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白州12年は2024年まで飲めなくても、今飲めるお勧めウイスキーを厳選紹介

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ここ数年、国内メーカーの高級ウイスキーの終売や休売が相次いでいる。先日はキリンビールが2019年春をめどに主力ウイスキー『富士山麓 樽熟原酒50度』の販売を終えることを公表している。これらの原因は“ウイスキーの原酒不足”といわれるが、なぜこんな状況になってしまったのか。(清談社 鉾木雄哉)

大量生産できない
「モルトウイスキー」が終売に

終売や休売になった銘柄と、似たような味わいのウイスキーを探すことは可能です。
お気に入り銘柄が終売&休売になっても、諦めるべきではない。探せば、似たような味わいのウイスキーが見つかるはずだ Photo:PIXTA

 国産ウイスキーの終売、休売が止まらない。ニッカウヰスキーは10年以上の年代物『余市』&『宮城峡』を2015年にすべて終売。サントリーも2014年に『山崎10年』と『白州10年』を終売し、今年5月には『響17年』と『白州12年』の販売休止を公表して話題を集めた。

 サントリーが休売&終売の理由として公表しているように、原因はウイスキーの原酒不足だが、これは一体どういうことなのか。

 まず知っておきたいのが、ウイスキーには大きく分けて、2つの種類があるということ。まず1つは、大麦麦芽のみを原料とする「モルトウイスキー」。そしてもう1つが、トウモロコシや小麦、ライ麦、未発芽の大麦などを主原料とした「グレーンウイスキー」だ。

 この2種類は、原材料だけでなく蒸留方式も異なり、「グレーンウイスキー」は連続式蒸留器、「モルトウイスキー」は単式蒸留器で蒸留される。連続式蒸留器は短期間で一気にアルコールを濃縮するため、効率的で大量生産向き。単式蒸留器は、原料の風味が残りやすく個性的な味に仕上がるが、手間がかかるため大量生産には不向き。しかも、値段は高価になる傾向がある。休売&終売が相次いでいる「白州」や「余市」といったブランドは、すべてモルトウイスキーのため、そもそも大量に原酒を造れない。

 ただ、ウイスキー文化研究所代表でウイスキー評論家の土屋守氏は「現在の原酒不足の一番の要因は、ウイスキーの低迷期間が長かったこと」と指摘する。

原因はウイスキー需要の乱高下
休売商品復活はいつ?

「ウイスキーは1960年代から70年代にかけて世界中でブームになり、ウイスキーを造れば造るだけ売れる時代が、しばらく続きました。しかし、1973年のオイルショックを境にして売れなくなり、世界中の酒造メーカーが過剰在庫を抱えることになったのです。日本でも1983年をピークに、ウイスキーの消費が低迷。90年代のバブルがはじけて以降、何をしてもウイスキーが売れない時期が続き、同じように大量在庫を抱えることになったのです」(土屋守氏、以下同)

 ウイスキー需要が上昇に転じたのは2009年。きっかけはハイボールブームだった。今まで中高年が飲むお酒だったウイスキーを、サントリーが若い人向けにハイボールとして訴求すると、30代前後の人に大ヒット。2014年に放送されたNHKの朝の連続テレビ小説『マッサン』なども話題となり、ウイスキー消費は再び右肩上がりで上昇していった。

「低迷期の2008年頃までは、原酒をあまり造っていなかったんですよ。シングルモルトの原酒は、グレーンウイスキーと違って長期間熟成させなければいけないため、10年先の需要を考えながら造らなければいけません。だから10年前の生産量で、今の需要をまかなうことができるわけがないんです。我々からすると、来るときが来たかという感じですね」

 サントリーは休売とした『白州12年』と『響17年』の販売再開時期を未定と公表している。実際に販売が再開されるのは、いつ頃になるのだろうか。

「今は蒸留所も設備を増強していますし、原酒をフル生産で造っています。各メーカーがウイスキー需要に気付き、フル生産に入ったのが2012年ぐらいです。なので、この原酒が使えるようになるのは『白州12年』の場合でも、6年後。つまり早くても2024年です。ただ、『白州10年』や『山崎10年』のように、このまま終売になる可能性も否定はできません」

休売&終売ブームでもまだまだある!
今飲めるおすすめウイスキー

 国産の高級ウイスキーが安定供給されるのは、まだしばらく先になりそうで、『白州12年』や『響17年』を愛飲していたファンは、別のウイスキーを飲まざるを得ない。そこで現在発売されている各国のウイスキーの中から、土屋氏のおすすめを教えてもらった。

「ハイボールとして飲むならサントリーの『知多』をおすすめします。トウモロコシが原料のグレーンウイスキーなんですけど、もともとソフトだし、甘みの強いお酒なので、割って飲むのに適しています」

 2019年春の販売終了が発表されているが、今ならキリンの『富士山麓 樽熟原酒50度』がコストパフォーマンスの面からもおすすめだという。

「ブレンデッドウイスキー(モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたもの)なんですけど、いかにもジャパニーズウイスキーらしい柔らかさがあり、おいしさもある。コンビニでも売っているので、気軽に買えるところもおすすめ理由の1つです」

 そして、土屋氏が激推しするのがブレンデッドウイスキーのスコッチ『ホワイトホース』だ。

「価格が1本(700ml)1000円前後と安い上に、スコッチは若い原酒を使うにしても、3年以上のものを使わないとスコッチとは呼べないんですね。つまり『ホワイトホース』は、少なくとも3年以上の原酒しか入っていない。これはすごいことですよ」

 また、白州の年代物を飲んでいた人におすすめしたいのがスコッチのシングルモルトだという。スコッチは、日本とは蒸留所の数が違うので、探せばいくらでも白州に似たウイスキーがあるとのこと。

 お気に入りの酒が飲めなくなり、別のウイスキーを探しているなら、本稿を参考にしてみてはいかがだろうか。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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