このページの本文へ

職場の飲み会で行くべき「2次会」の判断基準はこれだ

2018年06月11日 06時00分更新

文● 中村未来(ダイヤモンド・オンライン

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

飲み会が終わった後、2軒目、3軒目と、店を変えて飲むのがいわゆるハシゴ酒。職場でもプライベートでも、店をハシゴして飲むのは当たり前だと思っている人は、中年以降の世代には多いはずだ。しかし、なぜ私たちはハシゴをするのだろうか。『飲み会=ハシゴする』という慣習によって思考停止になっていないだろうか。人がハシゴ酒をする理由とは何なのか、専門家に聞いた。(清談社 中村未来)

素を出すのに時間がかかる
日本人がハシゴ酒を好む理由

進んで参加すべきハシゴ酒の条件とは?
「課長」「部長」という役割を演じる傾向の強い日本人にとって、素の自分を出すのは大変なこと。ある程度、酒が回った2軒目でようやく、日頃の役割を捨てられるのだ

 フジテレビ系で放送中の番組『ダウンタウンなう』内のコーナー、「本音でハシゴ酒」。ダウンタウンと坂上忍が、ゲストを迎えて一緒に酒を飲むという内容の人気企画だ。視聴者は2軒目、3軒目と店が代わるにつれ、過激になっていくタレントたちのトークを面白がって見る。

 テレビ東京系の『二軒目どうする?~ツマミのハナシ~』も同様。TOKIOの松岡昌宏と博多大吉が居酒屋でトークするバラエティー番組で、お酒によってタレントたちの本音がこぼれるのが、ウケている。

 これは、一般人も同じだろう。最近は若い世代を中心に1次会で解散、という風潮が主流になっているが、50代以降と飲めば、最初の1軒では終わらず、なぜか2軒目に行きたがるという人はまだまだ多い。

「状況にもよりますが、ハシゴ酒をする理由は、その場にいる人ともう少し飲みたいということに集約されると思います」

 そう話すのは、コミュニケーション研究家の藤田尚弓氏。わざわざ店を変える理由としては、時間制などの制約がある場合もあれば、雰囲気やつまみを変えたいという目的のためでもある。あるいは、1軒で帰りたい人のために、店を変えるという理由をつけて、いったん締めるということも考えられる。

 いずれにせよ、1軒目を前半戦と捉え、後半戦である2軒目に繰りだすのだ。実はこの考え方は、日本人ならではのらしい思考だと藤田氏は指摘する。

「日本人は、自分の役割を演じるのが得意な民族であるといわれています。海外の人ももちろんそうで、パブクロールと呼ばれるハシゴ酒文化もあるのですが、日本人は、より役割を演じる傾向がより強いのです。例えば、課長という役職を持っている人は『自分は課長だ』という自意識が強くあるため、どの場においても課長という役割を演じてしまう傾向にあります。素の自分を出しにくいのです」(藤田氏、以下同)

 アルコールにこういった抑制を緩和させる作用があるのは、周知の通り。しかし強情な日本人にとって、1軒目で素を出すことは困難なのだ。ある程度アルコールが入り、次の店へ…という段階でようやく日頃の役割を捨てられる。だから皆、2軒目、3軒目へとハシゴしたがるというわけだ。

進んで参加すべき
ハシゴ酒の条件とは?

「さらに飲酒は、一時的に不安を軽減させる効果があり、コミュニケーションを苦手とする人でも、会話がしやすくなるという研究結果もあります。お酒が入ると饒舌になる人がいるのは、こうした理由からです。しかし行き過ぎると暴言や暴力につながる人もいるので気を付けなければいけません」

 酒癖の悪い人物とのハシゴ酒は、当然避けるべきだろう。ほかにも、上司行きつけのスナックに連れて行かれ下手くそなカラオケを聴かされたり、延々と続く説教が始まるのであれば、なんとしても回避したい。しかし、ハシゴ酒はすべて無意味かというと、そうでもないらしい。藤田氏は「進んで参加すべき2軒目」もあるのだと話す。

「ストレス緩和を望める、あるいは自分を成長させる場になりそうならば、参加すべき2軒目だといえます。厳しい上司や気の合わない先輩など、ストレッサー(ストレスを引き起こす要素)となる人物がいたら、気ばかり使って心から楽しめませんし、自分の役割に徹してしまいがちです。つまり、そうしたストレッサーが抜けた2軒目なら、ストレスフリーで楽しめる会になるはずです」

 尊敬する上司とより近い距離感で話せるのであれば、自分を成長させる場にもなり得る。2軒目に参加する理由を合理的に考えるとすれば、ストレスフリーで楽しめる場、そして自分を成長させる場、この2つだといえる。

「引き止め」はある種の儀式!
付き合いの悪さは昼間に解消できる

 冒頭でハシゴ酒番組のブームについて触れたが、藤田氏はこれを「人とのコミュニケーションが価値になる時代」と分析する。

「使い古された言い方ではありますが、コミュニケーションが希薄になっている今の世の中。他人同士が集まってお酒を飲むというごく単純なコミュニケーションに、人々は興味を持つのだと思います」

 もちろん、予算が少なくて済むという制作サイドの思惑もあるが、酒の席で生まれる予期せぬ面白さは、共通認識としてある。酒が進めば進むほど、未知の面白さが発生する可能性は高まっていく。

 そうはいっても、2軒目には行きたくない、早く1人になりたいという人も少なくない。周囲が2軒目に行こうと盛り上がっている中、「お先に失礼します」とは言いにくいが…。

「帰りたい人を引き止めるというのは、ある種の儀式です。引き止めるほうも、本気で帰ってほしくないとは思っていません。その場の雰囲気や、人数調整のために声をかけているだけなので、引き止めは無視しても大丈夫です。社会人のマナーとして『また次回ぜひお誘いしてください』など言っておけばいいのではないでしょうか」

 また、2軒目に不参加だからといって、ほかの人よりも親密度が薄れることはないという。

「お酒が苦手な人も心配ありません。コミュニケーションは、長さよりも回数。飲み会に行けない分、日中話しかけるなど回数をこなせば問題ないです」

 2軒目に行く合理的な理由が見つからなかった人も、なんとなく行ってみようという気になったのではないだろうか。もしくは、行きたくない2軒目に付き合わされたときに、「成長できる場かもしれない」「相手の素を見るチャンスかもしれない」と思えば、少しは2軒目を楽しめるかもしれない。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

カテゴリートップへ

最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ