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動画編集PCの理想を求めて! ラッキー橋本がサイコムへ1日体験入社

2018年07月21日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトラカクッチ

提供: サイコム

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先輩の手を借りつつ美しく組み上げる!
さりげなく組み立てのコツも聞き出すことにも成功

 次は、今回の1日体験入社で最大の目的ともいえる組み立て工程だ。バレバレとはいえ、カクッチからの「ノウハウを盗め」という裏任務があるのだが、ラッキー本人にはそんな余裕はないようで、純粋にPCを組み立てることに緊張しているのが見てわかるほどだった。軽い気持ちで「これ、CPUだけで10万円以上するから気を付けてね」と、伝えたのが裏目だったようだ。

 いくらBTOパソコンメーカーといっても、使うPCパーツは一般的な自作PCとほぼ同じ。一部にオリジナルパーツはあるものの、大きく作業内容が変わることはない。ただし、大量に組み立てるということもあって、いくつか通常の自作とは違う部分もあった。

 サイコム流の組み立ては、まず、すべてのパーツを箱から出すところから始まる。箱はそのまま捨ててしまうが、ドライバーCDやケーブルといった付属品は別にとっておき、別の小さな箱に入れて同梱している。このとき、どのCDが何の付属品かわからなくなりやすいため、サイコムでは独自のシールを作って貼るようにしている。

シールを貼ることで、ひと目でどの付属品なのかがわかるのがメリット。細かい点だがうれしいポイントだ。

サイコム流:パーツの箱は全て最初に開き、必要なパーツを取り出して並べる

 組み立ては、パーツ単位で組み立てが必要なものから開始。具体的には水冷クーラーで、別々になっているラジエーターとファンとをねじ止めし、水枕に装着用の金具を取り付ける。ラッキー橋本はこの日初めて電動ドリルを使うということもあり、使い方を聞きながら恐る恐る操作していたのが印象的だった。

簡易水冷クーラーなので、組み立てといってもファンをラジエーターへねじ止めし、金具を取り付けるだけだ。初めて使う電動ドリルに戸惑いながらも組み立ては進む。

 次はマザーボードへのCPU、メモリーの取り付けだ。ちなみに、ラッキー橋本はLGA2066のソケットを見るのがこの日初めてで、2つあるレバーに困惑し「これ知らないやつです!どうすれば……」と早々に先輩へ助けを求めていた。素直な青年だ。

CPUの取り出しでもなぜか手間取ってたのは緊張していたからか。この後、ソケットで困惑しつつも、無事にCPUを装着できた。

 CPU、メモリーと装着できたら、最後はSSD。今回M.2のSSDを選んだこともあってこの工程が追加されている。ネジは小さいものの、M.2のSSDは使ったことがあっただけに落ち着いて作業できていた。また、ここで忘れずにSSDへとヒートシンクを取り付けておく。これを付けることで熱による速度低下が防げるためだ。

 次からはいよいよケースへのパーツ装着となる。再び電動ドリルを手にケースのネジを外し、ファンの位置変更などを行なう。ケースファンの追加がある場合は、一緒にここで追加しておくこともあるようだ。このあたりは厳密な手順は決まっておらず、各自組み立てやすいタイミングで入れるとのこと。

ケースのネジは固いので、電動ドライバーで取り外す。若干腰が引けているのは、まだ電動ドリルに慣れていないためだろう。

 ケースに取り付けるパーツは、HDD、電源、IOパネルの順。ここまで組み立てたら電源からの配線を背面に回しておき、マザーボード、光学ドライブ、その他のオプション(今回はHDDのホットスワップ用ケース)を組み込むという流れだ。

電源は必要なケーブルを接続してから、ケースへと取り付け。背面から4つのネジでしっかりと固定する。

 続いてマザーボードの取り付けだ。一般的な自作ならケースを横に倒し、マザーボードを入れていくのだが、サイコムではケースを立てたまま組み立てるという。実は最近のケースはスペーサ部分に突起があり、そこにマザーボードが引っかかるようになっているため、取り付け中に落ちてきたり、ねじ止めの位置がずれたりすることがないとのこと。ケースを立てたまま作業できれば横に倒すよりもスペースがいらないし、そのまま裏配線もできるため、作業がしやすいというメリットもある。

マザーボードがスペーサーに引っかかるので、ずれる心配はなし。電動ドライバーを使って、ネジを止めていく。

サイコム流:マザーボードの取り付けもケースは立てたまま

 残るパーツは水冷クーラーと光学ドライブ、リムーバブルHDDケースの3点。このあたりは特殊なこともないため、言われた通りにサクサクと組み立てていくだけだ。水冷クーラーは先に組み立てていたこともあり、ラジエーターを背面に取り付けた後、水枕をCPUへとねじ止めするだけと簡単。光学ドライブとリムーバブルHDDケースは、フロントから差し込むだけと、こちらも簡単だ。

 これでパーツのほとんどは装着できたが、次の行程は、最大の難関といえるケーブル接続。やり方を聞きながらラッキー橋本が組み立てると、どう考えてもぐちゃぐちゃになるか、もしくはいつまでたっても組み立てられないといった状況になりかねない。そこで、どうやってケーブルを取り回すといいのか解説を聞きながら、先輩に熟練の技術を見せてもらうということになった。ラッキー橋本が意地を出して自分でやると言うかとも思ったが、「ぜひお願いします!」と二つ返事で了解したところをみると、やはり素直な青年といえるだろう。やや素直過ぎるかもしれない。

 ケーブルの取り回しはケースによっても大きく変わるが、基本的に、後からいじらない部分……フロントパネル用のUSBやオーディオ、電源スイッチといったケーブルや、ファンの電源ケーブルなど……は、結束バンドで束ねてケースに固定してしまうのが常套手段だ。このとき、太いケーブルを手前、細いケーブルは奥になるように束ねるのがいいとアドバイスをもらった。こうすると、細いケーブルが太いケーブルの陰に隠れて目立たなくなり、ケース内がよりキレイに見えるようになるからだ。

後から接続先を変更しないケーブルは束ねてしまい、ケースへと固定。これを徹底することで、きちっとしたキレイな取り回しになる。

ケーブルを束ねるときは、太いケーブルが手前。細いケーブルが隠れるため、見た目がよくなる。

ノウハウ:後からいじらないケーブルは結束バンドで束ねてしまう
ノウハウ:ケーブルを束ねるときは太いケーブルが手前

 束ねて余ったケーブルは光学ドライブの上などのスペースへ押し込んで、見えなくすると、ケース内がスッキリとする。こうすることで不要なケーブルが見えなくなり、ケース内がスッキリとするわけだ。

まだパーツ類への配線は終わっていないものの、ケーブルの配置がほぼ終わった状態がこれ。必要なところへケーブルが届き、不要なケーブルは見えないという、理想の状態だ。

 先ほど「後からいじらないケーブルは結束バンドで束ねる」といったが、では、後からいじるもの、HDDの増設時に使うSATAや電源ケーブルなどはどうすればいいのだろう。当然の疑問だが、これにはもちろん答えがあり、こういったものにはねじって着脱できるツイストタイを使うとのこと。このツイストタイはいくつかのサイズが用意されており、場所によって使い分けているようだ。

ツイストタイは結束バンドほどしっかりと止められないが、簡単に束ねたり外したりできるのがメリット。あとからデバイスを増設するときにありがたい。

ノウハウ:結束バンドとツイストタイを場所によって使い分ける

 ちなみにケーブルは振動で抜けてしまうこともあるため、サイコムでは輸送時の抜け防止用シールを用意し、固定するようにしている。少しでも不具合が起こらないよう工夫されている点は、さすがだと感じだ。

USBのコネクターに抜け防止シールを貼っているところ。基本的にケーブル周りは先輩に頼ったが、シールを貼るのはラッキー橋本ががんばった。

サイコム流:抜け防止シールで不具合を防ぐ

 ケーブルの接続が終わればPCの完成……となるのだが、実はまだ大きなパーツが1つ入っていない。そう、グラボだ。先に挿してしまうとケーブル取り回しのジャマになってしまうため、サイコムではグラボは最後に挿すようにしているそうだ。

サイコム流:グラボは最後に挿す

 グラボに電源ケーブルを先に接続してしまうのも、サイコム流。その後でマザーボードへとグラボを装着すれば、今度こそ間違いなく完成となる。

グラボの電源は先に接続。狭いところで接続するより、先にやってしまった方が作業がしやすい。今まであとから接続していただけに、目から鱗が落ちる気持ちだった。

グラボをマザーボードに挿し、ねじ止めすれば今度こそ完成だ。ケーブル周りで先輩に頼っただけあり、ケースの中もものすごく美しく組みあがった。

忘れてはいけないのが、CPUとサイコムロゴのシールを貼ること。水平に貼れるよう、息を止めて作業していた。

OSのインストールと動作確認で組み立て完了!
箱に詰めて宅配業者に託す

 続いての行程は、「3.OSのインストール」と「4.動作確認(エージング)」。ざっくりとした手順は、BIOSの起動確認と最新BIOSへの更新、パーツの確認、BIOS設定の変更、メモリーテスト、OSのインストール、ベンチマークソフトなどによるエージング、といったものだ。電源を入れて動けばOKというのではなく、しっかりとBIOSの更新や各パーツの動作確認まで行っているのが実にサイコムらしい。

 BIOSの更新が終わったら、指示書にあるパーツ通りに組み立てられているのか、BIOSから確認できる情報で確認。たとえ組み立て前に集めるパーツを間違っていても、ここでその間違いが発見できるというわけだ。また、実はデバイスが認識されていなかったといった初期不良も発見できる。

言われた通り、指示書を手にひとつずつパーツを確認するラッキー橋本。自分の組み立てたPCだけに慎重だ。

 構成に間違いがなく、パーツもすべて認識されていることが分かったら、次はメモリーテスト。BIOSは起動するものの実はビット不良のあるメモリーだった、といったことがないよう、しっかりと検査している。これも問題なければ、いよいよOSのインストールだ。インストールは専用のUSBメモリーから行われるため、それほど時間はかからない。

メモリーテストは意外と時間がかかる。エラーが起こらないか真剣な目で見守る。

OSのインストールは編集部でも何度か経験あるためか、余裕の様子。とはいえ、メモリーテストと同じくやることがないので、基本的に見守るだけだ。

 無事にOSのインストールまで終われば、最後に動作確認を兼ねたエージングとなる。各種ベンチマークソフトをループ実行し、エラーが起こらないかを確認する作業だ。このテストが無事に終了すれば、梱包して出荷となる。

 この梱包がかなり凝っていて、PC本体をアルコールで拭いて指紋や汚れを取ってからケースの段ボールへ収納。さらにこのダンボールを、サイコムの段ボールで梱包するというものだ。また、段ボールにPC本体をしまうときも、グラボが宙づりにならないようPCの向きとダンボールの向きを合わせるなど、細心の注意が払われている。

手袋をして組み立てているものの、何らかの拍子で汚れてしまうことも。こういった汚れをしっかりと落としてから梱包する。

PC本体の向きとダンボールの向きが合うことを確認してから収納。タワー型PCはかなり重たいので、かなり腕が辛かったとのこと。

そしてケースの段ボールにしまった本体を、さらにサイコムの段ボールに。二重梱包にすることで、PC本体がしっかりと守られる。

最後に空間に梱包材を詰め込んでふたを閉めれば梱包完了だ。PC組み立ての緊張から解放されたからか、ちょっと遊びだすラッキー橋本。

運送業者へと組み立てたPCを引き渡したら、あとは届くのを待つだけ。一時のお別れに、少し寂しそうな雰囲気だ。

「早く届け!」と楽しみなラッキー橋本。つい先ほどまで少し寂しそうだったのに、切り替えが早い。素直な青年だ。

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