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楽天カードが銀行系を抜いて最強のクレジットカードになった理由

2018年08月01日 06時00分更新

文● 岩田昭男(ダイヤモンド・オンライン

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日々お得さと利便性を高めるキャッシュレス決済。しかしクレジットカードは星の数ほどあり、電子マネーやポイントも加わって、どれを選べばいいのか消費者の頭を悩まし続ける。そこで、『電子マネー、スマホ決済… キャッシュレスで得する! お金の新常識』(青春出版社)の著者・岩田昭男氏が、お得なカード、ポイントの具体的な貯め方・使い方について指南する。

使いやすさ抜群の「三通カード」

 前回の記事では、このまま現金払いを続けていると、キャッシュレス決済と比べて損する局面が増えると述べた。今回はキャッシュレス決済で具体的に得する方法について解説したい。

 クレジットカードは発行元によって、銀行系、信販系、商業系、そのほかに分かれている。だが現在は、クレジットカード会社のメガバンク離れの動きも見える。メガバンクもいわゆる系列を越えて、自由にパートナーを選ぶ傾向を見せている。

 こうした中で注目すべきは、「交通系」、「流通系」、「通信系」のいわゆる「三通カード」が勢いを増し、先行する銀行系グループに肉薄し出したという事実である。たとえば交通系ならJR東日本グループのビューカード、流通系ならイオンカード、通信系ならNTTドコモのdカードなどだ。

 三通カードの発行会社は、いずれも一般消費者に近い企業であるために、利用者視点のサービスが豊富で、使いやすい。また、いずれも厳しい消費者の目にさらされ、熾烈なカードサービス競争を繰り広げているから、たいていは「得」をすることはあっても「損」をすることはない。

ポイントが桁外れ「楽天カード」

 なかでも三通カードの代表格の楽天カードは、ここにきてさらに勢いを増し、2018年1月に発表された年間取扱高(楽天カードを使って取引されたショッピング売上高)で、単体カードとしては初めて大手メガバンクのカードを抜いてトップに立った。これまで、流通系カードが銀行系カードを抑えて1位になることなどなかったので、業界内では快挙として話題になっている。

 これについては連日テレビで放映される「楽天カードマン」のCM効果が大きかったといわれているが、それだけではない。なんと言っても楽天が発行する楽天スーパーポイントの果たす役割が大きかった。

 多くのカードが0.5%のポイント還元率なのに対し、楽天スーパーポイントはどこで使っても基本100円につき1ポイント(1%)のポイントがつく高還元率カードだ。さらに、楽天市場利用者には気前よく2倍、3倍のポイントを提供してくれる。キャンペーンになると、さらにポイントが加算されるほか、プロ野球の楽天イーグルスやJリーグのヴィッセル神戸が勝ってもポイントが倍増するといった具合で、まさに大盤振る舞いのポイントサービスだ。

 また、楽天市場だけではなく、楽天トラベルや楽天ブックスでも業態をまたいでポイントが貯まって使えるという利便性は楽天スーパーポイントならではのもの。いまではライバルのヤフージャパンをはじめ、ほかのカード会社もこぞって真似をしているが、ポイントサービスに関しては、楽天がまだ頭ひとつどころか、2つも3つもリードしている。

グループの垣根を越える共通ポイント

「三通系カード」が強いのは、“共通ポイント”の使い勝手の良さが大きい。共通ポイントとは、いままでグループ内でしか貯まらなかったポイントを、業種の垣根を越えて多くの店舗で貯まり、使えるようにした汎用性の高いポイントのこと。店先で配布されているポイントカードを提示(入力)するだけで、提携先のリアル店舗、ネット店舗でポイントを貯めることができる。

 共通ポイントの主なものが、2002年10月にスタートしたカルチュア・コンビニエンス・クラブの「Tポイント」、続いて三菱商事系の「Pontaポイント」、さらに楽天の「楽天スーパーポイント」などだ。そして、2015年にはドコモの「dポイント」が共通ポイント事業への参入を果たした。共通ポイントの提携先は日々拡大中で、生活のあらゆるシーンで無理なく貯めることが可能になっている。

共通ポイントの元祖「Tポイント」

 Tポイントは2017年12月末時点で提携店舗数が77万超と共通ポイントの中で最も多く、多様な店で使えるのが特徴だ。ポイント還元率は0.2~0.5%と高くはないが、とにかく店舗数が多いから、あちこちで貯めることができる。「ファミリーマート」「サークルK・サンクス」「スリーエフ」といったコンビニのほか、ファミリーレストラン、コーヒーショップなど生活に密着した店舗が多く、普段の生活でコツコツとポイントを貯められる。

 ヤフーと提携しているため、インターネット上での貯めやすさも見逃せない。「Yahoo! JAPAN」のIDにTカード番号を登録しておくと「Yahoo! ショッピング」と「LOHACO(ロハコ)」で通常は1%、「5のつく日キャンペーン」と題して毎月5・15・25日にはパソコン・スマートフォン・タブレット利用で3%、スマホアプリでは5%のポイントが貯まる。

「Yahoo! トラベル」や「ヤフオク!」「Yahoo! 公金払い」など、ショッピング以外のサービスでもポイントが貯まる。貯めたポイントは1ポイント=1円として加盟店での支払いに利用できるほか、各種ポイントや商品にも交換可能になっている。

ローソンで貯めるなら「Pontaポイント」

 ローソンで貯まる共通ポイントといえば、Pontaポイント。提携店舗数は19万8000店で、会員数は8700万人(2018年5月時点)。ポイント還元率は、100円で1ポイント(1%)と高いので貯めがいがある。「大戸屋」や「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」など全国チェーンの飲食店をはじめ、百貨店の「髙島屋」、スーパーの「ライフ」などでもポイントが貯まる。

「じゃらんnet」「ホットペッパービューティー」「ポンパレモール」といったリクルート系のサービスをよく使う人にも、Pontaポイントはオススメ。これらのサイトはポイント付与率が1~3%と高めに設定されている上、ポイントアップキャンペーンも多く実施されているからだ。

 ポイントのお得な使い道は、何といってもローソンの「お試し引換券」との交換だろう。毎週火曜と金曜に公式サイト(お試し引換券・今月の全商品)が更新され、お菓子やお酒、日用品など、さまざまな商品と交換できる。これらの商品は値引き額が大きいのでオススメである。

最大11%もつく「楽天スーパーポイント」

 楽天スーパーポイントは、楽天市場をはじめ、楽天トラベル、楽天ブックス、楽天デリバリー、楽天ネットスーパーなど、ほとんどのサービスでポイントが貯まる。会員数は2017年12月末時点で9520万人(楽天会員ID数、登録完了後1回以上ログイン)、提携店舗数は52万店だ。

 長所は、何といっても貯まりやすさ。たとえば楽天市場のポイント付与率は通常1%だが、アプリや楽天ゴールドカードなどの併用で、最大11%(期間限定ポイントを含む)になる。随時開催されているキャンペーンを狙えば、さらに多くのポイントを獲得することも可能だ。「マクドナルド」や「くら寿司」「ミスタードーナツ」など、リアルの提携店舗も増えている。

 オススメは楽天市場でのキャンペーン時にもらえる「期間限定ポイント」をリアル店舗で使うこと。「もうすぐポイントの有効期限が切れるけど楽天市場にほしいものがない」というときでも、1ポイントから有効に使えるので便利だ。

「dポイント」はドコモユーザーには断然有利

 2015年から共通ポイントに仲間入りしたdポイント。新規参入ながら、ローソンやマクドナルド、マツモトキヨシとの提携など、ドコモユーザー以外でも貯まる&使える店舗が増えている。提携店舗数は3万2200店、会員数は1974万人(2017年12月末時点)。ポイント還元率は、100円で1ポイント(1%)と高還元率だ。

 やはり最も貯めやすいのは、ドコモユーザーだろう。スマートフォンなどドコモのケータイの利用代金はもちろん、ネットショッピングの「dショッピング」、ホテルなどを手配する「dトラベル」、雑誌読み放題の「dマガジン」、映画・ドラマ配信の「dTV」などでもポイントが貯まる。

 オススメの使い道は、Pontaポイントへの交換。5000dポイント→5000Pontaポイントと等価交換でき、Ponta加盟店で幅広く利用できる。また、JALマイルへの交換も可能(5000ポイント→2500マイル)なので、JALマイラーならこちらもお得になる。

勢力を拡大する電子マネー

 クレジットカードに続いてキャッシュレス時代を牽引するのは、電子マネーだ。

 2001年に楽天EdyとSuicaが相次いで誕生してから紆余曲折を経ながらも、その使いやすさで人気を博し、取扱高はいまや5兆円を超えるまでになっている。上記に加え、私鉄系のPASMO、セブン&アイのnanaco、イオンのWAONなど種類も豊富で、ライフスタイルにあわせて使いやすものを選べる。

 SuicaやPASMOなどは切符を買って乗るより運賃安くなるうえ、オートチャージ機能を使ってクレジットカードに紐づけておけば、通常より3倍もカードのポイントが付くのでかなりお得だ(ただし紐づけできるカードは「ビューカード」系に限られている)。コンビニやスーパーをはじめ、買い物に使える店も増えている。反応速度が速く、セキュリティもしっかりしており、快適な決済を保証してくれる。

今後の主流はスマホ決済に

 これからキャッシュレスの流れはリアルなカードを使ったものから、スマートフォンを使った「スマホ決済」に確実に移っていく。スマホ決済には、非接触ICの電子マネーを端末にかざして使うものと、QRコードを使って決済する2つのタイプがある。

 非接触ICのフェリカを搭載したスマホで支払いを行うサービスには、アップルのアップルペイ 、グーグルのグーグルペイなどがある。日本ではすでにSuicaや楽天Edy、nanaco、WAONといった電子マネーやクイックペイモバイル、iDのモバイルクレジットカードなど、おサイフケータイとして広く普及しているサービスもある。

「スマホ決済以前」のクレジットカードライフでは、メインとサブで2枚選んで使うのが一番お得といわれてきた。自分のライフスタイルに合ったメインカードを使ってポイントを貯め、サブカードはメインでこぼれるところで使うというものだ。しかし、「スマホ決済以後」は、クレジットカード+電子マネー+ポイントカード(アプリ)の3点セットで選ぶのがよい。この3つの相乗効果を最大限得られるようにするのがコツだ。

 スマホ決済は、販売店側にとって手軽な決済手段として強力な援軍でもあるが、私たち消費者にとっても、アプリを使えば、利用履歴から残高まで画面に映して「見える化」でき、お金の管理の徹底を促す決済手段にもなりうる。いかに賢く、お得にキャッシュレス決済を使うかが、今後の生活を豊かにする鍵となるのだ。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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