このページの本文へ

ASCII西日本豪雨ルポ 第3回

西日本豪雨 漫画家の壮絶体験

2018年08月27日 09時00分更新

文● Imaha486(@Imaha486) 取材協力● かぼちゃさん

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

屋根の上、寒さに震えながら救助を待った

── 屋根の上で救助を待ちながら「しぬど……」とツイートされていたときのことを教えてください。

 本当は何度も現状を伝えるためにツイートをしていたのですが、とにかく回線が不安定で投稿ミスを繰り返し、気づいたらこれだけが唯一アップできていました。本当はもっと早い時刻に投稿していたのですが、ツイッターアプリが自動で再投稿を繰り返して急に通っていたためか、ぜんぜん違う時間にアップされていました。

 このときはとにかく寒かったです。日が変わるころには雨が弱まると聞いていたのにまったくそんなことはなく、雨がひたすら降り続けていました。午前7時すぎごろに救助ヘリがやってきたのが見えて、「これで助かる!」と思いました。

 このとき救急車のサイレンも聞こえていたのですが、一面が水没した状況だったので単なる幻聴だと勘違いしていました。後から知ったのですが、堤防が決壊していなかった反対側に多くの救急車が集まっていたらしいです。

 まわりを見ると高齢者の方ばかりででした。ほとんどの方が体力的に屋根に登ることができず、ベランダにしがみついて耐えていました。中でも、シャツとパンツ1枚だけで傘もささずに雨に打たれている方を見た時は「あの人を早く助けてあげてー!」と思いました……。ほかにも、屋根の上にでっかい犬を上げている人もいて「あれどうやって上げたの!?」と驚愕したりしていました。

 そして午前8時すぎごろから周囲の人たちの救助がはじまりました。

 屋根に登れない人、雨に打たれていた人、子ども、病人など緊急性の高い方から避難していくため、フル装備に身をかためていた自分は最後の方でしたが、昼過ぎの12時40分ごろ、無事に救助していただきました。自分以外には他の2家族がゴムボートに乗っており、ボートの進行のさまたげになる電線を手で払いのけたり、船底が障害物に当たらないように迂回しながら、13時頃に倉敷市役所真備支所に到着。

 真備支所では大体200〜300人くらいが救助されていました。犬猫と一緒にいた人が多いのが印象的でした。

 ただ、倉敷市役所真備支所の庁舎も電気が止まっていたので、救助者はそこから別の避難所へ移動していきました。運の良い人はすぐ近隣の小学校の避難所に行くことができましたが、18時を過ぎたころに一度避難が打ち切りとなったため、残った人たちはそのまま真備支所で夜を明かすことになりました。翌日午前9時から避難が再開されたので、町はずれまで移動してもらい、そこで兄と合流しています。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン