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名門GE異例のトップ交代で解体加速、IoT事業も練り直し

2018年10月17日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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フラナリー氏(右)から、GEのCEOを引き継ぐカルプ氏。企業買収で名をはせてきた 写真提供:GE

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)が1日、初めて社外出身者をCEOに据えるトップ人事を行った。2017年12月期、58億ドルの最終赤字に沈んだGEは事業売却などのリストラを進めるが、新CEOの下で解体がさらに加速しそうだ。

 前CEOのジョン・フラナリー氏は、主力の火力発電機器の低迷が決定的になっていた17年8月にトップに就任。中核部門の医療機器を含む200億ドル規模の事業売却などに着手したが、株価の下落を止めることはできなかった。

 フラナリー氏は9月下旬、ひっそりと来日し、経団連の会合で講演していた。会合に参加した企業の幹部は「(危機対応で)疲れていた。看板事業としてぶち上げたIoT(モノのインターネット)関連事業の説明にもかつての勢いを感じなかった」と振り返る。

 日本での講演から数日後、フラナリー氏は更迭された。1年という在任期間は、10年以上続投するトップが続いていたGEにとって異例の短さだ。

 今回、CEOに就任したローレンス・カルプ氏は米医療機器メーカー、ダナハーのトップとして同社の時価総額を5倍にした人物だ。

 GEのCEO就任と同時に、15年に買収した仏アルストムの電力部門を含む230億ドルののれん代の大部分を減損処理する方針を示した。カルプ氏のトップ就任が好感され、GE株は反発した。

 だが、これで膿を出し切れたのかと疑われてしまうのが現在のGEの苦しいところだ。昨年以降、金融部門での損失計上や年金の積み立て不足といった問題が噴出し、業績予想の下方修正が続いたため、不信感を持たれているのだ。

日本での事業にも変化

 こうした疑いを晴らすためにも、カルプ氏は事業売却やコスト削減を加速するだろう。

 リストラは成長分野に位置付けてきたIoT関連事業にも及ぶ。発電機器などのデータを解析して運用改善につなげるIoTプラットホームなどを開発する子会社、GEデジタルのコストを4億ドル減らすという。

 プラットホームの売り込み先も絞り込む。GEは日本でソフトバンクやNECと提携し、全方位的に営業してきたが、めぼしい実績を挙げていない。このため、GEの中核製品である航空エンジンや発電機器の顧客(航空業界や電力業界)に注力する。

 だが、そうした注力業界の企業幹部ですら、「GEは積極的にアプリを開発する意気込みがなくなった。プラットホームを使って自由に課題解決してくださいという姿勢に後退した」と話す。

 同企業を担当していたGEの中堅技術者ら3人が最近、日系電機メーカーにまとまって転職するなどIoT人材がGEを離れている。GEはIoT関連事業を続けるが、事業戦略の練り直しも必要になりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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