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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第494回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー POWERとAIXで第3の市場を開拓したIBM

2019年01月21日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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UNIXへの移行をスムーズに実現し
顧客のIBM離れを防ぐ

 ASEが作り上げたのはPOWER(とPowerPC)だけではない。業界が次第にUNIXに移行していき、多くのベンダーがあわててUNIXへの移行を余儀なくされるという話は“業界に痕跡を残して消えたメーカーシリーズ”でしばしば見られたが、IBMはAIXのおかげでUNIXへの移行をそれほど大きな混乱なく実現できた。

 連載493回で、ROMP向けにまずVRMというHypervisiorを作り始めたという話をしたが、この機構はAIX3以降にもそのまま継承されている。

 この結果として、AIXは引き続きVRMをサポートする形で実装されたが、これはAIXをPOWER以外のプロセッサーに実装することを容易にした。要するにハードウェアの違いはVRMでカバーできるので、後はCコンパイラさえ用意すれば他のハードウェアへの移植は難しくない。

上が標準的なUNIX、下がAIX。ハードウェアとカーネルの間にVRMが入り、かつ他のサブシステムも利用可能になっている

 実際1987年にはPS/2に対応したAIX PS/2が(ただし作業はLocus Computing Corporationが行った)、1988年にはSystem/370に対応したAIX/370が投入され、後にはESA/390に対応したAIX/ESAもリリースされている。

 結果的にPOWER/PowerPCとAIXは、「顧客のメインフレーム離れ」を「顧客のIBM離れ」につなげないための良いバリアーとなったし、さらに新しい市場や顧客を開拓することにもつながった。これもまたEDSに続く、IBUの勝利と考えても良いのではないかと筆者は考えている。

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