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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第9回

アプリの「抜け穴」はふさげていない:

アップルのiPhoneプライバシー問題対策は不十分

2018年08月21日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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議会はアップルとアルファベットに質問状

 こうしたプライバシーの懸念が高まっているとして、米国議会下院エネルギー・商業委員会の議員は7月9日、アップルとグーグル親会社アルファベットに、プライバシーに関連した質問状を送りました。

 アルファベットのラリー・ペイジ氏には、前述のメールスキャニング問題を、アップルのティム・クック氏に対しては、アップルが顧客のプライバシーを守るという主張の根拠に突っ込んだものでした

ユーザーは首尾一貫して、App Storeを通じて、GoogleやFacebookを含むアプリにアクセスしています。そのことは、アップルが強調している価値に矛盾しています。数週間前、アップルは、サードパーティーアプリの開発者がアップルユーザーから集めるデータの制限を特徴とするApp Storeのルールを行いました。この宣言と行動は、いかにしてアップルユーザーのデータが守られ、またいつ共有・編集されるのか、という疑問を生じさせます。

 そのほかに、こんな質問もありました。1つはAndroidスマートフォンの通信に関する情報収集と振る舞いを、アップルもやっているのではないか、というもの。

Androidスマートフォンが、位置情報サービス・Wi-Fi・Bluetoothがオフになっていて、SIMカードが抜かれていても、近辺の携帯電話のアンテナの情報を集め、Googleに送信されていると報告があった。(中略)Androidスマートフォンに対する報告だったが、Appleデバイスも同様の振る舞いをしうると理解している。

 またAmazon Echoへの懸念から浮かび上がった、iPhoneがユーザーの許可なく声を録音しているのではないか、というもの。

AppleのiPhoneは、明確でなかったり、誤解の可能性がある音声をきっかけにユーザーの声を認識する機能がありますか?また許可なしにユーザーの声を録音する機能がありますか?

 いずれも、昨今のテクノロジーにまつわるプライバシー問題について質問していることがわかります。

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