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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第284回

ビジネスでバリバリ使えばiPhone XS Maxのコストは余裕で回収できる

2018年10月13日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

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余計な移動や勤務を減らせるのは効果大!
外出先でミスをリカバリーできればプライスレス

 ハイパワーCPUと大画面の組み合わせで、Officeアプリでオフィス文書を扱ったり、AcrobatでPDFをさばくのも簡単。本来、オフィスに戻って作業しなければならないドキュメントワークフローを、移動中の電車や喫茶店でこなせれば大きな時間の節約になる。iPhone XS MaxならWord文書の編集はもちろん、Excelのセルを修正することもできる。Acrobatで取引先からの成果物をPDFでレビューしたり、部下から来た経費申請を承認したりするのも簡単だ。

 講演やセミナーなど、プレゼンに向かう途中で最後の資料確認をしているときに、誤字脱字を見つけた場合も即修正できる。PDFに変換することもできるし、別アプリからコンビニのマルチプリンターで印刷することもできる。もちろん、従来のiPhoneでもできたが、画面が小さいと、現場で修正できればしようとか、謝るしかないと諦めてしまうかもしれない。やはり、ビジネスユースでは大画面が正義だ。

 iPhone XS Maxが搭載しているA12 Bionicプロセッサーは、さまざまなベンチマークで素晴らしい性能を叩きだしている。実際に使っていても、明らかに高速だ。がしがしと使い倒してもまったくストレスがない。有機ELディスプレイも従来の液晶よりは確かに美しい。とはいえ、画質に関しては1週間もすれば慣れて当たり前になってしまう。

 ビジネスのタスクを手持ちのスマホで処理できるのは、色々とありがたい。PCやタブレットを持たなくていいと明らかにバッグの重量が軽くなるし、コストも抑えられる。

出先でも本格的なタスクを片付けられるので時間効率が格段にアップする!

大きく進化したカメラは
取材もしくは飲み会で活躍する

 筆者は取材の時、依頼されれば写真撮影も行なう。当然、一眼レフを持参するのだが、先日同行した編集者がバックアップとしてiPhone XSで撮影していた。その写真を見せてもらったら、すごいクオリティー。従来のスマホでしか写真を撮ったことがないなら、iPhone XS/XS Maxの「ポートレートモード」は驚くこと請け合い。しかも、後でボケの量を調整できるのもうれしい。

 取材先で突発的に撮影することになったり、バックアップが必要になった時も、iPhoneで事足りそうだ。ちなみに、マイクも3つから4つに増えたが、音質が改善されているようには感じなかったのが残念。やはり、動画撮影時にのみ有効なようだ。

 ポートレートに似ている機能はハイエンドのAndroid端末も搭載されているが、それらを見たことがない人にはどや顔できる。飲み会で写真を撮って見せてあげれば、喜んでくれることだろう。

背景が綺麗にぼけて、一眼レフのような写真が撮れる

積み上げたプライス
さて願いましては・・・・・・

 TwitterのCEOのようにiPhoneですべての仕事をこなすというのは無理だとしても、オフィス外でほぼ同じ作業をこなせる環境を持てるのは超絶便利。働き方改革の文脈でも効果ありだ。

 ただし、iPhone XS Maxは大きいので落とすと怖い。そのため、ホールド力をアップするために、スマホリングが必要になる。とはいえ、本体に直接貼りたくないので、ケース一体型の製品を購入した。今のところは快適に使えている。

操作中に落としたくないので、スマホケースにリングが付いた製品を利用している

 ちょっとびっくりしたのは「スクリーンタイム」機能。日々iPhoneを使っている状況をレポートしてくれる機能で、どのアプリにどれだけの時間を使っているかが一目瞭然となる。筆者は確かにスマホ中毒ではあるが、確認したところまさか1日8時間以上いじっているとは思わなかった。うち半分近くがゲームというざま。4時間強は読書と調べ物などだが、それ以外ゲームを減らすように心がけている。この気づきはとても価値のあるものだった。

スクリーンタイムでiPhoneの利用状況が丸裸に

 さて願いましては・・・・・・とiPhone XS Maxで得られるバリューを加算してみよう。調べ物の時間が1/3になるということで1時間半が30分になって、時給1000円の平日20日で2万円×12ヵ月。電子書籍を30冊/年読むところが倍になって、年収の1%で400万円なら4万円。週に1回は無駄な帰社がなくなり、交通費1000円と2時間分の時給が浮く。一眼レフとタブレットと電子書籍リーダーとノートPCを買わなくていいなら、それぞれの価格が浮く。4万、2万、1万、4万だとしても、11万円だ。しめて53万。

 もちろん、半分冗談だが、これが非力で画面の小さいスマホであれば、筆者の場合は明らかに支障をきたす。利用期間を1年として売却をしないとしても、余裕でペイしてしまうと断言できる。本記事が、iPhone XS Maxに食指が動いているのに躊躇しているビジネスパーソンの背中を押す助けになれば幸いだ。

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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