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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第494回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー POWERとAIXで第3の市場を開拓したIBM

2019年01月21日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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ROMPとは対照的な贅沢な構成

 ROMPとの違いは、むしろ実装面にあるだろう。2μmというかなり大きな(いや、当時としては標準的なのだが)プロセスで、しかもダイサイズとチップ数を削減するために、ROMPではキャッシュの類を徹底的に減らさざるを得なかった。

 実際ROMPの場合、プロセッサー本体よりもMMUの方が大きいというのは、MMUは要するにアドレス管理テーブル=SRAMの塊であって、SRAMは通常のロジックよりもどうしても大きくならざるを得ない。なにせ1bitの記憶領域に6~8トランジスタを必要とするため、32bitのエントリーを1つ作るだけで200トランジスタ以上を要する。

 キャッシュも同じでこれもSRAMの塊である。かくしてROMPはキャッシュやバッファなどを最小限に抑え、それでも性能が出るような工夫をした結果として、メモリーアクセスの速度で性能が決まるようなアーキテクチャーになってしまった。

 対してAMERICA architectureでは命令/データキャッシュに加えてMMUやTLBまで内蔵する、ROMPとは極めて対照的な「贅沢」な構成である。性能を優先にするとどうしても贅沢な構成にならざるを得ないというのは最近でも同じなのだが。

 結果、このAMERICA architectureの最初の実装であるRIOS-1の構成図が下の画像だが、もうまんま前述のCPU概念図の構成そのまま、ということがわかる。

RIOS-1の構成図。chip complexだけで8チップが必要。ただし実際にはこれらのユニットが必ずしも1チップで実現しきれなかったため、10チップに膨れ上がった

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