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Windows Info 第157回

「WslFs」はWindows Subsystem for Linuxでのファイルシステムを置き換える存在!?

2019年01月27日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII編集部

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WslFsはVolFsを置き換えるためのもの!?
ただし、まだ詳細はわからず

 さて、ようやくWslFsの話をしよう。コマンドによれば、WslFsとはVolFs(lxfs)を置き換えるものだ。どうして置き換える必要があるのかというと、VolFsとDrvFsではLinuxのメタ情報の管理方法が違っている。

 これを統一するのがWslFsであり、具体的には、VolFsのメタデータの管理方法を、DrvFsの方式に切り替えるためのもののようだ。“ようだ”というのは、WslFsに関して、マイクロソフトから何もドキュメントが出ておらず、いまのところ目的なども不明なのである。このため、うかつにwslconfig.exeで、WslFsには変換しないほうが無難だ。次のバージョンでいきなりサポートされなくなるといった可能性さえある。

 具体的にVolFs、DrvFsそしてWslFsに関して、それぞれのファイルにある$EAアトリビュートの中身を調べて見た。まずは、VolFsとDrvFsだ。VolFsは、$EAアトリビュートの中に2つのサブアトリビュートがある。

VolFsとDrvFsの比較。メタデータの保存に$EAアトリビュートを使うが、使い方には違いがある

 「$CI.CATALOGHINT」と「LXATTRB」で前者は、作成したLinuxディストリビューションに関連する情報が記載されていた。LXATTRBのほうにおそらくはメタデータが入っていると思われるが、具体的な構造まではわからなかった。

 これに対して、DrvFsは、3つのサブアトリビュートを定義している。「$LXUID」「$LXGID」「$LXMOD」の3つだ。最初のものが作成者のLinux ユーザーID、2つめは、LinuxのグループIDと思われ、3つめの$LXMODがメタデタータではないかと想像される。

 さて、VolFs(lxfs)をWslFsにアップグレードし、同じファイルの$EAを調べて見ると、DrvFsと同じサブアトリビュートがおかれていた。最初のサブアトリビュートは、VolFsと同じで、後半がDrvFsと同じである。このためWslFsはDrvFsとある種の互換性を持つと考えられる。

WslFsは、メタデータを記録するサブアトリビュートにDrvFsと同じ構造を使っている。このため、DrvFsの仕組みを利用してマウントすることは不可能ではないと考えられる

 DrvFsとVolFsとは、それぞれ別に作られ、目的にも違う部分がある。このため、両者は、当面別々のものとして維持されていくと思われるが、VolFsとDrvFsの間にある種の互換性があれば、たとえば、他のディストリビューションのVolFsを一時的にマウントしたり、あるいはリモートマウントするといった可能性が考えられる。

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