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中学受験は「親が9割」!意外に知らない息子・娘を伸ばすサポート

2018年06月27日 06時00分更新

文● 西村則康(ダイヤモンド・オンライン

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中学受験の合否を決める9割が親の仕事
写真はイメージです

親の時代から大きく変化しつつある中学入試だが、実は合否を決める9割が親の仕事。子どもが過酷な中学受験を乗り切るためには、家族のフォローが不可欠だからである。では、親は受験を控える子どもをどのように支えていけばよいのか。“中学受験のカリスマ”で『中学受験は親が9割』著者・西村則康氏が、受験生の親がすべきこと・やってはいけないことをアドバイスする。

2020年大学入試改革で
中学入試も影響を受けるのか

 2020年度から、大学入試は現在の「大学入試センター試験」に代わって「大学入学共通テスト」という新たなテストに変わる。内容についてはまだ不透明だが、現時点でわかっているのは「思考力」や「表現力」を重視したものに変わるということだ。

 そう聞くと「大学入試の変化に影響されて、中学受験の入試傾向も変わるのでは?」と不安になる方も多いだろう。実際、そのように取り上げているメディアも多くある。

 しかし、実際は難関中学の入試問題は今後も大きく変わることはないだろうと考えている。なぜなら、難関校ではこれまでも思考力や表現力を問う問題を出題し続けてきたからだ。

 そこで、変わってくるのは中堅校やそれ以下の学校の入試問題である。実際に中堅校以下の学校では、数年前から大学入試改革を意識した「思考力入試」「アクティブ・ラーニング入試」といった新しい入試が増えている。

 しかし、ここで気をつけておきたいのは、その学校が本当に「思考力」や「表現力」を育成するアクティブ・ラーニングの授業(調べ学習やプレゼンテーション、話し合いなど生徒が積極的に参加することを目的とした授業)に力を入れているかどうかだ。近頃増えてきた思考系の入試問題の中には、とりあえず記述をさせているような“中身のない思考系問題”も多いからである。

 一方で、開成中学や麻布中学などの難関校では、「アクティブ・ラーニング」という言葉が取り上げられる以前から、こうした授業を行ってきた。難関校の入試問題に思考力や表現力を問う問題が出題されるのは、こうした授業に積極的に参加できる子にきてほしいと思っているからである。

 ひとくちに「思考力」といっても求められる能力は学校によって様々だ。「大学入試改革」という言葉や情報に振り回されすぎず、希望する学校がどのような「思考力」を求めているかを知っておくことが合格への第一歩となるだろう。

中学受験最大の武器「進学塾」は
どうやって選ぶ?いつから通わせる?

 中学受験は、学校の勉強だけできてもうまくはいかない。現実的に、「進学塾」に行かずに難関中学に合格することは不可能に近いのである。小学校での授業はすべての土台になる基礎訓練であり、「進学塾」はその基礎訓練を補った上でさらに発展的な学習を指導する。塾でこうした学習を重ねないと中学入試の問題には太刀打ちできないのだ。

 では、中学受験で合格するために必要不可欠な「進学塾」を、どうやって選ぶべきか、いつから通わせるべきか。まずスタートでつまずかないためのアドバイスをさせていただきたい。

 まず、同じ進学塾でも個人塾と大手塾があるが、本気で受験を考えるのなら大手塾をすすめたい。個人塾は1クラス3~10人程度のため、子どもの習熟度に合わせたきめ細かい指導がしやすいというメリットがあるが、どうしても講師の力量と熱意だけが頼り、という部分もあり「当たり外れ」が大きいといえるだろう。

 一方、大手塾の場合、1クラスの人数は15~30人のため当然競争は厳しくなるが、そのぶんライバルが多く刺激になるともいえる。講師の質については、大手でも個人差はあるが一定レベル以上であると考えてよいだろう。

 さらに、大手塾の最大のメリットは、受験までに必要なカリキュラムがしっかりとつくられていることだ。スケジュールはもちろん、教材として使うテキスト、それに付随して行われるテストがきちんとそろっているということである。また、大手塾で使うテキストは定期的に改訂され、最新の入試問題にも対応できるようにつくられている点も安心だ。

 では、通う「進学塾」を決めたら、いつから通い始めるのがよいのか。また、その前にどのような準備が必要なのかということになるだろう。

 正直、「5年生になったから、そろそろ塾に行かせて中学受験をさせてみよう」では遅い。理想を言えば、「3年生の2月から」が入塾のベストな時期である。4年生の1学期が始まる前の春休みには、塾での学習を始めているという形が最も望ましいだろう。

 さらに、どの塾にもまず入塾テストがあり、それの結果次第では一番下のクラスにさえ入れない。そのため、入塾にも「準備」が必要になってくる。「3年生の2月」から通い始めるとすると、1月の入塾テストを受けることになり、そのためには2~3ヵ月前の3年生の11月までには準備を開始した方がよいだろう。

 具体的な「準備」としては、自宅で親がフォローしながら問題集を解くというのが基本であり、テキストは『自由自在 小学3・4年』(受験研究社)がおすすめだ。入塾テストは国語と算数のみのため、このテキストの国語と算数をそろえて取り組んでみるのがよいだろう。

中学受験は
「家族全員の大プロジェクト」!?

 これまで述べてきた入試対策、塾選びとどれも中学受験においては欠かせない重要事項だ。しかし、親の最大の仕事は、中学受験を受ける子どもとどう接していくかである。

 まず、親がやらない方がいいのは受験勉強を直接教えること。意外に思われるかもしれないが、現在の中学入試問題は非常に難しく、昔ながらの勉強法ではとても解けないものが多いからである。そこで、実際の学習テクニックは塾の先生に任せて、親は自宅での「復習」をフォローしてあげるのが一番なのだ。

 では、親は子どもをどうフォローしていくのがよいのか。それは「タイムマネージメント」である。受験までのスケジュールを把握して、「次は○○のテストの準備をしよう」「明日はこれとこれをやっておけばいいね」などと促し、時にはほめてあげる。次の段階では、「今日は何を勉強すればいいと思う?」を質問して、子ども自身にプランを考えさせるのがよい。このような役割は、子どもと接する時間が長く、様子を細かく見ている母親が向いているだろう。

 一方で、父親は母親ほどに子どもと接する時間はないかもしれないが、だからこそできる役割がある。それは、子どもと母親を精神的に支えることである。子どもの受験勉強の悩みや、母親のグチを聞いてねぎらってあげることができれば理想的だ。

 このように、子ども、そして両親が「3人4脚」で中学入試に臨むことができれば、それは非常に強い家族の絆をつくることにもなる。そのような環境にするには、まず中学受験に対する夫婦間の意見を一致させておくべきだ。両親が共に納得している状態であることによって、子どもは安心して受験勉強に集中することができるからである。

 高校受験や大学受験とちがって、小学生の子どもに進路や勉強法、スケジュールを「自主性に任せる」ことは不可能だ。そこに大きく親が関わり、中学受験は「家族全員の大プロジェクト」として取り組んでほしいことを、まずは知っておいていただきたい。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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