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ペットボトルコーヒー大ヒットの理由、サントリーが圧倒的優位

2018年07月03日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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ペットボトルコーヒーが大ヒット
各社のペットボトルコーヒーの一例。クラフトボス人気にあやかりたい各社だが、存在感を示せるか Photo by Akira Yamamoto

 ペットボトルコーヒーが人気だ。けん引役は、サントリー食品インターナショナルが昨年4月に発売した「クラフトボス」。発売からわずか1年で1500万ケースを売り上げる大ヒットとなった。

 背景には消費者の生活習慣の変化がある。デスクワークが働き方の中心となり、長時間かけて飲む「ちびだら飲み」が増加。大容量で持ち運びできるペットボトルと、お茶や水の代わりとしても飲める軽い飲み口が消費者に受けた。

 従来の缶コーヒーは中年男性が顧客の中心だが、スタイリッシュな印象のペットボトルによって、若年・女性層ニーズをつかんだことも、ブームになった要因だ。

 サントリーのヒットを目の当たりにして慌てた各社が、ここ最近、新商品を相次いで投入している。今年以降、コカ・コーラシステムの「ジョージア ジャパン クラフトマン」、ダイドードリンコの「ダイドーブレンド スマートブレンドブラック」ほか、味の素AGFやアサヒ飲料、UCC上島珈琲などが、新商品を発売した。

 主流の缶コーヒーが不調とあって、各社のペットボトル商品に対する期待は大きい。あるメーカー関係者によれば、昨年のSOT(タブ付き)の缶コーヒーの売り上げは、主要チャネルで前年比15%程度の減少となったという。近年流行していたボトル缶タイプも、クラフトボスの登場で減少傾向にあり、ペットボトル商品なしにはもはや戦えない状況だ。

先行者サントリーの優位

 競合商品の発売ラッシュとなり、「(1社単独だった)昨年とは状況は大きく違う」とサントリーの柳井慎一郎常務は危機感をあらわにする。しかし、競合他社のある幹部は、「新商品が出て結局得をするのはサントリー」とも指摘する。

 市場では、先行者として消費者に浸透しているサントリーが、このカテゴリーで圧倒的な首位に立つ。競合品が増え市場が拡大するほど、小売りの売り場を多く占める本家が得をするという理屈だ。

 内心穏やかでないのがコカだろう。長らく清涼飲料の国内市場でトップシェアを誇るが、ここ数年、2位のサントリーに猛追を許している。飲料総研のデータによれば、2017年のシェアはコカの26.7%に対し、サントリーは21.5%。12年と比較してシェアは3ポイントほど縮まり、その差は1億ケースほどに迫っている。

 早晩、サントリーがコカを超すのではと多くの関係者はみており、クラフトボスがその一助になると前出のメーカー関係者は言う。クラフトボスの今年の販売目標が1500万ケースなので、直ちに逆転するわけではないだろうが、コカの大黒柱であるジョージアブランドがペット化の波に乗り遅れれば、逆転は現実味を帯びてくる。

 コーヒーが、コカにとっての“苦汁”となるかもしれない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本 輝)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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