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武田薬品が買収反対派と第2ラウンド、日本勢初の「メガファーマ」入り目前

2018年10月25日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長CEO
買収反対派への対応が注目される武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長CEO

 国内製薬トップ、武田薬品工業の超大型買収案をめぐり、経営陣と買収反対派の直接対決“第2ラウンド”が始まっている。

 武田薬品がアイルランドのバイオ医薬大手、シャイアーを約6.8兆円で買収すると発表したのが今年5月8日。武田薬品の一部の創業家筋やOBでつくる「武田薬品の将来を考える会」は6月28日、本社がある大阪で開かれた定時株主総会で、買収反対意思を示す定款一部変更案を株主提案。9.44%の賛同を得た。会場で創業家筋の株主が財務悪化や高リスクを指摘すると、拍手喝采となった。

 それから約4ヵ月。世界各国の独占禁止法上の問題は順調にクリアし、最大のハードルである臨時株主総会を残すのみとなった。

 シャイアー買収の対価の一部は武田薬品の新株で賄われるため、既存株主に新株発行の承認を得ることが必要。つまり買収の是非そのものが臨時株主総会で諮られるわけだが、開催まで3ヵ月を切り、「考える会」がまた動き始めた。

 クリストフ・ウェバー社長CEO(最高経営責任者)宛てに「買収に伴う借入金の返済計画」「高額な買収プレミアムの根拠」などを問う質問状を送ったのだ。「買収に関する取締役会議事録の開示」も要請。10月末までの回答を求めている。「考える会」アドバイザーのアナリストが欧米の一部機関投資家へ説得も始めた。

 シャイアーが上場する英国にはM&A(企業の合併・買収)に関する情報開示ルールがあり、武田薬品が満額回答するかどうかは極めて怪しい。反対派は満額回答がなくても、情報公開の少なさを浮き彫りにすることで、「買収賛否を決めようにも材料が著しく不足している」と問題視し、臨時株主総会での反対機運を高めたいようだ。

臨株は1月の3週目?

 注目の臨時株主総会はいつ開かれるのか。

 武田薬品は、臨時株主総会で議決権行使できる株主を確定する基準日を10月19日と設定し、そこから3ヵ月以内なら開催可能となった。欧米のクリスマス休暇や世界最大級の製薬会議「JPモルガン・ヘルスケアカンファレンス」の日程(2019年1月7~10日)は避けたいはずなので、「来年1月15~18日の間」が業界関係者の間で最有力視されている。一方で時間的にも地理的にも反対派の結集を避けるため、「早々と12月上旬~中旬に、しかも東京で開催」との見方も最近になって出ている。

 いずれにせよ、臨時株主総会を乗り越えれば、「買収完了までの時間を短くしてノイズが生じる機会を減らすことが最大のリスクヘッジ」(アナリスト)。

 武田薬品は19年上期までにとアナウンスしてきたが、春先にも買収完了の可能性がある。日本初のメガファーマ(巨大製薬会社)入りはすぐそこまで来ている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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