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1ヵ月の休暇も子連れ勤務もOK!「自由すぎる会社」が成長する理由

2018年08月23日 06時00分更新

文● 吉田由紀子(ダイヤモンド・オンライン

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1ヵ月の長期休暇を取れたり、子連れ勤務歓迎など、今の日本にあっては驚くほど自由な働き方を実践し、なおかつ急成長を遂げている企業がある。ひたすら汗水たらして働いて、ようやく業績を上げる、という古い日本企業の慣習とは真逆の企業に話を聞いた。

型破りな働き方で
急成長を遂げた!

子連れ勤務が歓迎されるCRAZY社
CRAZY社ではベビーシッターが常駐しており、子ども連れで勤務ができる

「1ヵ月間の休みをとって旅に出られる」
「子連れ出勤歓迎」
「二拠点生活や地方で働くのも自由」――こんな働き方を実践している職場を、みなさんはどう思うだろうか。

 昨今、働き方改革が進むにつれて、ユニークな働き方を行う企業が増えてはいるが、ずいぶん型破りというか、フリーダムな社風に思えるのではないか。中には、こんなに野放しで大丈夫なのか、と眉をひそめる方もいるかもしれない。しかしこの会社、業績は右肩上がりで伸びており、次々と新事業を開拓しているのだ。

 株式会社CRAZY(クレイジー)という、完全オーダーメイドのオリジナルウェディングやイベントの企画・製作を行う会社である。2012年に創立、現在は90人の社員を擁しており、業界の風雲児として名を馳せている。創業2年目の売上は1億円だったが、2017年には12億円へと急伸。この成長の要因が、ユニークな働き方にあるというのだ。

 1ヵ月間の休暇は「グレートジャーニー制度」と呼ばれており、CRAZY社では数多くの社員が活用している。2015年に入社したオア明奈さんは、これまでに3回(!)利用している。

「最初は宮古島、2年目は北アイルランド、去年は米国のポートランドへ行きました。ゆっくりとした時間を過ごすことで自分を見つめ直す機会になり、視野も広がって仕事へ良い影響をもたらしてくれたと思います」と感想を話す。休暇を取るまでは、仕事に悩んだり迷ったりすることが多々あったが、それがグッと減ったという。

 1歳のお子さんを育児中の日出美紗子さんは、二拠点生活を送っている。産休に入ってすぐに夫の転勤が決まり、東京から広島へ引っ越した。広島では自宅やカフェで仕事を行い、月の半分は上京して業務をこなしている。

「夫の転勤が決まった時点で会社に相談をしたら、二拠点生活を勧めてくれました。広島では一時保育に預けながら仕事をし、東京では会社のベビーシッターさんに面倒を看てもらっています」

 二拠点生活を始めて、今まで以上にオンとオフの切り替えができるようになり、仕事に集中できるようになったという。

子どもが泣き出してもOK
子連れ勤務は当たり前

 こんなふうに、ユニークな働き方を推進している同社では、経営方針の筆頭に掲げているのが「健康を第一に考える」である。

「会社は一人ひとりの人間のためにあると考えています。人間が生きていく上で一番重要なものは健康です」とCRAZY社長の森山和彦さんは話す。

専属のスタッフが料理した自然食ランチを全社員が食べる。独身者には朝食、夕食も提供する

 健康経営を支えているのは、まずは食事だ。CRAZY社では、毎日、全社員が手作りの自然食ランチを食べるのが習慣になっている。専門のスタッフが栄養を考えたメニューを調理し、社員に提供。一人暮らしの社員のために、ランチだけでなく朝食や夕食も提供している。

「食事は健康の基本です。きちんとした素材を使った料理を食べてこそ、社員が活躍できると思っています」(森山さん、以下同)

 食事と同様に重視しているのが、子育て支援である。社内にはベビーシッターが常駐しており、育児中の女性社員は、子連れ出勤が当たり前になっている。

「ミーティングの途中で赤ちゃんが泣いても、社員は誰も気にしません。むしろ、子どもが身近にいることで社員は癒されますし、何より社風がよくなりました。子育ては非常に重要な仕事です。全社を挙げて応援しています」

 ずいぶん改善されたものの、日本の企業には、子どもが生まれたら退職という風潮がまだ残っている。だがCRAZY社は、育児を経験することで社員のマネジメント能力が確実に向上すると考えている。産休から復帰後は昇格する社員も少なくない。せっかく積み重ねたキャリアや能力を持つ社員が、育児のために退職してしまうのは多大な損失だという。

 この他にも「ワーケーション」といって、旅行先でバカンスのついでに仕事をする制度や、「パフォーマンスディ」という、個々の社員がパフォーマンスを最大に発揮できる場所で仕事をする制度もある。さらに、社員が働き方を提案する制度、自宅勤務など、独自の働き方は枚挙にいとまがない。

日本人は自社の働き方がおかしくても
なかなか声を上げない

 しかし、こういった働き方が、どう業績に結びついているのだろうか。前職で組織改革コンサルタントとして、中小企業から大企業まで数多くの企業を見てきた森山さんは、こう語る。

「私自身、これまでの企業の働き方に疑問を抱いていたんです。もっと自由に休みをとるべきだし、誰もがもっと働きやすい環境を望んでいると思います。声を上げていないだけではないでしょうか?そんな思いで、創業時からグレートジャーニー制度を導入して、一石を投じてきたわけです」

「そうこうするうちに、ユニークな会社であることが広まり、弊社の働き方に共感する人が集まるようになってきました。働くこと自体に疑問を抱いたり、自分の働き方を熟考している人が多く、結果的に優秀な人材が増えていったのです。彼らが自由な発想で次々と新事業を開拓し、ヒットさせたおかげで、業績を伸ばしていくことができたのです」

 CRAZY社は、この夏にも新規事業を立ち上げ、話題を集めている。

 一見、型破りで自由過ぎるように思える働き方だが、それがゆえに社員は自分の能力を存分に開花させることができる。今後はこういったワークスタイルが増えていくに違いないと感じた。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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