ウェアラブルネックスピーカーは
屋内使用が主軸の「肩載せスピーカー」
アウトドアでの音楽リスニング環境もわりと変態寄りな筆者は、未だに時代遅れかつ重くて大きな「COLORFLY Pocket HiFi c4 Pro」とAKGの「K3003」をずっと愛用している。しかし、最近は自宅で原稿を書きながら軽くスマホで音楽を聴くことも多く、そういうシチュエーションでもSRS-WS1は活躍してくれている。
テレビとウェアラブルネックスピーカーの関係性を高めるために、Bluetoothではない専用無線を使ったことで、スマホやその他のレガシーなデジタルミュージックプレーヤーとの接続は付属の専用オーディオケーブルでの確実で安定した有線接続のみとなっている。
有線接続は昭和なウォークマン世代の筆者にはなんの違和感もないどころか、確実かつ安定動作がうれしいくらいだが、平成生まれのスマホネイティブユーザーには多少の違和感があるかもしれない。
実際に、専用オーディオケーブルで筆者のレガシーな「COLORFLY Pocket HiFi c4 Pro」に接続してみたが、これこそ筆者の求めていた自宅内モバイルリスニング環境だった。イヤフォン端子の無い筆者のメインスマホである「HUAWEI P20 Pro」にも、スマホ付属のUSB Type-Cアダプター経由で接続して視聴してみたが、なかなかの満足度だった。
そして、想定以上に楽しく、振動機能が臨場感抜群だったのは「Oculus Go」との連携だった。ウェアラブルネックスピーカーは決してイヤフォンの延長ではなく、商品名の通り、あくまで肩載せタイプのコンパクトスピーカーであるということを再認識した。
ウェアラブルネックスピーカーは、あくまで屋内モバイルの環境で使用すべきもので、屋外では、超大音量で音漏れしているイヤフォンの何倍ものパワーで周囲の人サウンドが届くので、まず屋外では使用できないと理解すべきアイテムだ。また、同じ室内で複数台のウェアラブルネックスピーカーを使用することも、筆者としてはあまりおすすめできない。
肩への装着は極めて簡単だ。両手でSRS-WS1の左右を持ち、少し押し広げながら首の後ろから前にスライドするように装着する。ヘアースタイルに大きく影響しないので、女性でも簡単に装着できる。
さて、SRS-WS1のモバイルオーディオやVR機器との有線接続はこれくらいにして、本命のテレビとの接続親和性を見てみよう。SRS-WS1テレビとのワイアレス接続には、先ほどまで使用していたオーディオケーブル以外の付属オプションを使用してセッティングすることになる。
まずは送信機と充電台の設定だ。両者とも電源には付属のACアダプターとmicroUSBケーブルを使用する。付属のACアダプターは比較的コンパクトなので、テーブルタップに隣り合わせに並べることも可能だった。
充電台の準備ができたら、さっそくSRS-WS1の接点部分を充電台の3つの端子にマグネットで吸着させて充電を開始する。
送信機のほうは、背面のDC-IN端子にACアダプターからのmicroUSBケーブルで給電し、光デジタル出力端子(DIGITAL-IN)とテレビの光デジタル音声出力端子を付属の光デジタルケーブルで接続する。
光デジタル音声出力端子がないテレビの場合は、付属の両端がステレオミニプラグ仕様のアナログ音声ケーブルで、テレビのイヤフォン端子と送信機背面のANALOG-IN端子を接続する。なお、筆者宅では光デジタルケーブルで接続した。
実際のテレビ視聴だが、テレビドラマや時代劇、海外のシネマ、ライブのミュージックビデオまで幅広く観てみたが、少なくとも2~3m先でしゃべったり鳴ったりしているテレビ音声とは格段に違いを感じるライブ感が楽しい。特に、没頭したい名画や音楽番組の視聴に関しては効果絶大だ。
SRS-WS1の送信機とテレビを光デジタルケーブルで接続している場合は、SRS-WS1の音量とテレビ本体のスピーカーの音量は個々にコントロールできる。前面のテレビの音量とSRS-WS1の音量のコントロールを独自に行うことで、自室内に自分を中心としたなかなか楽しいユニークな音場を構成することが可能だ。
SRS-WS1は、屋内で大スクリーン上のシネマやライブなどのオーディオビジュアルコンテンツの再生を主軸とし、スマホなどのミュージックプレイバックを従としたAV系のユーザーが活用するのに最適な「肩載せスピーカー」だろう。
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