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AQUOS zero 開発者が語る自社製OLED搭載スマホの強み

2018年11月28日 12時00分更新

文● 島徹 編集●南田ゴウ/ASCII編集部

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自社製の強みを生かした
“全部入り”のOLEDパネル

 AQUOS zeroに搭載されている自社製OLEDパネルは、前述のとおり6.2型(1440×2992ピクセル)のものだ。明るさに優れるトップエミッション方式で、パネル上部にノッチの切り欠きがあり、パネル全体が曲がっている3D形状を採用。他社のOLEDパネルの特徴をしっかり盛り込んだ「最初からOLEDパネル開発の先頭集団に切り込んだ」と言えるだけの仕様となっている。

 中でも、パネル全体が曲がっている3D形状での製造は、他社スマホに見られる画面端だけを曲げるよりも難しく、パネルデバイスの担当に「正気ですか?」と言われながらも実現できたという。

自社製初のスマホ向けOLEDパネルながらも大画面と高解像度だ。さらに、上部にノッチを作るフリーフォーム成型や、全体を曲げるフレキシブルな形状も実現した。また、液晶と比べてバックライトなどの部品が必要ないぶん大幅に軽くなっている

 絵作りについては、これまでAQUOSのテレビやスマホで培ってきた液晶向け高画質エンジンの技術をもとに「リッチカラーモバイル feat. OLED」を搭載した。OLEDの100万対1の高コントラストや広色域(DCI-P3 100%)といった特徴を生かしつつ、液晶よりも繊細な制御を必要とするピーキーな特性をうまく調整したという。

OLEDは100万対1の高コントラストや広色域(DCI-P3 100%)表現が特徴だ。だが、表現できる範囲が広いぶん、色や明るさの繊細なコントロールが必要となる

OLEDは液晶は発光の特性やサブピクセル構成が大きく異なる。自然な見え方を実現するには制御に工夫が必要だ

 OLEDの特徴のひとつ黒が締まるという特性は、電力を加えない画素がまったく発光しないという特性を指す。だが、そのぶん「完全な黒の部分だけがストンと落ちるので、暗所の階調表現をしっかり管理しないと不自然になる」という。また、明るい部分の描写でOLEDの広色域の特性を生かすには明るい部分の階調管理も重要だ。そこで、暗所と明所の階調表現に重みをもたせたほか、色についても明度・彩度・色相を3次元で管理し出力しているという。

右のように、赤い花の画像を制御なしにOLEDで表示すると明るい部分の赤が潰れて、暗い部分は浮いてしまう。階調や色を制御して表示したのが左だ

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