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TOEICハイスコアなのになぜ話せない?

3ヵ月で習得! 外国人を説得できるビジネス英語

2019年02月08日 11時00分更新

文● 飯島秀明 編集●飯島恵里子/ASCII 撮影●髙橋 智

提供: 恵学社

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濱田氏の指導の下、実際に行われているトレーニングを体験

上級者向けコースで行われているトレーニングとは?

 「ひとくちに説得といっても、日本と英語圏ではそのプロセスに大きな違いがあります。日本人は共感を元に相手に同意を求める傾向がありますが、英語圏では意見を述べたら、その理由をしっかり示すことが基本です。根拠を示すことで相手を説得していくわけです」

 そう説明してくれたのは、上級者向けコースを担当するトレーナーの濱田結実氏だ。となれば、気になるのがトレーニングの内容。そこで濱田氏の指導の下、実際に行われているトレーニングを体験させてもらった。

 今回体験したのが、第1回の講座で行われている「GUESSING GAME」と呼ばれるトレーニングである。まずは隣の受講生とペアを組む。すると各人にトレーナーから1枚のリストが渡される。リストにはappleやbreakfastのように、モノやコトに関する英単語が15個ほど記されている。しかも、ペアの相手とは記されている英単語の内容が異なっている。

 さて、ここからが本番だ。やるべきことは、ペアの相手に対して、リストに記された英単語を、その単語自体は使わずに英語で説明することだ。相手はその説明を聞きながら、それが何のことを説明しているのか推測して答える。これを交互に行うのである。

 「このトレーニングで意識していただきたいのが、「general informationからspecific informationへ」という話の流れです。general information、すなわち最初に大きなカテゴリーを提示することから始めてください。対象となる単語がappleなら、まずはIt’s a kind of fruit.とそれが果物のカテゴリーであることを示すわけです」

 大きなカテゴリーを示したら、次にspecific information、すなわち個別具体的な説明を行う。色は赤いとか、形は丸いとか。それに因んだストーリーがディズニーにあるとか。

 「論理展開には『型』があります。まずは大枠を、それから詳細をというのもそのひとつですね。GUESSING GAMEではまずは簡単なサンプルを用いて、その型の習得を図っています。たとえば商談やプレゼンテーションで、相手に新サービスや新プロダクトを説明する時、受け入れられやすい説明ができるようになるでしょう。新コンセプトのラップトップコンピューターを説明するなら、『これはとても軽いラップトップコンピューターである』というgeneral informationを示した上で、『タッチパネルが高性能である』とか『通信機能が付いているのだ』とかそういった細部の説明、すなわちspecific informationの提示に移っていきます」 言われてみれば当たり前のように感じるが、これを「型」として身につける、つまり何も考えなくても自然とそういう話し方ができる、という状態にすることが英語で相手を説得するために重要なのだ。

発話のプロセスを身に付ければ、英語が話せるようになる

 トレーニングの目的はどこにあるのか? そのトレーニングによってどんなスキルが身に付くのか? そのことについて恵学社の取締役で、大学院で第二言語習得研究を学んだ田畑翔子氏は次のように説明する。

 「TOEICのスコアが800点以上でも英語が上手く話せない――。その理由を探るときに考えなければならないのが、発話のプロセスです」

 発話には次のようなプロセスが関わっていると田畑氏はいう。

 「プロセスの発端となるのが「概念化」です。何を話すのか、その内容のことです。ネタと言い換えてもいいでしょう。発話はこのプロセスからスタートします」

発話のプロセス

 「ネタを考える」などというと知識や経験がモノを言うように思うかもしれない。そうした側面がないとは言わないが、それ以上に重要なのがロジックの「型」なのだ。ロジックの展開には「型」がある。この「型」に当て嵌めることで、言いたいことは整理しやすくなり、概念化が容易になる。

 反対に、上手く話せないのはロジックの「型」を持っていないからだとも言える。事実、TOEICのハイスコアラーでも、このトレーニングをスイスイと進められる人は少ない。単に知っていることと、それを使うこと。両者はまったく次元の異なることなのだ。

 「概念化することができて始めて、次の言語化のプロセスに移ることができます。言いたいことを伝えるのに、どの文法を使うべきか? どの単語をチョイスするべきか? を意識するわけです。そして最後に、スピーキングであれば、実際に発音する調音のプロセスに移行していきます。この一連の流れが瞬時にできるようになれば、発話は成功したといえるでしょう」

 先ほど体験したGUESSING GAME。これなどはまさに話を組み立てる「型」を身に付けるトレーニングにほかならない。 今回はトレーニングを1種類だけ体験したが、上級者向けコースには、「複数の理由を瞬時に思いつくトレーニング」「情景描写のトレーニング」「課題の解決策を提案するトレーニング」など、アウトプットの型を身に付けるためのトレーニングが10種類ほど用意されている。

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