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ベーシック、ローンディール、ビザスク、コディアルが語る「働き方2.0」

副業を支援する4社から見た「トライ&エラー」の重要さ

2018年10月12日 10時30分更新

文● 萩原愛梨

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「外部リソースを上手く活用するには?」「toC向けサービスの将来性は?」意見が飛び交うディスカッション

 イベント後半では、今回の登壇者4名をパネラーに、参加者の質問に答えながらのディスカッションが行なわれた。

後半は4社によるパネルディスカッション

 まず「外部リソースを活用することになった場合、どのように経営層に説得をするか」という議題に対しは、各社「正攻法で事業課題解決のために、効率的で有効だ」と説得することを勧める。

 ローンディール後藤氏からは、外部リソース活用の運用方法が不明確であることがネックだという企業に対し、「業務の切り出し方を悩ましく思う企業も多いと思うが、その点の工夫はもちろん最低限のルール決めにより上手く外部人材は活用できる。弊社も副業人材を活用しているが、“必ず24時間以内に返信する”ことをルールとしている。」とアドバイスした。

 また、今回はtoBの副業ビジネスを展開する企業が集まったが「CtoCの副業サービス市場に対する見解は?」という鋭い質問も飛んだ。

 いずれも個人的見解として意見が議論したが、ベーシック社林氏は「現在普及が進みづらい背景には、ジョブディスクプリクションの課題がネックになっているのでは」と語る。

 個人のスキルや能力を測る、逆に求める仕事の要件を定めるといった点が、個人間ではどうしてもクリアになりづらい。続けて「まずは有名な方からサポートを受ける文脈の方がわかりやすく受け入れやすいのでは」と解決案を語った。

 また、コデアル愛宕氏はオンラインサロンの流行から“お金を払って働く”という方向性での可能性を指摘した。

「技術や市場の変化が早い現状、それに対応できる能力を得るためにトレーニングの機会にお金を払うことはあるかもしれない。学生であればインターンなどで経験を得る機会があるが、社会人になってからまったく違う分野で挑戦できる機会は多くない。そこにニーズがあるのでは個人的に感じている」

 元々toC向けのスキルマッチングサービスからスタートした歴史を持つビザスクの岡部氏は「初めはtoC向けとして始まったビザスクだが、当初は上手くいかず、現在のtoB向けのサービスの形へ移行した経緯がある。しかし、現在のtoB向けのニーズの高まりが、徐々にtoC向けにも還元している機運がある」と、市場の変化による状況の変化を語った。

 そして参加者の多くが特に注目したのが「副業人材のマネジメントの方法」だ。多様な働き方が進む中で、同じチームでも働く時間も場所も全く異なるメンバーが集まる場合がある。ベーシック林氏は、マネジメントのスキルを継続的に上げることを前提に、サイバーオフィスの利用、チャットを活用した情報共有などを方法論として挙げる。

 また、コデアル愛宕氏は、仲間として加える前に企業文化や風土を候補者に理解させることの重要性を語る。すでにカルチャーを理解してジョインする人材は、企業との相性も良くその後のマネジメントがスムーズであるケースも多い。こういった企業カルチャーを伝えるために、愛宕氏自身はTwitterなどSNSでの発信を重要視しているようだ。

 副業解禁元年と言われ、いよいよ働き方改革が単なるバズワードでなく、今後のスタンダードを作る予感を感じる今年。今回の登壇企業から頻発したのは「トライアンドエラー」「まずはやってみる」など、挑戦を促す言葉だ。企業にとって新しい取り組みや仕組みの導入は、その分野が重要であればあるほど、腰が重くなるジレンマがある。

 しかし、この働き方多様化の波は避けようがないものだろう。小規模からでも、検証の名目でも、一手を打つことが、未来の大きな一歩に繋がるのかもしれない。

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