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IoT&H/W BIZ DAY 6 by ASCII STARTUP 第31回

IoT&H/W BIZ DAY 6 by ASCII STARTUP基調講演:

日本はIoTで世界一になれる

2018年09月18日 12時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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●大企業はベンチャーと協力を

 情報通信白書によれば、日本企業のIoT導入傾向は低い。2015年時点のIoT導入率はプロセスおよびプロダクトで20%程度、双方ともに40%を超える米国には倍近い差がついていた。総務省では「IoT国際競争力」なる指標を定め、IoT市場で先行する米国や中国などに対抗すべく競争力の強化をはかっている。

 IoTの導入が進まない大きな理由は決断力の不足だ。ガートナーによれば、日本企業の従業員の多くは経営者のIoTへの理解に懸念を抱いていて、多くがIoT導入にあたって「慣習やルールを刷新する決断力がない」と感じているそうだ。

 高齢化する経営者層のIoTへの理解を懸念しているのは松本氏もおなじだ。

 「70才を超えた社長だと、IoTもそうかもしれないが理解できないところがいくつか出てくるんじゃないか」(松本氏)

 そこで松本氏が必要になると考えるのは大企業とベンチャーの協業だ。

 日本でモノづくりをしてきた老舗メーカーが通信系に詳しいベンチャーと事業をともにすることで、新たな勝ち筋をつくっていけるのではないかと考える。

 「日本は小さな国土の中にソニーもキヤノンもいる。ベンチャー企業との握手によってかならず新しい時代がくる。日本は2020年に向けてそろそろ新しい戦い方やポジションを発信する時代なんじゃないか」(松本氏)

 日本企業は、社内部門や関係企業との衝突を避けたいといった理由で、ベンチャーとの共同事業やM&Aには及び腰だ。しかし、みずからIoT事業を地でいくコマツのような企業は特例としても、効率が悪くなった古い仕組みを通信技術で刷新していくIoT的な考えはどんな企業でも検討していく必要がありそうだ。

 「うちの業界は関係ありませんから」と他人事では、いつ外資系IoT企業に優位をとられ、市場の主導権を明け渡すことになるかもわからない。むしろIoTは自社製品があって初めて実現できるというくらいの気概が必要なのかもしれない。



書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。赤ちゃんの父をやっています。育児コラム「男子育休に入る」連載。Facebookでおたより募集中

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