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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第571回

幻想的な雰囲気がいい 逢魔が時に撮る夏の猫

2018年08月04日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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「マジックニャワー」は幻想的な猫写真が撮れる時間

日没直後で空はまだ明るい時間、F1.4の明るい単焦点レンズをつけてしゃがんで撮影。じっとこちらを見ているきりっとした顔がたまらん(2018年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

日没直後で空はまだ明るい時間、F1.4の明るい単焦点レンズをつけてしゃがんで撮影。じっとこちらを見ているきりっとした顔がたまらん(2018年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

 19時2分。

 昼間は猫っこひとりいないけれども、夜になると三々五々、近くの猫が集まってくる公園がある。

 なかなか近寄らせてくれないのだが、その中の1匹がちょっとでてきてくれた。夕暮れの自然光と公園の街灯の光がミックスしていい感じになったのでそっと1枚。

 ちなみにこの「逢魔が時」を写真の世界ではマジックアワーという。この時間帯ならではの幻想的な色を見せてくれるからだ。

 特に猫写真の世界では「マジックニャワー」と呼んでいる。ウソです、すみません、今思いつきました。

塀の上のハチワレ子猫。最近のカメラは高感度性能がいいので夜の猫を撮るときに助かる。これはISO 6400で撮影。右にもう1匹隠れているのだけど隠れ方がちょっと逢魔が時っぽい(2018年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

塀の上のハチワレ子猫。最近のカメラは高感度性能がいいので夜の猫を撮るときに助かる。これはISO 6400で撮影。右にもう1匹隠れているのだけど隠れ方がちょっと逢魔が時っぽい(2018年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

 19時9分。

 のそのそと出てきたハチワレの子猫を発見。

 写真がちょっと青みがかってるけど、それもマジックニャワーの特徴。デジカメなのでホワイトバランスを調整してきっちり色を直すのも簡単だが、この時間帯ならではの光の色の変化をそのまま楽しむのもいい。

目の前にごろんと転がったと思ったら大きな口をあけてにゃあ。撫でさせてはくれなかったけど、それなりに人に慣れている猫っぽい(2018年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

目の前にごろんと転がったと思ったら大きな口をあけてにゃあ。撫でさせてはくれなかったけど、それなりに人に慣れている猫っぽい(2018年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

 19時21分。

 すっかり夜になった住宅街。マンションの前に猫がいたのでちょっと離れた場所から撮ろうとしゃがんだら、こっちにとことことよってきて、目の前でごろんと転がってにゃあ。

 さすがに暗くてシャッタースピードもあまり上げられなかったので被写体ブレしてるけど、それもまたよし。

 ちょっと暗いけど、これを補正して明るくすると夜っぽさが消えるのでこのままでよいのである。

これだけ、4月に撮った写真。暗い公園の段差で可愛い首輪をつけたハチワレがちょこんと座ってたのだ。猫の目線の先には飼い主のおじさんが(2018年4月 ソニー α7 III)

これだけ、4月に撮った写真。暗い公園の段差で可愛い首輪をつけたハチワレがちょこんと座ってたのだ。猫の目線の先には飼い主のおじさんが(2018年4月 ソニー α7 III)

 19時40分。

 さきほどの猫が三々五々集まってくる公園だが、時には近所のおじさんが飼い猫の散歩にくる。よくわからないんだけど、夜になると首輪をした猫とともに現われるのだ。

 猫が公園へ行くのについてくるのか、おじさんに猫がついてくるのかわからないが、当人は「猫を連れて散歩にくるんだよ」という。

 猫はきれいなハチワレで首輪はしてるけど、リードも何もない。ただおじさんとつかず離れず歩いて数10mの公園にくるのだ。

 上写真の猫がそう。このあとおじさんについて家に帰っていったのだった。

 最後の1枚もこの公園から。

夜の猫は街灯をうまく使うのがポイント。といってもいい場所に猫がいてくれないとダメなんだけどね。そこはチャンスを逃さず(2018年8月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

夜の猫は街灯をうまく使うのがポイント。といってもいい場所に猫がいてくれないとダメなんだけどね。そこはチャンスを逃さず(2018年8月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

 逢魔が時どころか、普通に夜になってしまった19時55分。

 都合がいいことに、公園の入口近くの街灯が一番当たる明るい場所にいてくれたチャトラ。

 光がいい感じにあたる角度を探してしゃがんで撮影。フラッシュは使わないこと。

 なお、一番の敵は「魔」でも「暗さ」でもなく「蚊」でした。お気をつけを。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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