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NETGEAR製品導入事例

西伊豆の老舗旅館「ときわや」が大広間を使ってドローンレースを開催した理由

宿泊客に「体験を発信してもらう」ことでゲストWi-Fiの価値を変える

2019年02月19日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

提供: ネットギア

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大広間でドローンレース、宿泊客の情報発信を促す仕掛けを考える

 あらゆる宿泊施設において、ゲストWi-Fiはすでに“当然のサービス”として認知されつつある。大井さんも「最近のお客様、特に海外からのお客様や学生のお客様は、必ずと言っていいほど『Wi-Fiはありますか?』と尋ねられます」と証言する。

 だが、単にゲストWi-Fiをサービス提供するだけでは、宿泊施設にとってはコストにしかならない。それをどう利益に変えていくのか。大井さんは、宿泊者自身がゲストWi-Fiを使って「情報発信」を促すことが鍵を握ると捉えている。

 「たとえばときわやの館内や食事の内容、あるいは伊豆や戸田でのちょっとした体験とか――。そうしたものをインスタグラムなどのSNSでアップしていただけたら、やはり影響力はあると思います」

 前述したとおり、ときわやでは「体験」の提供を重視したアピールを強めていこうとしている。すでに釣り客向けの廉価な宿泊プランを用意しており、今後さらにダイビング、サイクリングといった、伊豆ならではのアクティビティと連携するプランも考えていく。高速で快適なゲストWi-Fi環境があれば、そうした体験を伝える写真やビデオもシェアしたくなるはずだ。

 そうした取り組みのひとつとして、11月には日本ドローンレース協会(JDRA)と共同でマイクロドローンレースを開催した。90畳ほどの広さがあるときわやの大広間を、超小型のFPVドローンが飛び回る障害物レースだ。迫力あるレース映像は、ゲストWi-Fiを使ってYouTubeでライブ配信された。

 「1日目はお食事を楽しんでいただきながらドローンレース、そして2日目は屋外に出て、戸田港の風景をドローン空撮していただくというプランです。ドローンが好きな方は多いのですが、都会ではなかなか飛ばしにくい。ここならば許可が取りやすく、空撮したくなる美しい自然もたくさんある。それからYouTubeの中継も、ゲストWi-Fiが使えるだろうと考えました」

 当初は自分でドローンの免許を取り、戸田の風景を空撮してアピールすることも考えていたという大井さん。しかし、それよりは全国からドローンファンを呼び寄せて、楽しみながら戸田の魅力を発信してもらったほうが「わたしが免許を取るより早いですし(笑)、効果的なアピールになると思いました」と明かした。

* * *

 旅館に対する従来どおりの考え方では、「温泉旅館」と「ドローンレース」という組み合わせには決してたどり着かなかっただろう。旅行ニーズがどう変化しており、どのような体験が提供できるのかを広い視野で捉えたからこそ、こうしたアイデアが生まれたはずだ。

 ゲストWi-Fiについても同様だ。単に「必要とされているから」導入するだけでなく、宿泊客がそれを利用したい理由、具体的なニーズが何なのかを捉えることで、新たな価値を生むアイデアにたどり着ける。大井さんの言葉からは、そうした発想の大切さが強く感じられた。

 そして、宿泊客がしっかり活用できるゲストWi-Fi環境を実現したのがOrbi Proだ。特にときわやの場合、建物の改築工事がすでに進んでいるという制約があったが、有線LAN敷設工事が不要なOrbi Proを選んだことで、迅速かつ低コストで、客室内でも使える安定したゲストWi-Fiが提供できている。

 Orbi Proは、ルーター+サテライト各1台のセット(SRK60-100JPS)に加えて、追加用のサテライト(SRS60-100JPS)が販売されている。1台あたり最大175㎡をカバーするので、施設やフロアの広さに応じてサテライトを追加導入すればよい。そのほかにも、Orbi ProはマルチSSID/VLAN対応、リモート管理機能、ゲストポータル機能など、ビジネス用途に適した多くの特徴を持っている。小規模なオフィスや店舗に最適なビジネス無線LAN製品なので、ぜひ注目していただきたい。

Orbi Proはスマートな外見も特徴だ(写真はルーター+サテライトのセット、SRK60-100JPS)

(提供:ネットギア)

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