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ナイトタイムエコノミーは難題 渋谷と札幌が抱える同じ悩みとは

渋谷×札幌の関係者がお互いの良さを活かして活性化していく道を探る

特集
北海道を最先端Techで開拓する「No Maps 2018」レポート

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日本の観光地はお店が早く閉まるので、余韻を楽しめない

長田:渋谷は若者の街と言われ、ストリートファッションをはじめ音楽や文化を創ってきた場所です。近年ではスタートアップもどんどん生まれていて、渋谷ビットバレーとも言われています。そうした変化から、渋谷のエンターテインメントというもの自体に変化も感じられます。

 こうしたエンターテインメントを提供する渋谷ですが、ナイトタイムエコノミーの活性化に苦慮しています。ロンドンやアムステルダムでは、夜の街が安全で色々な楽しみが充実していて、昼も夜も楽しめる街を実現しています。同じような街づくりを目指して渋谷区も色々な取り組みをしていますが、行政だけで夜の街を活性化するのは簡単ではありません。そこでナイトメイヤーやナイトアンバサダーを作るという発想が生まれた訳です。

 渋谷に来たら楽しいことがたくさんあって、それは夜も昼も同じ、という環境を作って行きたいですね。渋谷に来た人たちが色々な体験をして、また渋谷に来たいと思えるものを生み出していくことが大事だと思っています。

北田:渋谷の夜は怖いっていうイメージがあるし、実際にそういう意見も聞きますから、それを払拭する必要もありますね。札幌もすすきのは歓楽街で、男性が楽しむ街というイメージが定着してしまっています。実際には美味しいお店も多く、女性も楽しめる街なのですが、夜の街というとどうしても悪い方向のイメージがつきまといますよね。

石水:そうは言っても、北海道を象徴する街といえばやはりすすきのになるでしょうね。札幌ドームが近いので、北海道日本ハムファイターズや北海道コンサドーレ札幌の試合を楽しんだあとに、試合を振り返りながら繁華街で楽しむこともできますし。

石屋製菓株式会社 代表取締役社長 石水 創氏

北田:先に例に挙がったロンドンやアムステルダムでは、食事の後にもエンターテインメントを楽しめる文化があります。22時からのコンサートやオペラがあったり、それらを楽しんだあとでも余韻を楽しみながら食事が出来る深夜営業のレストランがあったり。日本、特に観光地ってお店が早く閉まる印象がありますが、白い恋人パークはどうですか?

石水:白い恋人パークの閉園時間は19時ですが、冬のイルミネーション期間は21時まで開演時間を延長しました。

北田:21時でもがんばっているとは思いますが、なんとか22時までやってください(笑)。仕事が終わってから待ち合わせをしてパークに行くことを考えると、21時では閉園時間を気にしながらイルミネーションを見ることになりませんか。夜景はゆっくり楽しみたいじゃないですか。

長田:ヨーロッパに行ったときに私も経験しましたが、夕食後にライブやギャラリーに出かけられるんですよね。スペインでもすごく遅い時間まで営業しているレストランがあって、22時くらいからご飯を食べられました。渋谷を含めて、日本ではそういうお店が見つからないんですよね。居酒屋はあるけれど、渋谷に来た人が日本文化に触れられるような、その場でしかできないようなことが少ない気がします。

北田:エアラインの従業員の方々って、夜遅くに到着して、その後は何をして過ごしているんですか?

津田氏(以下、敬称略):国内だと居酒屋で食事して寝ますね。美味しいお店などはキャビンアテンダントが各国の情報を知っているので、それを活かしてなにか提案できないかと考えてはいるんですが、まだ形にはなっていません。

ANAホールディングス デジタル・デザイン・ラボ チーフディレクター 津田佳明氏

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