このページの本文へ

女の「いきなり感情爆発」に戸惑う男が知るべき意思疎通の極意

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

交際相手の女性が今日はやたらと機嫌が悪い。笑顔も見せないし、話しかけてもどこかそっけない。「何かしたかな…」と、ここ数日の出来事を振り返っても思い当たる節もなく、「どうかした?」と尋ねても「別に」と沢尻エリカばりの仏頂面で返される。まあいいか、と普段通り過ごしていた数日後、突如「別れたい」とLINEが送られてきた…。いったいなぜこんなことが起きるのか。(清談社 藤野ゆり)

LINEやメールを返さないだけで×
自分主演のドラマに男を巻き込む女

コミュニケーションに行き違いが起きがちな男女
女性からいきなりフラれる...。そんな体験をした男性は少なくないはず。しかし、女性の中では「いきなり」ではなく、積もり積もった不満が爆発した結果かもしれない

 冒頭のエピソードは、筆者の友人の実体験である。この出来事の数週間前には、2人で仲良く温泉旅行に行ったばかり。男性は頭の中が疑問符でいっぱいになり、理由を彼女に聞いてみたが、「恋愛対象として見られなくなった」など要領を得ない回答ばかり。「この間まであんなにラブラブだったのに!?」。結局、最後まで彼女の気持ちが理解できないまま、友人は振られてしまった。

 意外にも、こういった経験をしている男性は少なくない。ある一定の周期でふらりとやってくる、女性の“急に別れたいと言ってくる現象”。その心理状態はいったいどうなっているのか。

「いきなり別れを切り出されて困惑する男性に対して、女性のなかでは、その別れは急でもなんでもない、ということがほとんどです」

 そう語るのは、『理屈で動く男と感情で動く女のもっとわかり合える会話術』(かんき出版)の著者で、異性間コミュニケーション協会代表理事の佐藤律子さんだ。佐藤さんによると、女性は自分の人生をドラマにしたがる生き物だという。

「主人公はもちろん自分で、そのドラマに男性を巻き込みたがる。たとえば彼女から『天気がよくて気持ちがいいね!』とLINEがきて、男性は特に意味のない文章だと思って既読スルーしたとする。そうすると女性は『そっけない…なんで? そういえばいつもLINEは私から送ってるし、返事も遅い。本当はもう私のこと好きじゃないのかも』と、ドラマが急展開してしまうのです」(佐藤さん、以下同)

 既読スルーしただけで、そんな大げさなことに?と思う男性もいるだろう。しかし、その背景には、男女でコミュニケーションの捉え方が大きく異なることが関係しているようだ。

「男性にとってLINEやメールは、基本的にただの連絡手段。何か用件や質問があってこそ送るものという認識です。しかし女性にとってLINEは感情交流の手段なのです。女性の長電話が理解できないという男性も多いですが、これも同じ理由ですね。用件があるわけじゃないけど、感情で交流したい。だから、そこをないがしろにされると、自分の存在そのものを雑に扱われているような気持ちになってしまいます」

目を見て話を聞くだけ
その驚きの効果とは?

 佐藤さんによれば、前述の「天気がよくて気持ちいいね!」という文面には、「わたし今日、機嫌いいよ」というメッセージや、「どこか出かけたいな」ぐらいの意味がこめられているのだという。

 これをスルーされたことで、女性は交流を拒絶されたような気持ちになり、マイナスのストーリーを勝手に展開してしまうわけだ。だとすれば、友人の大失恋も、もしかしたら本人が気づいていないだけで、女性が重視する感情交流をないがしろにしたせいで嫌われてしまったのかもしれない。

 しかし限られた時間のなかで、しょっちゅう「感情交流」につき合う時間なんてないんですけど…。そんな男性陣のボヤキが聞こえてきそうである。佐藤さんは、「彼女の目を見て、しっかり話を聞く、というだけでも男女の仲は劇的に改善されます」と言う。

 女性の話を“聞く”ことの重要性は、海外のパートナーシップ研究でも以前から重要視されているようだ。

「男女研究の大家として知られるジョン・グレイ博士の講座では、“絶対に夫婦仲がよくなる”というワークが話題になりました。ある方法を1時間行うだけで参加者のほとんどが仲良くなる、というのです。その方法はいたってシンプル。『1時間、奥さんの真正面で目を見ながら、愚痴でもなんでも一切の否定をせずに聞き続ける』…たったそれだけです」

 そんな単純な方法で男女の仲が改善するとは、にわかには信じ難い。しかし、彼女や奥さんの話を1時間、ただひたすら聞き続けることができる男性がいったいどれぐらいいるだろうか。この方法は女性側が喜ぶだけではなく、男性側の心情にも大きな変化を生じさせるという。

「男性にとって、最初は苦痛な時間かもしれません。しかし話を聞く姿勢を続けて、30分経過したあたりから、女性に対して男性が『なんて愛らしくて守ってあげなければいけない存在なんだろう』という感情を持つようになり、なかには女性の話に共感して泣けてくる男性もいるそうです」

 女性は共感を求める生き物だとよく言うが、この講座を受けた夫婦は、男性が女性の話に本気で悲しみ、共に涙して、そして最終的に手をつないで帰っていくのだという。

「男性はビジネスの文脈では、相手の話を“聞く姿勢”ができているのですが、家庭や彼女相手だと途端にできなくなってしまう人が多い。それってもったいない」

存在を認めてほしい女性
信頼してほしい男性

 しかし、女性が感情交流や共感を重視する生き物だというのはわかるが、話を聞くだけでなぜ互いの愛情が深まるのだろうか。

「私は男性のことを地位や名誉、お金といった要素で自分を満たす“社会的動物”と定義しています。一方で、女性は存在するだけで価値があると思われたい生き物なので、“存在的動物”と定義しています。“自分磨き”も、多くは美貌だったり自分がすでに持っているものを磨き上げる。それが自分の存在価値につながるからです」

 “存在を無視されること”は女性にとって最もつらい行為。だからこそ感情交流である連絡をスルーされたり、きちんと自分の話を聞いていないと感じると、自分の存在が無視されているように思えて深刻になってしまうのだという。

「家事や育児を手伝ってくれてない、ワンオペだ、と旦那さんへの不満を募らせて爆発してしまう奥さんの話もよく聞きますが、実はその根底には、存在を無視されていることへの怒りが隠れていることも多いんですよ」

 俺はよく話を聞いているから大丈夫、と安心するのはまだ早い。女性が話しているときに、テレビやスマホの画面を見ながら相槌を打っているとしたら、それは女性にとって無視されていることと同じだからだ。それが続けば、女性のなかの“ドラマ”は、一気に悲劇的に展開していくだろう。

 男性には信頼、女性には愛情。まずはパートナーにその実感を与えられているか、男女共に考えることこそ、異性間のコミュニケーションを円滑にする最良の方法かもしれない。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

カテゴリートップへ

最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ