このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

「ニンジャバットマン」は日本限定アトモス版に注目!

爽快な音とアクション、岩浪音響監督監修のサウンドを聴く

2018年06月20日 19時40分更新

文● 野村ケンジ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

なんと日本だけの特別上映だった

──岩浪音響監督がドルビーアトモス上映を手がけるのは、この『ニンジャバットマン』で何作目ですか?

岩浪 『BLAME!』『ガールズ&パンツァー最終章 第1話』に続く3作目です。

──邦画で、ドルビーアトモス上映の作品はあまりないように感じているのですが。

岩浪 ハリウッドのアクション映画などでは結構ありますが、邦画は少ないですね。ですが、映画音響としてはとても効果的な表現を持っていると考えているのです。ですから、今回も“ドルビーアトモス上映やりましょう!”とワーナーブラザースにお願いして、実現させてもらいました。結果として『ニンジャバットマン』はワールドワイド上映なのに、日本のみドルビーアトモス上映が行われる、という状況になってしまいましたが(笑)

──日本のみですか!?

岩浪 はい、日本のみの上映です。とても貴重なバージョンになっているので、是非、ドルビーアトモス上映をご覧いただきたいと思います。

ドルビーアトモス上映の調整に使うソフト、映写室にある機材と長いLANケーブルでつないでいる

──アクションシーンが連続することもあって、ドルビーアトモスならではのサウンド演出になっている部分も多くあったと感じました。

岩浪 ドルビーアトモスにピッタリのシーンなどもあって、効果的に活用させていただきましたが、あくまでも、より強く作品世界のなかに没入できるための演出として利用しています。「ドルビーアトモス上映」ならではの「包まれ感」を存分に味わって欲しいのはありますが、あくまでも『ニンジャバットマン』の作品世界にマッチした臨場感溢れるサウンドを作り上げましたので、作品全体を堪能して欲しいです。

──今回、時空震サウンドの音響調整の取材でお邪魔した映画館のなかでも、イオンシネマ幕張新都心はドルビーアトモス上映対応となっていますが、川崎チネチッタなど対応していない映画館もあります。こちらの特徴はいかがですか?

岩浪 もちろん、ドルビーアトモス上映ならではの表現があり、それとは多少なり異なったものとなりますが、こちらも『ニンジャバットマン』ならではの世界観はしっかりと表現できていると自負していますし、没入感もかなり高くなっていると思います。たとえばイオンシネマ幕張新都心「時空震サウンド / ULTIRA」では包まれ感のあるサウンドが迫力あると同時にとても心地よく感じられますし、川崎チネチッタ「時空震サウンド / LIVE ZOUND」では、ライブ会場にいるかのような高い臨場感が味わえます。いずれの映画館でも『ニンジャバットマン』を存分に楽しんでいただけるよう音響設計しましたので、安心して存分に楽しんでください。

──バットマン役の山寺宏一さんをはじめ、『ニンジャバットマン』では声優陣もかなり豪華となっていますが、印象に残ったエピソードなどありましたらお教えください。

岩浪 山寺さんは、過去にバットマンの洋画吹き替えをやった経験もあるので、そのときのような“洋画に合わせた低い声にして方が良いですか?”との相談もいただいたのですが、その声質にとらわれず自由に演じて欲しいとお願いしました。結果として、活き活きとした、深みのあるバットマン像になったと思います。中島さんの脚本の特徴でもあるのですが、各シーン、各登場人物にそれぞれ必ずといっていいほど見せ場があるのです。そういうのを、皆さん楽しそうに演じていました。神風動画の映像がもつ密度感の高さあってことですが、結果として、厚みのある作品になったと思います。そうそう、川崎チネチッタでは、バットマン役の山寺宏一さんの声が艶っぽい響きになるよう調整させてもらっていますので、そのあたりにも注目していただければと思います。

──違いが気になる方は、聴き比べてみるのも面白いかもしれませんね。

岩浪 そうですね、ドルビーアトモス上映はどこかでぜひご覧いただきたいところですが、ドルビーアトモス上映以外のサウンドも手抜かりなく作り上げましたので、どちらも存分に楽しんでいただけたら嬉しいです。

劇場ごとの音を楽しむのもまた魅力

 最後に、今回音響調整の様子を取材させていただいた2館、イオンシネマ幕張新都心「ニンジャバットマン 時空震サウンド / ULTIRA / ドルビーアトモス」と川崎チネチッタ「ニンジャバットマン 時空震サウンド / LIVE ZOUND」の特徴をレビューしよう。

アトモス上映館であるイオンシネマ幕張新都心で撮影

 まずイオンシネマ幕張新都心「ニンジャバットマン 時空震サウンド / ULTIRA / ドルビーアトモス」は、360度隙間なく包み込まれた密度館の高いサウンドフィールドが特徴だ。ドルビーアトモス上映ならではの特徴が最大限に発揮され、スピーカーの位置を意識することなく、空中の様々な場所から声や効果音が現れては消える。臨場感の高さは格別だ。この没入感を味わえるだけでも、『ニンジャバットマン』のドルビーアトモス上映を見に行く価値はある。

 いっぽう、川崎チネチッタ「ニンジャバットマン 時空震サウンド / LIVE ZOUND」はというと、スピード感溢れるサウンドが最大の特徴となっていて、映像と音が一瞬のぶれもなく見事にシンクロした、キレの良いアクションシーンが存分に楽しめる。とてもワクワクする映像とサウンドだ。

川崎チネチッタで撮影

 また、岩浪音響監督の言葉どおり、キャラクターのセリフが色っぽく、同時に深みのある声に聞こえるのも特徴だ。バットマン(声:山寺宏一)やゴリラ・グロッド(声:子安武人)、アルフレッド(声:大塚芳忠)、デスストローク(声:諏訪部順一)、トゥーフェイス(声:森川智之)のしぶーくて色気のある声を楽しみたい人は、せひこちらで『ニンジャバットマン』を楽しんで欲しい。

作品情報

現代の犯罪都市ゴッサムシティの悪党たちがタイムスリップし、群雄割拠する戦国時代の日本。戦国大名となった悪党たちがこのまま自由に暴れ続ければ、日本だけでなく世界の歴史すらも変わってしまう! 絶望的な乱世で、現代テクノロジーからも切り離されてしまったヒーローは、世紀の歴史改変を阻止することができるのか? 日本と世界の未来をかけた、時空を超えた壮大なバトルの行方は!? 日本が世界に放つ、戦国タイムスリップ・アクションエンターテイメントがついに開幕!

上映情報

6月15日(金)全国ロードショー
公式サイトURL http://wwws.warnerbros.co.jp/batman-ninja/
Twitterアカウント @batmanninja2018

■関連サイト

Batman and all related characters and elements are trademarks of and (C) DC Comics. (C) Warner Bros. Japan LLC

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ