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デキるリーダーが情報収集をあえて自分でやらない理由

2018年10月16日 06時00分更新

文● 島野美穂(ダイヤモンド・オンライン

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ネットで検索すればどんな情報でも手に入るようになった今、どれだけ短時間で質のいい情報を集められるかが仕事の出来を大きく左右する。とはいえ、膨大な情報を1人でさばききるのは現実的ではない。ではどうするか。人を使えばいいのだ。NASDAQに上場している外資系IT企業「ライブパーソン(LivePerson)」の日本法人代表として働く傍ら、多数のビジネス書籍を出版する金田博之氏に聞いた。(清談社 島野美穂)

自分1人で情報収集するのは
あまりにも非効率

デキるビジネスマンの情報収集術とは?
自分1人でキャッチできる情報量は限られている。デキるリーダーは部下にデータマンとしてのミッションを果たしてもらうことに長けている Photo:PIXTA

「情報収集は、どんな仕事にも欠かせないものです。会議の前、資料作成、企画出しなど、あらゆる場面において、瞬時に収集した情報を使い分け、アウトプットする必要があります」

 その場の勢いでグッドアイデアを出せるタイプの人は、日頃から情報収集をしている。ひらめきの才能とはまた違うものだと金田氏。

「多くの情報に触れる機会が多い人ほど、頭の中のデータベースがどんどん高度になっていきます。情報収集のアンテナをたくさん立てておけば、その分自分の知識として蓄えていくことができます。なので、自分の情報不足を感じている人でも、これから補っていくことは十分できます」

 だからといって、情報に触れる機会を作るがために、ストイックに読書をしたり、勉強をしたりしなくても大丈夫。むしろ金田氏は、「1人で情報収集をするのはあまりにも非効率」とアドバイスする。

「自分1人ですべての情報をキャッチすることは難しいです。なので、周りの人の頭を、どんどん借りましょう。私の場合、情報収集はほとんど部下に任せます。単純な話、3人の部下がいれば、1人で調べるよりも、3倍の情報が手に入ることになります。また、情報収集は好き嫌いで取捨選択しているところがあるので、人に調べてもらうことで、他者の視点を手に入れることも可能です」

 自分では見つけられないような発見ができるのも、人に情報収集してもらう大きなメリットなのだ。

デキるビジネスマンが伝授
部下への情報収集の頼み方

金田博之(かねだ・ひろゆき)/1975年山口県下関市生まれ。大学卒業後、グローバルに展開する外資系大手ソフトウェア企業SAPに入社。以来、入社1年目で社長賞受賞、29歳で副社長補佐、30歳で部長に着任、35歳で本部長に昇格。世界全社10万人のなかのハイパフォーマンス(上位2%) を挙げた人物に7年連続で選抜される。2007年、INSEAD大学でエグゼクティブMBAを卒業。現在はNASDAQに上場している外資系IT企業「ライブパーソン(LivePerson)」の日本法人代表として働く傍ら、勉強会を定期的に開催し、参加者は累計1000人を超える。現役のサラリーマンでありながら、これまで8冊の書籍を出版。プレジデント、ダイヤモンド、東洋経済、日経ビジネスアソシエなど各種メディア掲載実績多数。オフィシャルメルマガは2017年にまぐまぐ大賞を受賞。 メルマガ:金田博之のたった一冊のノートで出世する「一流のグローバル人材」への確実な道

 また、部下にデータマンとしてのミッションをきちんと果たしてもらうのも、上司の腕の見せどころだ。情報収集を任せられることで、部下に「より面白い情報を手に入れよう」「周りとは違う角度から調べてみよう」とやる気にさせることができればしめたもの。あとは自動的に情報が手元に集まってくるのを待つだけでいい。

 一方で、人に情報収集を頼むのは、意外と難しいオーダーでもある。ピントが少しでもずれてしまうと「これじゃないんだよなぁ」となり、結局自分でやってしまったほうが早い、となってしまいそうだが…。

「もちろん、雑用を押し付けるように、『これ調べておいて』と投げやりな指示を出せば、雑用レベルの情報しか集まりません。これでは部下のやる気も湧かず、質の高い情報も得られるわけがないのです」

 逆に、指示の出し方一つで、部下のモチベーションを高め、良質な情報を得ることもできるのだ。詳しい方法も教えてもらった。

「まずは、どんな企画で、どんな理由があって情報が必要なのか。そこから話します。企画の概要を説明することで、立場的にまだ企画の立ち上げには関われない部下たちは、自分もその企画に参加しているという気持ちになり、積極性が増すのです。積極的な人や、面白がって取り組んでいる人は、面白い情報を集めてきます。これが質のいい情報を集めるためのポイントです」

部下の頭を借りれば
人材育成にもなり一石二鳥

 全体像をきっちり伝えないと、意味のない情報が集まってくる恐れがある。多少時間がかかっても、イチから企画概要を説明した方が、結果的に自分の企画の成功につながるというわけだ。

 また、情報収集を頼む際には、あらかじめキーワードを伝えておくことも大切だ。海外の競合企業のリサーチなら、具体的にどんなことが知りたいのかを指示する。部下のリサーチ能力アップの練習のためには、自由に調べさせることも重要だが、慣れるまではしっかりサポートした方が、後々楽なのである。

「あとは、『今後、君が企画を作る上でも参考になるだろうからやってみて』と、部下の今後を考えることもポイントですね。自分のための情報収集ではあるのですが、部下の頭を借りることで、人材育成も一緒にできます。情報過多の時代だからこそ、自分ひとりで仕事をこなそうと思わないのが賢いやり方です」

 自分の担当する企画を効率的に進めるのと同時に、部下のモチベーションを向上させ、成長までさせることもできる。これこそが、デキるビジネスマンの情報収集術なのである。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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