何者なのかわからなくなっていた
津賀社長はクロスバリューイノベーションフォーラム2018の基調講演で「私が社長に就任して6年が経過したが、実はここしばらくの間、パナソニックという会社がいったい何者なのか、私自身が見えなくなり、自問自答する日々を過ごした」と振り返ってみせた。
「家電のパナソニックという時代はわかりやすかった。しかし、いまは自動車の車載電池や車載エレクトロニクス、他社の工場ラインにもソリューションを提供し、さまざまな場面に事業を展開していくなかで、気がつくと、パナソニックが何者なのかが見えなくなっていた。
事業としてうまくいっているからいいということではなく、パナソニックという会社が、社会においてなんの役に立てるのかが大切である」とし、
「私が考え続けたのは、パナソニックという会社が世の中に存在している意義とはなんなのかということである。その結果わかったのは、今日よりも明日、明日よりも明後日、一人ひとりのくらしを少しでもより良くしていくこと、少しでもよりくらしやすい社会をつくりあげていくことが、パナソニックの存在意義であることだった。
この存在意義は、創業当時もいまも、これから先の未来も決して変わることはない」とする。
続けて「100周年というこのタイミングで、私が自問自答に陥ったことは、決して偶然ではないと感じている。正直、かなり悩んだ。だが、いまはこの自問自答のトンネルを完全に抜けることができた」とし、その答えがくらしアップデート業であったことを示した。
この連載の記事
-
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400憶円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? -
第577回
ビジネス
日本の強さは量子力学におけるトンネル効果があるため、量子と出会い、広げよう -
第576回
ビジネス
リコーの新しい共創拠点RICOH BIL TOKYO、富士通やKDDIともつなぎたい - この連載の一覧へ