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消費増税前に「買っておくべきもの」「買わなくていいもの」

2019年01月21日 06時00分更新

文● 村田孔明(ダイヤモンド・オンライン

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2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げ。過去の増税ではまとめ買いで失敗したり、買わずに後悔したりという経験をした人もいるかもしれない。増税まで1年を切った今、FPサテライト株式会社代表取締役のファイナンシャル・プランナー町田萌氏に、買っておくべきもの、買わなくてもいいものを教えてもらった。(清談社 村田孔明)

気にするべきは「もの」ではなく
「タイミング」

消費増税前に買うべきものと、そうでないものがあります。
消費増税後に展開されるであろう値下げセールや、今回の増税対策の目玉として挙げられているポイント還元など、全体を見越した上で、賢く「買うべきもの」「買わなくてもいいもの」を選別すべきだ Photo:PIXTA

 日銀の試算によれば、次の増税による家計負担は、過去増税時の4分の1程度とされている。だが町田氏によると、国民に広く課税する消費税の性質上、家庭の状況によっては大きな負担になるという。ならばやはり、できる対策は事前にしておきたい。具体的に増税前に買うべきものは何だろうか。

「需要と供給の関係だけでは値段が決まりにくいものです。たとえば、国内便の航空券、新幹線のチケット、定期券、テーマパークのチケットなどが挙げられます」(町田氏、以下同)

 特にテーマパークのチケットなどは、新規アトラクションへの大規模な投資によって、近年は値上がりが続いている。よく足を運ぶ人は、チケットや年間パスポートを増税前に入手しておくのがおすすめだ。

「テーマパークのチケットは、経過措置の対象になっています。増税前にチケットを購入し、増税後に使用したとしても、差額の2%を請求されることはありません」

 経過措置とは、新しい税率による混乱を防ぐため、国税庁が特定の商品・サービスに対して一定期間の例外を認めたもの。国内便の航空券、新幹線のチケット、定期券などの旅客運賃も経過措置の対象だ。

 また、増税の影響を受ける意外なところでは、人間ドックや審美歯科など、健康保険が適用外の医療費がある。町田氏は「自由診療は消費税がかかるので、増税によって値上がりする可能性があります。治療を考えている人は、増税前の受診がおすすめです」と話す。

純金、住宅、自動車、酒類は
増税前に買うべきか?

 消費税増税前に買っておくべきものの代表として、純金(インゴット)が紹介されることが多い。金を売却すると消費税が還付されるからだ。消費税8%のときに金を購入し、増税後に売却すれば、それだけで増税分の2%がもうかる。

「ただし、これも同じ考えの人が多ければ金の価格が上がってしまい、高値で買うことになります。増税の直後で金の価格が下がれば、かえって損失を被る可能性がありますよね」

 確かに金の価格は世界情勢にも大きく左右される。日本国内の状況だけを頼りに手を出すのは避けるべきかもしれない。

 ほかに、増税前に焦って買う必要がないものは何だろうか。まず駆け込みで購入を考えるのは、金額の大きい住宅や車かもしれないが、町田氏は「増税後に行われる政策も考慮して判断しなければならない」と指摘する。

「平成31年度税制改正大綱では、住宅ローン控除期間の3年延長、自動車税の減税、新税『環境性能割』の減税が盛り込まれています。条件によっては、増税後に購入した方が安くなるケースもあるので、総合的に判断をして、購入のタイミングを決めてください」

 特に住宅は、すまい給付金の拡充、省エネ住宅のポイント付与も検討されているため、増税前・増税後に購入したケース別にローン完済までの試算を比較する必要があるだろう。

 軽減税率が適用される飲食料品は、消費税8%のまま据え置かれるため買いだめは必要ない。ただし酒類は軽減税率の適用外のため10%に増税される。増税対象の酒類は、長期間の保存も可能なため買いだめに適しているのだが、町田氏はデメリットもあると話す。

「前回の増税時にお酒を買いだめし、普段はあまり飲まないのに、家にあるとついつい飲んでしまうという人がいました。値上がりするからといっても『手元にあると消費量が増えてしまうもの』は買いだめには向いていません」

増税後が“買い”のタイミングも?
セール、ポイント還元、プレミアム商品券

 政府ガイドラインでは、「消費税還元セール」と銘打った増税後の値引きセールを禁止している。だが、前回8%増税時に消費が落ち込んだ苦い経験から、今回は「10月1日以降2%値下げ」など、消費税と直接関連しない文言ならばセールを容認する方針だ。

 そのため、トイレットペーパー、洗剤などの日用品は、「値下げセールが実施される可能性があるので、無理してまで買いだめをする必要はないのでは」と町田氏は分析する。

 今回の消費税増税対策の最大の目玉として挙げられているのがポイント還元だ。増税が実施される2019年10月1日から東京五輪開幕までの9ヵ月間、コンビニや外食の大手チェーン店は2%、中小小売店でキャッシュレス決済した場合は5%のポイント還元が行われる予定だ。

 町田氏によると、決済手数料が下がらなければ中小小売店の負担が軽減されないという課題は残るものの、ポイント還元による消費者側のメリットは大きいという。

 ほかには低所得者向けの「プレミアム商品券」も検討されている。この商品券は最大2万円まで購入でき、公費で25%上乗せし、2万5000円分の買い物ができるというものだ。またマイナンバーカードの取得者には、地域の商店街で買い物ができる「自治体ポイント」を付与する案も浮上している。

「増税だからといって、焦りは禁物です。需要が増えれば価格は上がりますから、焦って購入すれば反対に損することだってあります。必要なものを“いつ買うか”というタイミングが、増税によって変わってくるだけですので、普段の買い物の延長線上で考えてください」

 増税後に行われる制度をうまく利用できれば、増税後が“買い”のタイミングとなるかもしれない。増税だからと焦るのではなく、「必要なものをいつ買うか」という視点で判断したいところだ。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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