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導入顧客の三菱UFJ銀行も出席、「2000件以上の業務プロセス自動化」を目指す取り組みを紹介

「目標はRPAではなく“知的プロセス自動化”」Kofax CEOが戦略語る

2018年07月11日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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三菱UFJ銀行が大規模採用、ブラウザエンジンや紙文書キャプチャの強みを評価

 なお同説明会には、Kofaxの導入顧客である三菱UFJ銀行からデジタル企画部 上席調査役の西田良映氏がゲスト出席し、KapowおよびTotalAglityの導入で「2021年までに2000件以上の業務プロセス自動化」を目指す同行の取り組みを紹介した。西田氏の所属するデジタル企画部は、同行におけるRPAおよびBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)の取り組みを推進する部門だ。

三菱UFJ銀行 デジタル企画部 上席調査役の西田良映氏

 三菱UFJ銀行では、Kofaxによる買収前の2013年からKapowのPOCを開始し、適用可能なユースケース(業務)を探ったうえで、2014年7月から実業務の自動化を推進するプロジェクトを立ち上げた。現在までにKapowで自動化されている業務プロセスは100以上、構築したロボット数は500~600に及ぶという。

 西田氏は、同行においては「中央集約型」のRPA適用を進めており、エンドユーザーによるロボット構築は一切許可していないと語る。COE(Center of Excellence)を設け、個々の業務について「現状」と「あるべき姿」を分析してRPA適用を提案するビジネスアナリストと、ロボット構築に当たる50名以上の開発者を配置して、全行に及ぶ業務プロセス自動化を推進している。

 「中央集約型」でRPA化を進める理由について、西田氏は、エンドユーザーが個々に構築してしまうと将来的にはメンテナンスができなくなり、ガバナンスが効かなくなるためだと説明した。「特に金融業は規制業種であり、法規制などが変更されるたびにオペレーションを『確実に』変えなければならない。そのガバナンスを効かせるために、COE体制で(中央集約型で)やっている」(西田氏)。

 Kofax Kapowを選択した理由について、西田氏はまずWebアプリケーションの自動化に対する優位性を挙げた。前述したとおり、Kapowでは独自のブラウザエンジンを備えており、ブラウザ用のデスクトップ画面を用意する必要がない。「(Web用のデスクトップが必要だと)われわれのような大きな組織になると、数千ものデスクトップを、ロボットと同時に管理しなければならない。これからさらにWebアプリケーションが増えてくるなかで、デスクトップを使わずにWebアプリケーションを自動化できるケーパビリティは非常に拡張性が高い」(西田氏)。

 また「銀行業の業務は非常に紙文書が多い」(西田氏)ため、ドキュメントのキャプチャ機能と連携できる点、大規模な業務において大量のトランザクションが同時発生することもあるため、その流量やステータスをコントロールできるダイナミックケースマネジメント機能を備えている点なども、Kofaxのアドバンテージだと考えていると語った。

 なお三菱UFJ銀行ではKofaxとグローバルアライアンスを結んでおり、今後、全世界の拠点への展開においても、Kofaxによるグローバルでのサポートフレームワークが適用されるという。

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