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正確な定位と音場の広さが魅力的なイヤホン

魔法びんのサーモスが手掛けた「VECLOS」高級イヤホンを聴き比べ

2018年12月25日 17時00分更新

文● 近藤克己 編集●ASCII

提供: サーモス

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 過去の記事では、真空断熱構造のステンレスボトル(要するに、魔法びん)の開発で世界的に有名なサーモスから生まれたオーディオブランド「VECLOS」を紹介し、その独特な構造と、そこから引き出される、魅力的な音について紹介した。

 VECLOSのスピーカー、ヘッドホンは雑味のないクリアな音質で、定位感に優れたサウンド。真空断熱構造が音質にもたらす「メリットの大きさ」も身をもって知ることができた。

 ただ、筆者は東京にオフィスを構えているため、音楽を聴くのはもっぱら通勤電車の中だ。ドライバーが大きい、オーバーイヤー型ヘッドホンの音質がいいのは分かっているが、毎日取材でデジカメやパソコンを持ち運ぶカバンは常にいっぱいで入れにくい。つまり毎日聴くのならば、やはりインナーイヤー型ヘッドホン(イヤホン)の使い勝手が一番よい。

チタンかステンレスか、シングルかデュアルか、その選択も楽しい

 というわけで、この記事では、VECLOSブランドのイヤホン4モデルを紹介する。チタン製エンクロージャーを採用した「EPT-700」「EPT-500」。ステンレス製エンクロージャー採用の「EPS-700」「EPS-500」だ。型番のTはチタン、Sはステンレスを表す。700シリーズと500シリーズの違いは後ほど説明しよう。

イヤホンもまた、金属の高い質感を特徴としたデザインだ。

 4モデルに共通するのは、サーモスが魔法びん開発で培った技術を投入した真空エンクロージャーの採用だ。ヘッドホンやデスクトップスピーカー同様の真空二重構造だが、これを直径わずか1cm強と小さな、イヤホンの筐体に取り入れた技術力の高さには驚く。この小ささで、内筒と外筒の隙間はわずか約1mmとなっており、真空状態を保持しているわけだ。

分解図

これが真空二重構造を利用したエンクロージャーだ。

 再生ユニットには、いずれも解像度の高いバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを使っている。上位機種の700シリーズはフルレンジドライバー+ツイーターのデュアルドライバー構成、500シリーズはシングルドライバー構成だ。

中央に見える部品がBA型ドライバ―。フローティング構造で振動対策をしている。

 4機種に共通する特徴は、このドライバーをシリコン製のクッションで包んでエンクロージャーに固定している点。つまり、上述した真空エンクロージャーと、このフローティング構造によって、不要振動や共振を抑えている。結果、音の輪郭がボケない、クリアなサウンドを実現できるというわけだ。

700シリーズのモデルは銀コート銅線を使用している。

 なお、上位の700シリーズでは、ケーブルに純度99.9%以上の銅(OFC:無酸素銅)を銀メッキコートした芯線を採用している。信号伝達のロスや歪みを抑えられるという。

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