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あなたの加齢臭の原因は背中のカビ「マラセチア菌」かもしれない

2018年07月25日 06時00分更新

文● 真島加代(ダイヤモンド・オンライン

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「あなたの背中にはカビがいます」。そう言われたら驚く人が多いだろう。しかし、実は私たちの皮膚には常在菌と呼ばれるさまざまな細菌やカビが住んでいるのが当たり前。ただし、皮膚に住む常在菌との付き合い方を一歩間違えると、加齢臭をはじめ、さまざまな肌トラブルの原因になるという。(清談社 真島加代)

加齢臭の原因のひとつは
背中に住む菌だった!

加齢臭の原因のひとつは、背中に住む菌です
誰の皮膚にも存在しているカビ「マラセチア菌」が皮脂を分解する際に発生するのが加齢臭。脂肪分の多い食事や、シャワーのみの入浴をしている男性は要注意である Photo:PIXTA

 中高年の悩みのタネとなっている加齢臭。自分ではなかなか気が付きにくいため、放置されているケースも多い。その原因のひとつといわれているのが、皮膚に住むカビの一種「マラセチア菌」の増殖にあるという。

「人間の皮膚には、細菌やカビの仲間である真菌が住んでいます。加齢臭の原因となるマラセチア菌も常在菌の一種です」

 こう話すのは、男性専門の総合美容クリニック「ゴリラクリニック」総院長・稲見文彦医師。“肌にカビがいる”と聞くと衝撃を受けてしまうが、もともとは誰の皮膚にも存在しているものなのだとか。

「加齢臭の正体は『2-ノネナール』という物質です。マラセチア菌をはじめとする常在菌が、リパーゼという酵素を産生して脂肪酸を分解する際に、この2-ノネナールが発生すると考えられています。常在菌が皮膚表面にある不飽和脂肪酸を分解することで、中高年特有の『脂臭い』『青臭い』『枯れ草のような臭い』とされる、加齢臭特有のニオイが発生するのです」

 マラセチア菌は、背中や胸など、汗をかきやすく皮脂が多い場所を好み、汗や皮脂をそのまま放置していると増殖。最終的にキツい加齢臭が漂うようになってしまうのだ。女性に比べて皮脂が多い男性は、特に注意が必要だという。

 また、マラセチア菌の増殖がもたらすのは加齢臭だけではない、と稲見氏。

「背中は皮脂腺が多く、ニキビができやすい場所でもあります。そのため、背中にニキビに似たピンク色や白色の斑点ができることも少なくありません。しかし、こうした斑点に通常のニキビ治療を施してもなかなか治らない場合は『マラセチア毛包炎』を発症している可能性があります」

菌の増殖を食い止めるためには
夏場でも湯船につかるべし

 マラセチア毛包炎とは、マラセチア菌の異常繁殖によって背中や胸に斑点ができる皮膚の病気。マラセチア毛包炎発症時に皮膚に生じる斑点は、カサカサとした質感とかゆみを伴うのが特徴だ。

「加齢臭そのものは病気ではありませんが、加齢臭を引き起こすマラセチア菌が『マラセチア毛包炎』を発症している場合は、立派な病気です。医療機関で治療を受ける必要があります。数ヵ月から数年も症状が続くことがあり、再発しやすい病でもあります」

 特に、汗ばんだ肌は高温多湿で皮脂が多くマラセチア菌が好む環境。暑さが増すこれからの季節は、特に注意をする必要がありそうだ。

 加齢臭だけでなく皮膚病を発症する可能性もある、皮膚のカビ「マラセチア菌」。とはいえ、誰の肌にも存在する常在菌をなくすことは不可能。一体どのように付き合うべきだろうか?

「マラセチア菌の増殖を防ぐために重要なのは、清潔を保つことです。夏場はシャワーだけで済ませてしまう男性も少なくないようですが、季節に関係なくきちんと湯船につかりましょう。湯船で体を温めて毛穴を開き、毛穴の奥の汚れまでしっかり落とすように心がけてください」

 気温が高い夏は、湯船に入るのを敬遠しがち。しかし、肌の清潔を保つためには必要な生活習慣なのだ。また、稲見氏によれば、体の洗い方にも工夫が必要なのだとか。

ナイロンタオルでこするのはNG
食生活も改める必要あり

「石けんは刺激が少ないものを選び、泡立てネットなどで泡立ててから手を使って『泡でなでるように』洗うだけで十分清潔が保てます。反対に、ナイロン製のタオルを使って体をゴシゴシこするのはNG。肌の角質層のバリアが損なわれて、さまざまな肌トラブルのもとになります」

 清潔を保つと聞いて、男らしくナイロンタオルでガシガシ洗うことをイメージしがちだが、肌にとっては逆効果。泡で優しく洗おう。そして、マラセチア菌の増殖を防ぐには、食生活の改善もポイントだという。

「脂肪分が多くて野菜が少ない食生活は、皮脂の分泌量を増やしてしまい、マラセチア菌の増殖リスクを高めます。野菜を増やしてビタミン類を多くとるなど、バランスのよい食事をすることも、カビ対策につながります」

 しかし、入浴法や食事を改善しても、マラセチア毛包炎や加齢臭などの症状が落ち着かない場合には医療機関を受診してほしい、と稲見氏。

「背中の斑点や加齢臭が治まらないときは、まず皮膚科を受診しましょう。実際の治療では、抗真菌薬を用いての治療が行われることが多いですね。また、不適切なスキンケアが、肌トラブルや加齢臭の原因となるケースもあるので、美容皮膚科に相談するのもいいでしょう。治療を受けたのちに症状が改善されても、マラセチア毛包炎には再発の恐れがあります。自己判断で治療を中止せず、医師の指示に従いましょう」

 汗ばむこれからの季節、肌を清潔に保つことが巡り巡って加齢臭対策につながる。加齢臭を抑えるためにも、日頃のケアを心がける必要がありそうだ。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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