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武田薬品、12月5日の臨時株主総会で悲願の「メガファーマ」入り

2018年11月28日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部,土本匡孝(ダイヤモンド・オンライン

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 国内製薬トップ、武田薬品工業がアイルランドのバイオ医薬大手シャイアーを約6.8兆円で買収し、事実上メガファーマ(巨大製薬会社)になる日が12月5日と決まった。

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買収反対派の「武田薬品の将来を考える会」はホームページなどで理解を求める

 この日に武田薬品で臨時株主総会、シャイアーでも株主総会が開かれる。武田薬品では買収に必要な新株発行に対して3分の2の賛成が、シャイアーでは買収自体に4分の3の賛成が必要だ。

 日本では買収反対派が必死の活動を続けるが、最後の節目も難なく通過する公算が大きい。武田薬品は早ければ2019年1月8日までに買収が完了するとしており、市場関係者の関心は早くも両社の統合がスムーズに進むのかどうかや、統合後の株価に移っている。

 クリストフ・ウェバー社長CEO(最高経営責任者)は6月の定時株主総会で、臨時株主総会は「19年頭」と説明。しかし、ふたを開ければ開催日は12月5日。広報担当者は「クロージングまでを最短にするため」と説明する。

 買収反対派の株主からすれば「不意打ち」だ。ある創業家筋の株主は、「これが『武田薬品の将来を考える会』への答えなのか」と沈んだ声で話す。

「考える会」とは、前出とは別の創業家筋やOBら約130人でつくる買収反対派グループ。「考える会」はシャイアー買収後ののれん代4兆円超の減損リスクなどを問題視して、11月上旬にウェバー社長CEO宛てに2度目の公開質問状を送ったばかりだった。文面の中で、「十分な時間的余裕をもってご回答頂きたい」と強調していた。

 だが臨時株主総会はわずか3週間先に設定されてしまった。「考える会」の活動が実って買収反対機運が高まるとしても、その途上で、開催日を迎えることになりそうだ。

反対派にミラクルは?

 「考える会」は6月の定時株主総会で定款の一部変更を提案し、取締役会の買収権限に制限を設けようと画策した。議案は9.44%の支持を得たものの、否決された。

 臨時株主総会でも取締役会の“暴走”を防ぐ株主提案を視野に入れていたもようだが、開催が予想より早まった結果、その一手すら封じられた。会社法で、株主提案権の行使は株主総会の8週間前までと定められているためだ。

「なりふり構わず突き進む経営陣の行動はコーポレートガバナンス・コードの精神に反している」と、「考える会」のホームページには関係者の恨み節が並ぶ。

「考える会」は10月下旬~11月上旬、欧米約100社の機関投資家に、「シャイアーの主力製品は今後苦戦が確実」などと、買収反対理由を説明。国内機関投資家への説明会も11月下旬までに開く。

 臨時株主総会でも、「考える会」のメンバーが意見表明し、会場が荒れるのは必至な状況。「考える会」は新株発行の議案が否決される“ミラクル”を起こそうと、終盤までもがく。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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