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消費増税分を取り返せ!対策「バラマキ」7000億円の中身を精査

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『週刊ダイヤモンド』1月26日号の第1特集は、「税攻略法」特集です。今年10月の消費増税に合わせて、安倍政権はなりふり構わぬ増税対策を打ち出しました。その額、2兆円余り。国土強靱化対策の約1.3兆円を除いても、約7000億円もの大盤振る舞いとなります。ですが、その中身は、減税と増税とバラマキが絡み合っていて複雑怪奇。そこで、個人もしくは中小企業経営者の身に置き換えて増税対策を享受する方策を探ったのが、本特集です。

家計の観点からは消費増税対策の恩恵は享受したいもの。きちんと中身を精査しよう。
Photo:PIXTA

「どーんとやらないと意味がない」。昨年11月、安倍晋三首相は側近たちにこうつぶやいたという。

 無論、今年10月に控える消費増税への対策についてだ。国民全員に増税を強いる消費増税は、時の政権にとって最大級の不人気政策であり、できれば避けたい事態。しかも、安倍政権はすでに消費増税を1度実施しているだけに、その思いはなおさらだろう。

 だが、今回の消費税率引き上げは決定事項であり、すでに2度延期しているだけに後がない。そうした中で飛び出してきたのが、かつてないほどのバラマキ政策だ。

 森友学園や加計学園の問題で失態を繰り返した財務省は、もはやなすすべがない。今度ばかりは、官邸を陰で牛耳る経済産業省に寄り添い、予算100兆円を超えてもなお、悲願の消費増税を実施するという“果実”を取りにいくしかないというありさまだ。

 せめてもの抵抗は、一般会計予算99兆円に特別措置の2兆円を上乗せした結果が、予算101兆円という“見せ方”にこだわったあたりに垣間見える。

 片や、あまねく増税の網を掛けられる国民の側としては国家の財政再建はさておき、家計というミクロの観点からすれば、増税対策の恩恵をすべからく享受したいもの。そのためにも、きちんと中身を精査しておきたい。

5%のポイント還元を受けるには
中小小売店でキャッシュレス決済

 では、その増税対策とはどのようなものなのか。内容は、大きく三つに分けられる。

 まず、一つ目は、下図にまとめたバラマキ政策だ。

Illustration:iStock/gettyimages 拡大画像表示

 対象者が幅広いという点で言えば、ポイント還元が挙げられる。中小の小売店でキャッシュレス決済を行えば、5%ないし2%のポイント還元を受けられるというものだ。当初は2%で話が進んでいたが、決済システムの改修費などのコスト負担が過大なため、主たる事業者であるクレジットカード業界から反発が相次いだ。

 だが、(実態はそうとはいえないが)世界的に見てキャッシュレス決済後進国からの脱却を目指す経産省の思惑と、カード業界の口封じに加え、インパクトの大きさから安倍首相が突如、5%のポイント還元を打ち出した。

 全国展開しているコンビニエンスストアもポイント還元の対象だが、コンビニのポイント還元率は2%。とはいえ、日々利用することが多いだけに恩恵に浴する人は少なくないだろう。

 次に、プレミアム商品券。こちらは低所得者層に加え、0~2歳の子どもがいる家庭が対象だ。最大2万5000円分のプレミアム商品券を2万円で購入できる。

 当初は低所得者層だけを対象とした施策だったが、プレミアム商品券を使うと低所得者だと公言するようなもので利用しづらいとの意見が出たため、急きょ対象者を子育て世代にも拡大した。おむつ代の足しになりそうだ。

 そして、これから住宅購入を考えている層にとってありがたいのが、住宅購入支援策の数々だ。

住宅ローン控除や自動車税も変わる
バラマキ政策に加えて減税策にも注目

 住宅ローン減税の期間が現行の10年から13年に延長されるのに加え、最大50万円に支給が拡大されるすまい給付金の所得制限額が510万円から775万円に引き上げられる。他に、次世代住宅ポイント制度もあるので詳細を確認してほしい。

 また、自動車の購入者も、減税の恩恵が受けられる。世界各国に比べて自動車の取得や維持に掛かるコストがべらぼうに高いわが国にあって、実際の減税額は微々たるものとはいえ、長きにわたって高止まりしている自動車関連税制に切り込んだのは、大きな一歩といえる。

 ただし、エコカー減税の縮小など事実上の増税も一部に組み込まれているため、車種によっては減税とならない場合もあるので注意していただきたい。

 二つ目は、公明党の婦人部らの頑張りによって導入されることになったとされる軽減税率。飲食料品や週2回以上発行される新聞(定期購読に限る)などが対象で、消費税率が8%に据え置かれるというものだ。混乱に陥る懸念もあるため買い物の際には気を付けたい。

 最後に、幼児教育・保育の無償化と社会保障の拡充だ。自ら果実を得にいくのは難しいが、対象者にとっては悪くない話といえる。

 これら増税対策は消費増税と同様、薄く広くばらまくといった内容だが、制度を理解し、消費増税分をうまく取り戻してほしい。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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