということでしょう。画期的なアイデアを出すには、「ロジカルシンキングを捨てる勇気」が必要です。アイデアとは、いつも「ふとした瞬間」に降りてくるからです。一流クリエイターの話を聞いても、散歩中やお風呂に入っているときにアイデアを思いつく、という人が多いのです。

 では、その「ふとした瞬間」を呼び込むには、どうしたらいいのでしょうか。1つには、アイデア出しのヒントになるような、具体的なモノを目の前に用意します。僕はそれを「クルー(clue)」と呼んでいるのですが、本や雑誌の切り抜き、写真、最近気になる広告、夢中になって遊んでいるアプリ、ファッション等、何百という雑多な情報を、目の前のデスクいっぱいに並べます。このときのアイデア出しは1人ではなく、チームで行い、皆で自由に思いつきを出し合います。そうすることで、それぞれの言葉が刺激になり、一見無関係に思えるような思いつき同士が組み合わさって、アイデアが膨らんでいくのです。

 また、ロジカルシンキングと同じように、使いみちを誤りがちなのが「分析」です。日本人で多いのは、何のためかよくわからないままに分析するケースです。細かいところまでよく調べてくれるといつも関心するのですが、そこには結論がありません。分析は本来、何らかのアクションにつなげるために行われるものです。がんばって分析しているうちに、分析自体が目的になってしまうのは実にもったいないことだと思いませんか?

グーグルがやっている「○○な根回し」とは

 画期的なアイデアを実現させるカギは、端的にいうと「根回し」です。根回しというと、日本ではズルいこと、ゴマすり、といったネガティブなイメージがあるかもしれませんが、ここでいう根回しは「議論を生産的にするコミュニケーション」だとして、ポジティブにとらえてください。グーグルでは、ポジティブな根回しをよくやるのです。オフィスのあちこちで「これどう思う?」「このあたりが問題じゃないか」等、オープンな情報交換が行われています。コミュニケーションの回数が多く、誰がどんな意見を持っているかもだいたい把握できているほど、会議が始まる前からコミュニケーションをとっているので、会議の時間も充実します。

 一方、日本企業では、会議室の外でのコミュニケーションが全くないケースがあります。根回しというと「今度の会議はA案でいくつもりだから、B案には反対してくれ」等、クローズドな話に終始しがちではないでしょうか。これでは会議が始まっても、生産的なコミュニケーションはできません。

 この「ポジティブな根回し」には、多くのメリットがあります。その1つは「情報収集」です。例えば、会議にもっていくアイデアを事前にぶつけてみることで、「もっとここが知りたい」「こんなデータがないと説得力がない」等、そこで得られた反応をアイデアに盛り込むことができます。なかでも、会議の最終的な意思決定者の価値観や判断基準を知ることを、絶対に忘れてはいけません。

 もう1つは、「相手に考える時間をつくってもらう」ことです。初めて見せられた案に対してその場で意見を出すというのは、専門家であっても難しいものです。しかし、会議の前に一度でも見ていれば、会議までの間に、意見を用意できるかもしれません。「もっとこうしたらよくなるかもしれない」といった、建設的な意見をもらえる可能性も、高くなります。

 ちなみに根回しの相手は、意思決定に近いところにいる人間、つまり上司であることが多いものです。では、上司からのアドバイスを引き出すにはどうしたらいいか。この答えはシンプルです。上司が会社から与えられているミッションは、部署やチームの成果を上げること。それができるアイデアであることを示せれば、上司も協力は惜しまないはずです。

一流の人に“一目置かれる”3つの質問

 日本には、まだまだ「がんばっていれば評価はついてくるはず」という考え方が根強いですが、本当に成果を大きくするには人間関係にも意識的な取り組みが必要です。作業の効率化には熱心だけど、人間関係には意識が向かないという人を多く見てきましたから、ここでは僕の人間関係についての考え方についてお伝えしたいと思います。

 まず人と会うときは、お互いの価値観が合うところはどこなのか、探すようにしています。こちらが仲良くなりたいと思っているだけでは、相手に印象が残りません。狙った人とつながりたければ、テイク(もらう)ばかりでなく、ギブ(あげる)を心がける必要もあります。

 例えば、その人と会ったら面白いことが起こりそうな人の名前をあげて「よろしければ ご紹介しますよ」とメールをしたり、相手のことを徹底的に調べて、ビジネスのヒントになりそうな情報を提供したり。相手にとってメリットになりそうなことを、積極的にギブするのです。そうして、「自分と付き合うとこんなにいいことがあるよ」とわかってもらえたら、相手もこちらに返してくれることがあります。

 どんな基準でどんな人と会うのか、そこは人それぞれの価値観によります。例えば、仕事の付き合いとプライベートの付き合いは一見両立しないような気もしますが、自己啓発のために有益な友情関係もあると思うのです。自分のビジネスとは無関係でも、自分の話を親身になって聞いてくれ、おかしいと思うところを指摘してくれる誰かでもいいですし、疲れを癒やしてくれる誰かでもいい。そうして、仕事とプライベートのバランスをとり、人生のさまざまな領域において、自分のためになる関係性をつくっていくべきです。

 僕はというと、人間関係に求めているのは究極のところ、深い対話です。自分にとって刺激になり、ときには自分自身の生き方に変化が起こるような対話です。インサイトに優れた人は、想像もしなかった話をしてくれます。特に、知らない分野の人と会うときは、その分野のサイクル、トレンド、パターンを教えてもらうようにしています。ファッション分野がよい例です。

 ファッションは、常に新しいトレンドが生まれているように見えますが、実は似たようなファッションが繰り返し登場しながら進化しています。例えば、今は90年代風のファッションが人気ですが、以前も90年代ファッションが流行った時期があります。同じように、70年代ファッションも、80年代ファッションも、定期的に流行ります。その繰り返しが「サイクル」です。サイクルのなかでそのとき流行っているものが「トレンド」です。常にアンテナを立て、今多くの人が注目している対象をチェックしておく必要があります。「パターン」とは、いわばビジネスモデルのことです。

 僕は、知らない分野の人に会うときは、その分野のサイクル、トレンド、パターンをあらかじめ学んでおく努力をしています。こうすると、同じ話を聞いたとしても、一歩深い質問ができ、信頼関係が構築できます。もちろん、ちょっと勉強したぐらいでプロの知識レベルにかなうはずがありませんが、素人でもサイクル、トレンド、パターンを勉強して質問すれば一目置かれ、レベルの高い会話に混ぜてもらえるということです。

 そもそも、一流の人たちはレベルの高い会話しかしないのです。それについていけないとしても、人と接している間は、相手に価値のあるものを提供しようする努力が、欠かせません。極論に聞こえるかもしれませんが、それができないなら口を開かなくてもいいとすら思います。

 最近は、社員にも「意図なしに口をあけないで」といいます(もちろん、コミュニケーションを円滑にする雑談は大歓迎ですが)。「会話の一言ひとこと、すべてが営業行為」だと僕は思います。どんな言葉にも意図があり、そこには自分の価値を相手に認めさせるだけのものがあるべきなのです。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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