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“暴れ馬”2990WXを飼いならす

Threadripper 2990WX/2970WXの“Dynamic Localモード”とゲームパフォーマンスの関係

2018年12月29日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU)

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 BFVの検証で終わらせようと目論んでいたが、Dynamic Localモード有効でも劇的にフレームレートが上がらなかったので(むしろ無効でも下がらない方を褒めるべきだろう)、別の重量級ゲーム「Shadow of the Tomb Raider」(SotTR)でも試してみる。APIはDX12モード、画質“最高”、アンチエイリアス“TAA”とし、内蔵ベンチマークモードを利用して計測した。“CPU-Min”(最低)等とCPU-がつくものは、CPUで処理されるフレームレートを、“Avg”は実際に画面に表示されるフレームレートを意味する。

↑「Shadow of the Tomb Raider」のフレームレート

 BFVよりもDynamic Localモード無効時に一気にフレームレートが落ち込んでいることから、ゲームの設計によりDynamic Localモードの効きも変化することがわかった。Dynamic Localモード有効時と無効時のCPU占有率を比較してみよう。

↑Dynamic Localモードを有効にした状態での「Shadow of the Tomb Raider」ベンチ時のCPU占有率

↑Dynamic Localモードを無効にした状態での「Shadow of the Tomb Raider」ベンチ時のCPU占有率

 BFVだとDynamic Localモード無効時でもほとんどノード1や3に処理が落ちてこなかったが、SotTRだと簡単にノード1に処理が落ちてきた。その場合のノード負荷はノード0より少し少ない程度なので、メモリーかPCI-Expressへのアクセスが遠くなったことによる速度的ハンデがフレームレートに強く影響したものと考えられる。

 最後に同じ重量級として「Assassin's Creed: Odyssey」でも試してみよう。画質は“最高”とし、内蔵ベンチマーク機能を利用して平均fpsを測定した。

↑「Assassin's Creed: Odyssey」の平均フレームレート

 このゲームではDynamic Localモードの影響は非常に軽微であり、BFVよりも小さくなっている。ベンチマーク中のCPU占有率は非常に高いが、GPU負荷が高いためCPU側のボトルネックが見えにくい状況になっていることと推測できる。

↑Dynamic Localモードを無効にした状態での「Assassin's Creed: Odyssey」ベンチ時のCPU占有率

 上のCPU占有率はあくまで一例だが、ノード2に負荷が集中し、その他のノードに処理が分散するパターンが見られた。試行回数を増やせばまた別のパターンも見られるだろうが、Dynamic Localモードを使わないとこのように負荷が“とっちらかる”と考えてよいだろう。

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