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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第213回

米国のファーウェイバッシングが激化 世界の5Gに与える影響は?

2018年12月12日 10時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII編集部

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米中貿易戦争の停戦と同じ日に拘束という衝撃

 12月1日といえば、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開催されたG20サミットにおいて、トランプ大統領と習近平国家主席という米中トップが会談し、貿易に関する協議を90日を期限に行なうことで合意している。要は、貿易戦争の90日間の停戦だ。その日に、中国の技術企業を象徴するファーウェイ創業者の娘が拘束された格好だが、どうやら米中間の協議とは別の動きだったようで、トランプ大統領は知らされていなかったという報道もある。

 中国政府はもちろん怒り心頭、外務省はカナダと米国の両政府に抗議して釈放を求めている。カナダのトルドー首相は政治的なものではなく、しかるべき機関による判断に基づくとした。

 その後の7日、バンクーバーで開かれた保釈聴問会では、ファーウェイと香港のスカイコムとの関係が1つの争点になったようだ。カナダ検察は、スカイコムを通じてファーウェイがイランの通信会社に米国企業の機器を提供していたという。

 Meng氏は2008年2月から2009年4月までスカイコムの取締役を務めているが、2013年1月にHPの機器をイランの通信事業者に販売しようとしたが、その際に無関係を主張していたMeng氏が虚偽を働いたという疑いもあるようだ。Reutersによると、Meng氏だけでなく、スカイコムの幹部はファーウェイと深いつながりがあるとのことで、両社の関係は2013年当初にわかっていたよりも深い関係があるとしている。

 なお、4月に大騒ぎとなったZTEも、米企業の製品をイランに違法に販売していたとして米商務省に輸出規制を受けた。今振り返るとZTEはあくまで前振り、米国にとっての本丸はより規模と技術の幅が大きなファーウェイだったことは今となっては明らかだ。

 Meng氏の保釈聴問会は12月10日に再び開かれる予定だ。米国に強制送還され、違法となると最大30年の禁固刑の可能性もあるそうだ。

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