このページの本文へ

kintoneプロフェッショナルたちの負けられない戦いが今年もやってきた

猛者たちの競演が熱い!今年のkintone hack頂上決戦の覇者は?

2018年11月26日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/Team Leaders 写真提供●サイボウズ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

複数シートのExcelとkintoneのサブテーブルを使いやすく(星野智久)

 続いて「kintoneの『誰でも簡単に』を更に突き詰めてみた」というタイトルで登壇したのは、新潟からやってきたジョイゾーの星野智久さん。昨年は最後の最後で同じジョイゾーの四宮さんに逆転されただけに、鼻息も荒い。昨年は「誰でも簡単に使える」というテーマで音声入力を試したが、今年もこのテーマを突き詰めた。

誰でも使えるを追求したハックを披露するジョイゾーの星野智久さん

 エンジニアじゃなくても手軽にアプリを作れるkintoneだが、地元の声を聞く限り、まだまだ使いにくいところが多いというのが星野さんの実感。ある程度、手慣れたユーザーからも「フィールドコードや計算式がわからないと計算フィールドが設定しずらい」「ドロップダウンフィールドの項目を多くしてしまうと、既存のアプリにコピーできない」「サブテーブルの設定が難しい」といった声が出ていた。そこで、今回の「誰でも簡単に」では設定をしやすくするハックにチャレンジした。

 ライブデモにこだわる星野さんは、ドロップダウンフィールドにある都道府県や郵便番号を別アプリにコピーしたり、計算フィールドを簡単に作ったり、シートごとに分かれたExcelファイルをサブテーブルに分けたままアプリに追加したり、といった一連のカスタマイズを披露。デモ自体は地味ではあるが、標準機能と見まごうばかりにカスタマイズされており、kintoneに通じた周りの参加者からは「普通にすげえ」と声が漏れる。

 最後、星野さんは「『誰でも簡単に』をハックしていくのはとても楽しい。ITが苦手な人を含め、『誰でも簡単に』をこれからも挑戦していきたいと思う」と語り、LTを終了。伊佐さんも「どこからがkintoneで、どこからがHackかわからないくらいなじんでいた」と感想を漏らすと、星野さんは「kintoneの標準画面に近づけた方がよいと思い、いろんな人に相談して作りました」と応える。このうちプラグイン化を検討しているという。地方でのIT活用現場で肌で知る星野さんらしい、実用度の高いハックだったと言える。

ドローン+エッジコンピューティングの可能性を見せる(山下竜さん)

 3番手は星野さんと同じジョイゾーの山下竜さん。5年前からIoT連携に取り組み、太陽光発電装置の監視や顔認証チェックインをkintoneで実践してきた山下さんが今回話すのは「クラウドトレンドを先取り&実践するkintone活用」というテーマだ。

AI、IoT、エッジコンピューティングまで全部盛りしてきたジョイゾーの山下竜さん

 山下さんが今回ポイントするクラウドトレンドは、メガクラウドベンダーも新サービスを次々繰り出しているAI、IoT、エッジコンピューティングの3つ。特にエッジコンピューティングに関しては、オンプレミスからクラウドに移行した解釈・判断・価値化などの処理の一部をデバイスに近いエッジに移していくという流れにあると指摘する。

 エッジコンピューティングには、現地で即座に判断したり、通信料を削減できたり、オフラインで動かせるといったさまざまなメリットがある。たとえば、セキュリティ上、問題のある画像をであれば、エッジ側でクラウドにアップロードしないよう判断すればよい。こうしたエッジコンピューティングの隆盛を見越した山下さんは、「今後はエッジで判断し、必要な情報だけkintoneに送るというシステムが必要になると思った」と語る。

 そんなイントロを話した山下さんのデモは、ドローンで撮影した画像のうち必要なものをエッジのゲートウェイで選択し、kintoneに送るというもの。山下さんは、壇上で飛ばしたドローンの画像をTensorFlowで分析し、伊佐さんが写っていたら、kintoneにレポートを上げるという高度なデモをライブで披露した。

 VIPだったらサポート依頼、不審人物だったらアラートということで、それぞれ対応は異なるが、いずれにせよ有用な活用例と言える。山下さんは「AIやIoTの民主化は進んでおり、開発や利用が簡単になっています。エッジコンピューティングもkintoneと相性がよい」とアピールして、ちょうど6分間に収めた。インフラやIoTなどに精通する山下さんらしい未来を見越したデモに会場からも大きな拍手とため息が漏れた。

カテゴリートップへ