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IFA 2018レポート 第28回

Google Payやモバイル通信はまだ?

グーグルに聞いた「Wear OSスマートウォッチ」バッテリー時間、電子決済、eSIMはどうなの?

2018年09月12日 08時00分更新

文● 中山 智 編集●飯島恵里子/ASCII

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フォッシルグループの第4世代新モデルは、心拍センサーを搭載している

———心拍センサーを標準搭載した端末が増えていますが、グーグルからメーカーに対してなにか働きかけがあったのでしょうか?

Barr氏:心拍センサーは活動量計測と合わせて重要ですが、今回のGoogle Fitのアップデートに関しては、そのほかにもいろいろなセンサーが利用できるため「ハートポイント」の計測に、心拍センサーは必須の機能ではありません。心拍センサーのない端末でも問題なく使えるようになっています。

 パートナーのメーカーには心拍センサーの搭載を推奨はしていますが、あくまでユーザーのニーズに合わせて各メーカーが端末を製造しています。たとえばエンポリオ・アルマーニの最新モデル「Matteo」には心拍センサーに加えてNFCやGPSが搭載されていますが、カシオの「PRO TREK Smart」の最新モデル「WSD-F30」には心拍センサーはなく、気圧センサーや高度センサーなどが搭載されています。

「PRO TREK Smart WSD-F30」には高度センサーや気圧センサーのほかに、事前にダウンロードすることでオフライン時でも表示できるカラー地図など、ユーザーのニーズに合わせた機能を搭載している

———NFC搭載モデルも登場して電子決済サービス「Google Pay」が利用できる国も増えてきていますが、一気に対応国が増えない障壁はどこにあるのですか?

Barr氏:スマートフォンでGoogle Payに対応していても、Wear OSの端末をGoogle Payに対応させることは別で、新たにパートナーシップなどの交渉が必要です。その国の銀行など、ひとつひとつクリアしなければいけない問題が多く、時間もかかってしまいます。

 ただWear OSでのGoogle Payは今年だけで2ヵ国から8ヵ国に拡大していますので、今後は順次、対応国を増やせていけるとおもいます。

———LTEやeSIMといった単体でモバイル通信が可能な端末が少ないように思いますが、グーグルとしてはどう取り組んでいますか?

Barr氏:HUAWEI Watch 2などLTEモバイル通信機能を搭載したモデルもありますし、eSIMなどでウォッチが単体で動作することもグーグルとしても注目しています。ただそれと同時に、マーケットデータからユーザーの声を拾ってみると実際にはあまり使われず、必ずしもユーザーが求めている機能ではないという一面もあります。そのためユーザーがより求めている機能にフォーカスして開発を進めている状況です。

なぜiPhoneユーザーは、複数台のWear OSスマートウォッチを接続できないのですか?

———ヘビーなスマートフォンやウォッチユーザーは、それぞれを複数台所有して使い分けたいと考えますが、iPhoneでは1台につきひとつのウォッチしか接続できないなど、制約があります。このあたりの改善は考えていますか?

Barr氏:スマートフォンとの連携はBluetoothに関連しますが、チームの中でもBluetoothはチャレンジングな分野で、こちらも専門のチームが存在します。現状ではペアリングはBluetoothの機能や仕様によるところが大きく、iPhoneで1台しかウォッチが接続できないのもそのためです。ですがスマートフォンやスマートウォッチを、シーンや目的に応じて「使い分けたい」というニーズがあることは理解しているので、今後は改善を進めていきたいと考えています。


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