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業界人の《ことば》から第312回

世界企業を見てわかったセキュリティー3つの課題とは

2018年10月04日 11時00分更新

文● 大河原克行

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セキュリティー製品を組み合わせで使える時代に

 講演のなかで、アローラ会長兼CEOが何度も強調していたのが、業界全体が連携することの重要性だ。

 「どんなプラットフォームであっても、どんなソリューションでも業界全体が連動することが大切である」と前置きし、「サードパーティーと連携し、セキュリティーを強化していくことで、さまざまな問題を短い時間で改善できるようになる。各社が同じ優れたデータベースを活用して、セキュリティーソリューションをデザインすることができれば、デプロイの時間も短縮でき、世界中のイノベーションを相互に享受できるようになる」とする。

 パロアルトネットワークスはいま、プロダクト同士を密統合することに全力をあげていると語る。

 「それに向けて枠組みを作っているところであり、今後3~5年をかけて枠組みが完成することになる」という。

 だが、こうも語る。

 「Googleで経験したクラウドの世界や、ソフトバンクで体験したネットワークの世界で大切だったのは、ユーザーが複数のベンダーを活用することであり、オープンスタンダードが前提であった。しかし、サイバーセキュリティーのソリューションは性質上、基本的にはオープンにはしないベンダーが多い。オープンにしてしまうと攻撃者がそれを利用してしまうからだ。結果、企業ユーザーが2社のベンダーからセキュリティーソリューションを購入すると、異なるソリューションを複雑な環境で管理しなくてならなくなる。セキュリティー環境ならではの課題がある」とする。

 パロアルトネットワークスは、それを解決することに挑んでいるというわけだ。

 「次世代セキュリティープラットフォーム」と呼ぶこのプラットフォームは、現時点では製品連携に関してβ段階にあるが「すでに一部の製品は統合されており、そのメリットを理解している顧客もいる。来年からは、さまざまな製品の組み合わせて使ってもらえるようになるだろう。これによって、セキュリティー環境を改善していくことができる」とする。

 すでに50社以上の企業が参加。「これは最初のリストであり、今後このプラットフォーム上にセキュリティーソリューションを乗せてくれる企業が増えていくことになる」と語る。

日本企業に深刻な影響

 一方で、「日本はサイバー攻撃に対する免疫に欠けている」とも指摘した。

 いくつかの資料を示しながら「日本の企業から個人情報が漏洩する事件が相次いでいる。情報漏洩した148社の日本企業のうち、30%以上がランサムウェア攻撃の対象になっている。これが、企業の経営に深刻な影響を与えている」とし、日本の企業のサイバー攻撃対策の現状に警笛を鳴らした。

 最後にアローラ会長兼CEOは「私は日本にコミットをしていく。日本には強固なチームがおり、すばらしいパートナーとの連携もある。また、日本の政府や民間企業とも手を組みたい。日本での課題解決に役立つプロダクトを提供していく」とし、「業界屈指のソリューションを提供し、攻撃者の先を行きたいと考えている」などと述べた。

 日本での経験が、日本に対して強いコミットをする姿勢にもつながっているのは間違いないようだ。

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