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貸会議室のTKPが高級カプセルホテルと提携、宿泊業界に募る警戒感

2018年11月20日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部,大坪稚子(ダイヤモンド・オンライン

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ティーケーピー(TKP)
シャープの東京本社だった建物には、TKPの貸会議室のほか、同社の本社が入る。ここに、カプセルホテル機能が加わった Photo by Wakako Otsubo

 東京都新宿区のJR中央・総武線市ケ谷駅近くにあったかつてのシャープ東京本社。今ここにある看板は赤いロゴの「TKP」。ティーケーピー(TKP)は貸会議室で急成長を遂げているマザーズ上場企業だ。

 この建物の入り口に最近、新たな看板が加わった。「FIRST CABIN」(ファーストキャビン)という高級カプセルホテルで、11月15日に開業した。同ホテルは、一般的なカプセルホテルより広めの部屋とカフェのようなロビーラウンジ、ビジネスホテルより手ごろな価格で人気が高い。TKPはこれまで倉庫に使っていた別館で簡易宿所の認可を得て、ファーストキャビンのフランチャイズ(FC)となった。

「貸会議室の利用時間は主に午前9時から午後5時だが、宿泊施設を併設すれば夜や翌日も会議室を利用してもらえる」と、河野貴輝・TKP社長は説明する。

 市ケ谷のファーストキャビンの部屋数は165室だが、平日のビジネス客の獲得競争において、ホテル業界の脅威となるのは間違いない。というのも、会議室と宿泊、飲食などの総計で収益を確保すればいいため、会議室利用者の宿泊料を格安で提供することができるからだ。それは、他のビジネスホテルの価格下落圧力になり得る。

 企業の宿泊付き研修は、平日の宴会場の稼働率アップのためにホテルにとっても重要なマーケットだ。ホテルならではのサービスでTKPとはすみ分けるというが、「価格にシビアな企業の中には、TKPで十分だと考えるところも出てくるのではないか」(業界関係者)という警戒感は強まっている。

アパホテルのFCで躍進

 TKPは2005年に創業。貸会議室を中心に、ケータリングなど周辺事業を広げてきた。14年に札幌駅前の開業の際に、ビジネスホテルのアパホテルと提携し、同ホテル初のFCとなりホテル事業に参入した。TKPはアパホテルをすでに六つ稼働させ、会議室利用とパックにしてシナジーを発揮している。

 ファーストキャビンとは、資本業務提携を結び、17年に名古屋でも開業している。さらに、神奈川・箱根などで研修にも利用できるリゾートホテルを展開し、「たまにはリゾートで研修はいかがですか」と売り込んでいる。

「企業が保養所を手放している中、新人研修など親睦を深める宿泊研修の場所が社外に求められるようになった。宿泊施設の運営は、会議室の事業とシナジーがあり、増収にもつながる」と、河野社長は自信を見せる。

 実際、平日はビジネス客、休日は個人客やインバウンド(訪日外国人)と機動的に使い、アパホテルやファーストキャビンの稼働率は9割を超えている。

 TKPが貸会議室にとどまらず、ホテル業界に脅威を与えそうな勢いである。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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