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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第488回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー パソコンの元祖IBM 5100が誕生

2018年12月10日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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プロセッサーを変更した後継機
IBM System/23 Datamaster

 IBM 5120の後継として開発されたのがIBM System/23 Datamasterである。こちらはプロセッサーにIntel 8085を使い、32~128KB(*3)のRAMと112KBのROMを搭載した。筐体にはけっこうゆとりがあり、背面には4本の拡張カードを装着するためのスロットも用意されている。

(*3) Wikipediaでは最大256KB、Old Computer Museumでは最大64KBとしているが、IBM System/23 Service Library Volume 1によれば、16KB単位のR/W Storage(RAMの事)を最大8枚までバンク切り替え式で接続可能と説明されており、最大容量は128KBと思われる。

IBM System/23 Datamaster。見かけはIBM 5120とかなり近いが、より洗練された感じになっている

IBM System/23 Datamasterの背面。この引き出し可能なシャーシにCPUとROM、拡張カード(RAMも拡張カード経由での装着)などが全部搭載される

 このIBM System/23はBasicのみが搭載され(さすがにAPLは放棄された模様)、IBM 5120に代わってオフィス向けの会計処理などを単独で行なうように設計された製品である。

 開発は1978年から始まっており、1980年にはもうほとんどの部分の設計が完了した段階にあったと思われるが、そのタイミングでLowe氏はCMCから新しいPCを自社で開発するように命じられることになった。

 こうなると、SCAMPベースというのはもはや論外であり、必然的にSystem/23 Datamasterの構成をベースに構築するしかなくなる。かくして、再びLowe氏はSydnes氏を含む12人(自身を含めて13人)のエンジニアをGSDの通常任務から外し、CMCに提示するプロトタイプ作りを行なうことになる。

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