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大企業社員がベンチャーに「レンタル移籍」でマインドが根本から変わる!

2018年07月05日 06時00分更新

文● 藤崎雅子(ダイヤモンド・オンライン

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一定期間ベンチャー企業で働く
「レンタル移籍」導入企業が続々

大企業からベンチャーへの「レンタル移籍」が人気
「企業間レンタル移籍」は、原田社長が自身の転職経験のなかで、「もし前職時代に外から会社を見る機会があれば、もっと面白いことができたかもしれない」と感じたことからアイデアが生まれたという

 今、イノベーションを生み出したい企業の人材育成策として、企業の枠を超えて学ぶ「越境学習」が注目されている。

 従来の日本企業の人材育成といえば、OJTや集合研修など社内で行うものが中心だった。しかし今、時代の変化に対応した新しいアイデアを活かして新規事業の立ち上げや事業革新の推進を行っていくためには、社内のノウハウを学ぶだけでは難しくなってきている。そこで、社外の発想や知見を取り入れようと、越境学習を促進する動きが活発化しているのだ。

 越境先には社会人大学やビジネススクール、社外の勉強会やワークショップなどがあるが、MBAだけ取得してすぐ転職してしまうなど、学んだことが所属企業にうまく還元されないケースも少なくない。

 そんななか、新たな越境学習のかたちとして登場したのが、元の企業に所属しながら期間を定めて別企業で働く「企業間レンタル移籍」。一定期間を終えたら所属企業に戻り、学んだことを組織に還元する流れを持つ仕組みだ。

 大手企業からベンチャー企業へのレンタル移籍を支援するプラットフォーム「LoanDEAL」は、2015年にサービス開始して以来、利用企業がじわじわと増加。これまでにNTT西日本、日本郵便、大鵬薬品、トレンドマイクロなどの大手企業が利用している。

 仕組みは出向制度と似ているが、主にグループ企業内や取引関係のある企業間で行われる出向と違い、業界や企業規模がまったく異なる企業との間で実施されるのが大きな特徴だ。例えば、現在、NTT西日本からは世界初の人工流れ星事業に取り組むベンチャー企業へ、また大鵬薬品からは音楽SNS運営会社へ、といったレンタル移籍が実施されている。

 大手企業が導入に積極的な理由について、「LoanDEAL」を運営する株式会社ローンディール代表取締役社長、原田未来氏はこう語る。

「既存の事業を安定的に運用することが柱となる多くの大企業では、同質性の高い組織のなかで分業によって効率的で堅実に業務が進められます。一方、事業の立ち上げに取り組むベンチャー企業では、多様性や外向性を大切にし、一人ひとりが経営者視点で、会社全体を見ながら仕事を進めなくてはなりません。そうした大企業では得にくい実践経験が期待されているのではないでしょうか」

新規事業立ち上げ経験で
マインドが大きく変化

「LoanDEAL」のプログラムは、大手企業の社員が半年~1年間、ベンチャー企業で働くというもの。人材強化をしたいベンチャー企業140社以上が登録しており、人材育成をしたい大手企業や移籍対象者と相談して、条件に合うベンチャー企業とのマッチングを行う。また、移籍対象者の成長支援もプログラムの一環で、ローンディールのスタッフがメンターとなって移籍期間中は月1回程度、対話を通じて学びや気づきを掘り下げ、移籍終了後は復帰に向けたフォローや所属企業での報告会の開催の支援を行っている。

 こうしたレンタル移籍は、人材育成にどんな効果があるのだろうか。

 ベンチャー企業では大企業の看板はなく個の力をもって、圧倒的なスピード感でさまざまな課題に対応していく。そのなかで、自社にはない知見やスキルを得ることはもちろんのこと、思考・行動の根本にあるマインドが変化するという。

「最も大きな効果だと感じるのは、正解のない環境で、自分で考える胆力や行動力が身に付く点。何かあれば自分の判断ですぐ現場に行くなど、フットワーク軽く行動するようになる方が多いですね」(原田社長)

 こうしたレンタル移籍を1つのきっかけとして、原田社長が目指すのは「日本的な人材の流動化」だ。

「世界で一般的な人材の流動は、転職によるものでしょう。しかし日本には、大リーグを経て広島カープに戻った元プロ野球選手の黒田博樹さんが絶賛されるような、故郷を大切にする価値観があります。一方通行ではなく循環して戻ってくる、そんな日本的な人材の流動化を促進できたらいいですね」(原田社長)

 日本人の感覚にフィットしやすい、他社で修行して戻ってくるという越境学習のスタイルは、今後ますます増えていくかもしれない。

(藤崎雅子/5時から作家塾(R))


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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