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ゴーン氏の外国人側近2人がひっそり離職、日産幹部人事の「思惑」

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フィリップ・クラン氏
商品企画の責任者を務めるフィリップ・クランCPLOの処遇に注目が集まっている

 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン氏が東京地裁に出廷し、久方ぶりに公の場に姿を現した1月8日までに、ゴーン氏に近い日産の外国人幹部2人がひっそりと離職した。

 職を解かれたのは、中国を統括するホセ・ムニョスCPO(チーフ・パフォーマンス・オフィサー)と人事担当のアルン・バジャージュ専務執行役員。特にムニョス氏は、副社長よりも肩書が格上の「C(チーフ)」が付く上級幹部6人のメンバーでもあったが、「前職の北米事業の収支悪化をめぐり、西川廣人社長兼CEO(最高経営責任者)と対立していた」(日産幹部)という。

 司法闘争の長期化、取締役人事や出資比率をめぐる仏ルノーとの膠着状態が避けられない中、西川社長がポスト・ゴーンの体制構築に向けて動き始めたともいえる。

 日産では、ゴーン氏や西川社長を含む執行役員53人のうち、その半分に相当する26人が外国人幹部で占められ、特にルノーの出身者・出向者6人が中核ポストを押さえてきた。

 体制刷新に臨む西川社長の思惑は二つあるはずだ。能力のないゴーン氏の取り巻きを排除することと、ルノーから重要ポストを取り戻すことである。とりわけ、「商品企画部門と購買部門は、上級幹部だけではなく部長クラスまでルノーに牛耳られているといっても過言ではない」(日産OB)。

 ゴーン氏失脚という有事でもなければ、年明けの今ごろは、日産とルノーのアライアンス業務を担当する幹部人事の内定が進んでいるはずだった。だが、「今年は、両社のトップ同士がまともに会話ができる状況にはないので、アライアンス人事の選出は遅れている」(別の日産幹部)という。

 現在、注目されているのは商品企画の責任者、フィリップ・クランCPLO(チーフ・プランニング・オフィサー)の処遇である。1999年にゴーン氏がルノーから派遣され日産に出向したときに帯同した腹心の部下だ。

商品企画と購買が鍵

 前出の日産OBは、「現在の日産停滞の元凶は商品(新車投入)戦略にある」と言い切る。世界のどの市場にどのような新車を投入するのかという決定権を持つ「商品企画部門」は自動車メーカーの顔だ。だが、「近年は、クラン氏が損益管理重視のゴーン氏をおもんぱかって、日産の新車プランに待ったをかけてばかりいた。彼の仕事は商品企画ではなくてCFOだ」(同)とやゆする。

 もっとも、日産経営陣がクラン氏を排斥しようにも、ルノーとて商品企画や購買といった重要ポストをやすやすと明け渡すはずもない。あるサプライヤー首脳は「内部抗争が続くなら、日産向けの将来投資を見直さなければならない」といら立ちを見せる。顧客やビジネスパートナー不在の権力闘争が勃発しつつある。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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