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鉄板&今が旬なパーツを性能検証!! 第22回

【鉄板&旬パーツ】PCも熱対策! Alphacoolの簡易水冷キットを試してみた

2018年07月28日 12時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII編集部

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360mmラジエーターで強力冷却

 続いては、「Eisbaer LT360 CPU」を実際にPCに取り付けて、その冷却パフォーマンスを見ていこう。

 テストにはRyzen 7 2700XやGeForce GTX 1080 Tiビデオカードを用意。ストレステスト「OCCT」実行時や「ファイナルファンタジーXV」プレイ時のCPU温度をチェックしてみた。

 空冷の比較には、Ryzen 7 2700Xの付属品ではなく、サイズの120mmサイドフローCPUクーラー「無限五 リビジョンB」を用いている。

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 7 2700X」
(8コア/16スレッド、定格3.7GHz、最大4.3GHz、TDP 105W)
CPUクーラー サイズ「無限五 リビジョンB(SCMG-5100)」
(サイドフロー、120mmファン)
CPUクーラー Alphacool「Eisbaer LT360 CPU」
(オールインワン水冷キット、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG CROSSHAIR VI EXTREME」(AMD X370)
メモリー SanMax「SMD4-U16G48M-26V-D」(DDR4-2666、8GB×2)
ビデオカード NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition(GDDR5X 11GB)
SSD Kingston「SSDNow KC400 256GB」(2.5インチ、256GB、SATAIII)
電源ユニット Seasonic「SS-750KM」(750W、80PLUS GOLD)
OS Windows 10 PRO(64ビット)

今回使用したRyzen 7 2700Xの全コア負荷時は、4GHzに若干届かない3.9GHz台後半で動作していた

 「OCCT」は「CPU:OCCT」を30分間実行。「ファイナルファンタジーXV」は4K解像度、描画設定「最高」(NVIDIA GameWorksのオプションはすべてオフ)で1時間プレイした際のPC状態を、モニタリングツール「HWiNFO64」で記録。CPUダイ温度となる「CPU(Tdie)」の最高値を抜き出している。なお、計測はエアコンを効かした室温28度前後の状態で行なっている。

CPU温度は「HWiNFO64」の「CPU(Tdie)」をチェックしている

ASUSのファン制御機能の「Fan Xpert 4」では、ファン回転数は最大1740rpmになっていた

CPU温度(室温28度) ←cool

 Ryzen 7 2700X付属のCPUクーラーとはさらに差は開くこと間違いなしだが、5000円前後するサイズ「無限五 リビジョンB」と比べても、「Eisbaer LT360 CPU」は最大温度が8度程度ダウンしている。

 しかし、大型の360mmラジエーターとしては肩すかしに感じる人もいるだろう。このあたりは360mmとはいえ、25mm厚の薄型ラジエーターのためやむを得ないところだ。

 もちろん、ラジエーターが厚ければより冷えるようになるとも限らないわけで、このあたりが気になりだし、いろいろ試したくなると本格水冷への道が開くことになる。

 ちなみにアイドル時もしっかりCPU温度はダウンしており、空冷34度前後のところ、水冷時は32度前後を維持していた。水冷はポンプとファンの増加によるノイズ増加をどう見るかで、評価は分かれるが、高い冷却性能は、さすがは水冷といった感じだ。

 なお、ゲーミング中のビデオカードからの排熱を想定して、「ファイナルファンタジーXV」はエアコンを停止させた室温33.5~34度の状態でもテストしている。結果はアイドル時が36.4度で、1時間プレイした際の最高温度は62.8度と室温を同じ、4度程度の上昇を確認できた。

オーバークロック動作時も試してみた

 360mmの薄型ラジエーターを採用する「Eisbaer LT360 CPU」の冷却性能を見極めるべく、「Ryzen 7 2700X」をオーバークロックした状態でのテスト(室温28度前後)も実施してみた。

 オーバークロックは、今回試した2700Xの限界となるオールコア4.2GHz動作(コア電圧1.45V)で、「OCCT」の「CPU:OCCT」を30分間実行してみると、瞬間的な最高温度は91.5度、平均は20度近くアップする83度程度になった。

真のパフォーマンスはVGA追加時に発揮か!?

 さすがにコア電圧1.45V状態のRyzen 7 2700Xのオーバークロック動作は、360mmラジエーターでも厳しい感じだが、「Eisbaer LT360 CPU」は日常、ゲーミング、オーバークロックで十分な冷却性能を発揮してくれそうだ。

流行のLEDライティング機能は備えないが、しっかり冷やせ、クイックリリースコネクターによる水冷ビデオカードの追加などが容易な「Eisbaer LT360 CPU」はオススメといえる

 1万6000円前後で、この性能なら十分だが、冷却液が充填済みでクリックリリースコネクター採用のビデオカード向けウォーターブロックを追加した際のパフォーマンスも気になるところ。

 近日中に、NVIDIAリファレンス仕様の「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」向けとなる「Eiswolf GPX Pro - Nvidia Geforce GTX TITAN X Pascal / 1080 Ti M02 - incl. backplate」の追加やファンのカスタマイズなど、いろいろと試してみる予定なので、乞うご期待。

Eiswolf GPX Pro - Nvidia Geforce GTX TITAN X Pascal / 1080 Ti M02 - incl. backplate

【取材協力】

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