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石川温のPCスマホニュース解説 第4回

「変なSIM」「クラウドSIM」参入で市場は活況:

海外Wi-Fiレンタルよりお得な選択肢

2018年07月23日 09時00分更新

文● 石川温

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■「海外=パケ死」の苦悩

 「かつては1日2980円使い放題で提供していたが、多くのユーザーから『高い』という声があった。また海外で決められたキャリアに接続できず、データ通信料が青天井となってしまい『パケ死した』という悲鳴もネットで拡散した。そこから『海外でのスマホ利用は危険』というイメージがついてしまい、レンタルWi-Fiルーターに人が流れてしまった」(キャリア関係者)背景があるのだ。

 今ではどのキャリアに接続しても問題なく定額制が適用されるのだが、一般にはまだ「海外はパケ死が怖い」というイメージが根強く残っている。

 だからこそ、KDDIは「Wi-Fiルーター不要!」と言い切り、スマホのローミング利用を促進しているのだ。スマホのローミング機能であれば、Wi-Fiルーターをレンタルし、現地で充電しながら持ち歩くという手間もいらない。

 国際ローミング料として「キャリアには年間、数百億円の収入がある」(業界関係者)というだけに、キャリアとしても、何とかその収益源を取り返したいという願望があるのだろう。

■お得なサービスは人それぞれ

 Wi-Fiルーター人気が続く中、クラウドSIMなどで現地キャリアに安価につなぐMVNOやスマホメーカーがある中、キャリアは大盤振る舞いなキャンペーンで、「普段、使っているスマホをそのまま海外でも」というアピールをしかけてきた。

 海外でのスマホの使い方や、渡航する国や地域で、どの会社のサービスがオトクで便利に使えるかは、人によって異なる可能性があるだけに、夏休みに海外旅行を考えている人はじっくりと比較、検討するといいだろう。


筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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